セットバックを要する土地

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

事務所の最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の新大塚駅です。ちなみに新大塚駅は丸ノ内線の始発駅である池袋駅から東京駅方面に一つ進んだ駅です。事務所のある東京都文京区大塚6丁目は古くからの住宅街で家と家の間の路地が狭く木造住宅が密集しているいわゆる木密地域なのですが駅に向かう途中に車1台がようやく通ることのできる道路があります。

事情をご存知の方はおそらく通らないであろうその道路ですが、大きな通りへ抜けることのできる数少ない道であることから地元以外のナンバーの車が迷い込んでくることがよくあります。駅周辺の道ですからそれなりに人通りのありますから歩行者や自転車に乗っている方の冷たい視線を感じながらゆるりゆるりと通過していくことになります。

建築基準法に定義する道路とは原則的に幅員が4m以上のものを言いますがその道はどう見ても4mありません。このような道路に面している敷地に建つ建物を建て替える場合は将来的に4m以上になるように中心線から2m以上後退しなければなりません。これをセットバックと言います。

このように所有する土地のうちに将来的にセットバックをしなければならない部分がある場合にはその部分については相続税を計算する際の相続税評価額の計算上一定の考慮がされます。将来的に自分の土地ではなくなるという事情からですね。ちなみに相続税評価額とは相続税を計算する際に対象財産につける貨幣的価値のことを言います。

具体的には70%の評価減をすることができます。例えば通常の計算で1千万円と算出された場合、その70%つまり700万円が減額されその土地の相続税評価額は300万円として良いですよということです。

敷地全体からするとセットバックしなければならない部分は一般的にはそう多くはありませんがそれでも70%減額できるのですからそれなりのインパクトです。ですからみなさん是非知っておいてください。

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経営分析のしかたについて

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今週もよろしくお願いいたします。

経営分析という言葉をみなさんはご存知でしょうか。会社の財務諸表の各項目を掛けたり割ったりして一定の数値を算出しそれにより経営の状態を見ようとするものです。総資本のうちに自己資本の占める割合(自己資本/総資本)=自己資本比率などは代表的な経営指標として用いられます。この比率が高いと財務が安定してるつまり倒産しにくいと一般的に判断されます。資金調達を自己資本つまり借入ではない部分でいかに賄っているかということを表すものですのでその比率が高いほど借入頼らない健全な経営をしていると言える、という具合ですね。あと有名な指標としては自己資本利益率(ROE)があります。自己資本をいかに効率よく使って利益をあげているかということを見るものです。これら指標のうち前者は会社の安全性(倒産のしにくさ)を後者は収益性を見るうえでもっとも使用される指標といってよいでしょう。

世に出回る経営分析に関する本にはこれら自己資本比率が40%以上であること、ROEが10%以上であることが望ましいとよく書かれています。目安というやつですね。しかしながらそれはそれぞれの会社が抱える事情等により目安は変わってくるはずです。業種・地域性・競合他社等個別の事情が会社ごとに存在しますからね。自己資本比率が50%でも安心できないケースもあれば20%でも安泰ですよねというケースもあり得ることです。

そのように何となく言われている40%とか10%とかというものと比較して一喜一憂するのではなく例えば過去の自分と比較することが有効な場合があります。経営指標を1年ごとに算出し例えば自己資本比率であれば5年前は10%だったのが年々上がってきて当期は25%までになった、という傾向をつかめば当社の経営は順調に推移しているのかなという感覚を持てるのではないでしょうか。

経営分析はともすれば主観的になりがちな経営判断を客観的な数値を用いることにより理論的に補佐することができる非常に有用なツールです。しかしそれも使い方次第ですので本に書いてあることを鵜呑みにせず先ほど申し上げたようなご自分なりの工夫をしていただき有効活用していただきたいと思います。

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額面と手取り

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額面と手取りのお話です。売上は消費税込み(額面)の金額が入金されます。しかしながら課税事業者であれば本体価格が手取りで消費税は預り金ですからプールをしておかなければなりません。もしも資金繰りに回してしまうと大変です。後で預かった消費税を納めなければいけませんからその時に資金繰りがつかなくなる可能性があるからです。では預かった消費税の全額をプールしておかなくてはいけないかというとそうではありません。以前にもお話した消費税の仕組みによると預かった消費税から預けた消費税を差し引いた金額を後から納めることになりますのでその差し引いた金額をプールしておけばよいことになります。ところがその差し引いた金額がいくらになるのかというのがなかなか算出が難しいところです。預かった消費税はわかりますが預けた消費税がいくらなのかというのがよくわからないところではないでしょうか。でも大丈夫です。月ごとの試算表をご覧いただくとその答えがあります。ただし税抜経理を採用している会社に限られますが。

仮受消費税-仮払消費税

これが答えです。仮受消費税は貸借対照表の流動負債に、仮払消費税は流動資産にあります。そこの数字をご覧いただくとその差引いた金額がその試算表作成時点での納めなければならない消費税とほぼ一致します(ただし簡易課税適用の場合はそうとは言い切れません)。ですからその金額をどこかにプールしておけばいざ消費税を納税する時も慌てることは無いということになりますね。

税込経理を採用しているところではそれができません。ではどうすればよいかというと顧問の税理士がいらっしゃる方はその先生にお任せいただくとしてそうではない方はご自身で消費税を試算していただく必要があります。専門知識がないとなかなか難しいところなのですがおおまかな金額は計算できると思います。

試算表の経費項目をご覧いただき、給与・賞与・慶弔費・会費・税金・社宅家賃以外の経費の金額を集計してください。その集計した金額に8/108(10月からは10/100です)を乗じると仮払消費税つまり預けた消費税が計算できます。預かった消費税はわかると思いますので差し引きの金額も計算できますね。

ただしこれはざっくりとした方法でして資産を購入した場合等には個別の事情を考慮する必要が出てきますのでご了承ください。

消費税のように後から納付する税金はプールしておかないと大変なことになりかねませんのでどうかご注意ください。

今週もご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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開業率が急低下?

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「開業率 18年度は急低下」今朝の日経新聞からです。

安倍政権の成長戦略の一つに開業率を欧米並みの10%にする、があります。一方で2018年度は前年度より1.2%下がった4.4%でした。これでは欧米並みの数字には到底及びませんね、というのがこのデータから導かれる結論ですが実はこの開業率という数字自体に実態を表していないのではないかという声があります。

開業率=新たに雇用保険を適用した事業所/全事業所

この算出の仕方に問題があるのではないかということです。

例えば建設の現場ではその現場で職人さんを雇って保険を適用した場合も開業としてカウントされるとのことです。そもそも前年度である2017年度はオリンピック関連の工事が多く行われそれに伴い現場を立ち上げるごとに開業とカウントされ結果として開業率が高く出たということではないかと言われています。

東京都では創業支援拠点の相談件数が前年度より2割増加しており、また創業に関連する制度融資も同じく2割増えているということで必ずしも開業率は減っているとは言えません。

開業率が上がれば国の経済は活性化する、私もそう思います。いろんな産業が生まれ付加価値が創造され雇用も創出される。とても大切なことなのにこのような必ずしも実態を表していない数字で政府が政策立案等において対応しているとしたら非常に残念なことです。

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電子申告の利用状況が公表されました

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電子申告の利用状況が国税庁から発表されました。それによりますと平成30年度の電子申告の利用率は税目ごとに

①所得税

57.9%(前年比+3.4%)

②法人税

84.3%(前年比+4.3%)

となっております。電子申告の利用率とは全体の申告数のうちの電子申告の占める割合です。現在所得税・法人税の申告の方法としては書面の提出によるものと電子申告によるものがあります。10年前である平成21年度の電子申告利用率は所得税が39.7%、法人税が48.9%ですからまだ10年前は書面の提出の方が多かったことになります。

私は平成21年にはこの業界におりまして確かにそれ以前は申告書を紙で提出していたのをよく覚えております。この紙で提出するのがまあ手間のかかること。本当に大変でした。私がいた事務所では税務署等から送られてくる用紙に申告書を印刷して(手差し印刷です)いたのですがこの用紙がとにかく印刷しずらいものでした。印刷はできるのですが排出口で蛇腹状になって出てきてしまうんですね。必要枚数しか送付されてきませんからそうなった時は大変です。重いもので重しをして(要するにアイロンですね)伸ばして何とか提出までこぎつけたものです。その他にも手差しですからうまくプリンターに用紙が入っていかず数字がずれるなどということもよくありました。

こういった数々のトラブルも今となってはいい思い出?ですがとにかく大変でした。これから申告書を作成するというときは気持ちが重くなったものです。

私は独立して以降は所得税・法人税のすべての申告を電子申告でさせていただいております。ですから先ほどのような苦労が無く本当に助かっています。

電子申告の利用率に関するニュースを拝見しながらふと昔を思い出した次第です。

 

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内航船の船員が人手不足だそうです

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内航船の船員のなり手がいなくて困っているというニュースを今朝拝見いたしました。内航船とは日本国内の港のみを行き来する貨物船のことです。平均月収47万円でもなかなかなり手がないのだそうです。

船員の働き方は特殊なものがあります。長い航路を長期間かけて航行するのが効率がいいことからそれが一般的であるためニュースで紹介されていた会社では3か月働いて1か月休むという勤務形態をとっているとのことでした。そういった勤務形態や仕事のきつさなどからせっかく入社しても半年ほどでやめてしまう人がほとんどだとか。

月収47万円ですから年収に直すと約560万円です。そして航海中は食事などの生活費はほとんどかからないとのことですのでお金は貯まるそうです。しかしながらなかなかなり手がいないということでそのしわ寄せは現役の船員の方たちに来ているわけですがその方たちも60代以上の方がほとんどだそうで体力的にもとてもきついとおっしゃっていました。条件としては決して悪くないと思いますのでこのニュースをご覧になった方が続々と参入してくれたら人手不足の解消につながりますね。

このようにいま全国ではいわゆる雇用のミスマッチがいたるところで起きています。その中には今回の内航船の船員のように通常ではなかなか知り得ない業種もあり実は待遇が良いなどというものも結構あるのではないでしょうか。ですからこういった話題をもっと様々なところで取り上げてほしいものです。

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税金に関するトピックスを2つご紹介します

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今週もよろしくお願いいたします。

夏休みも終わり今日から本格的に9月がスタートします。暑かった夏も終わり過ごしやすい日も徐々にですが増えてきました。ただ、今日(9月2日)の東京地方の最高気温は33度ですので真夏並みの暑さではありますが、、、

今回は税金に関するトピックスを2つ紹介いたします。

一つ目は消費税の増税(8%→10%)と軽減税率の導入です。消費税の増税は今回で3回目です。経理の現場のみなさんもそれなりに経験をしてらっしゃったと思いますし直近の増税が5年半前ですので増税に関してはそれほどの混乱は起きないと思っております。しかしながら軽減税率は初めてのことですのでとにかく混乱するでしょうね。特に以前も申し上げましたが飲食物を扱う現場では大変なご苦労が予想されます。今朝のニュースでもある企業ではレジの導入が10月1日に間に合わないから当分の間は手書きで領収書を書くなどの対応を迫られているとありましたから混乱は既に始まっているんですね。とは言いましてももう導入の延期はないでしょうから覚悟を決めて対応をしなくてはいけませんのでご不明な点はどうか専門家の手を借りて乗り切っていただきたいと思います。

二つ目は来年度(令和2年度)の税制改正要望が先週金曜日に各省庁から出そろったというお話です。翌年の税制改正の中身を決めるのが通常年末に行われる税制改正大綱決定です。そこへ向けたいわば議論のたたき台になるのがこの時期の各省庁からの税制改正要望です。例えば国土交通省からはこちらにあるように36ページにわたる国土交通省税制改正要望事項が公開されております。各省庁からの要望は今年10月の消費税増税という大きな改正がある影響からか例年に比べると控えめなものとなっているようです。どちらかというと既存の税優遇措置を延長くださいというものが中心だそうです。既存の税金の優遇措置には租税特別措置法で定められているものが多くあります。住宅ローン控除にしろ自宅の売却益の3千万円控除にしろ実は租税特別措置法で規定されているものでしてこの法律は時限立法つまり期限付きの優遇措置なんです。ですから延長します、と法律で定めない限り期限切れで制度が廃止されてしまいます。余談ですがみなさんよくご存じの交際費の損金不算入も租税特別措置法で定められた有効期限付きの規定なんです(第61条の4)。昭和29年に創設されて以来今日まで延長に次ぐ延長が繰り返されて未だに存続しております。

今回は以上2つのトピックスをご紹介いたしました。

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憲法第84条 租税法律主義

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前々回で少しお話しました憲法第84条(租税法律主義)を今回は取り上げます。

憲法第84条「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」

税金を課税するには法律で条件を定めなさい。聞く人によっては当たり前でしょ思う方もいらっしゃることでしょうがその当たり前のことを憲法できちんと規定していることが重要なのだと思います。

もしもこの規定がなかった時のことを考えてみましょう。例えば今日から成人一人当たり月100万円の成人税を課税するなどと突然の発表があるかもしれません。税金を課税するには法律で定めなければならない、とはどこにも書いてないからです。もちろん実際にそんなことをしたら大混乱になりますのでしないでしょうが理論上は可能ですから国民からしたらいつそのようなことになるかもしれないとびくびくしながら生活しなければなりません。それはあってはならないことですのでこの憲法84条の規定は歯止めになる非常に重要な規定であるといえます。

租税法の分野で誰しもが存じ上げている金子宏先生によりますと憲法第84条租税法律主義が要請している内容は具体的に

①課税要件法定主義

②課税要件明確主義

③合法性の原則

④手続的保証原則

の4つであるとおっしゃられております(金子宏「租税法」)。課税の条件を法律で定め、その定め方は明確でなければならない。そして課税は法律に則った手続きで行われなければならないということです。②につきましては必ずしも明確でない場合があり、条文の解釈をめぐり裁判等で争われることが往々にしてあるところではありますが。

ちなみに税理士であれば金子宏先生の名は知らない人はいないというくらい非常に著名な先生です。税法の勉強をするときには必ず登場する神様みたいな方ですからみなさんもこの機会に先生の名前を覚えていただけたらなあと思います。

今週もご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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予実管理をしていますか

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予実管理とは目標値としての予算と実績値とを比較することにより目標の達成度合いを見たり両者の差異がどこから生じたかを分析することを言います。会社の状況を把握し必要な場合には軌道修正するなどのためにとても重要な作業ですがその前提として予算を組むという作業が必要であり現実にはできているケースは少ないようです。

一般に予算はまず売り上げの予測を立ててそこに経費の見積もりを当てはめて利益を予測するという段取りを踏みます。しかしながら業種によってはその売上の予測が難しいことがあります。特に売上が受注で立つような業種ではその受注予測をすることによって今後の売上を予測するのですがその受注予測がなかなか難しい場合があります。創業間もないあまり実績のない会社ではなおさらでしょう。

そのような場合には利益を先に設定し経費を見積もってから必要な売上を求めるという方法があります。利益は例えば前年比150%、のように目標値を設定します。次に経費ですが、会社に大きな変動がない限りはそれほど毎年の変動が大きくないことが一般的ですので比較的見積もりが簡単です。前年までの実績値を使うことができますからね。その実績値を見ながら費目ごとに調整をしていけばいいわけです。例えば今期は新たに一人採用するつもりだから給与が500万円増えるなとか遠隔地へ積極的に営業をしていこうとなれば旅費交通費を例えば前年比120%で見積もるとかですね。

利益と経費が見えてくれば必要な売上は自動的に算出されることになります。あとは月次の売上の推移をみながら目標の利益を確保できるかどうかを逐次検討していくことになります。

予算というとちょっと敷居が高いなと思われる方が多いかもしれませんがこのようにやれば意外と難しくないなということがお分かりいただけるのではないでしょうか。そしてそれが軌道に乗ればその会社に応じたよりよい仕組みに変えていくことができることでしょう。

 

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土地・建物の売却損の取り扱い

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今回は土地及び建物を売却した際の損失についてその取り扱いを見ていくことにします。

個人が土地及び建物を売却した際の税金の計算は分離課税と申しまして他の所得(給与所得・事業所得など)と通算せずに単独で行います。分離課税というのは儲けが出た時だけではなく損失を被った場合にもその損失は他の所得と通算しないということです。損失つまり赤字の場合は通算というより相殺しないという表現の方がわかりやすいかもしれません。他の所得の黒字と土地建物の譲渡損失は相殺しないということです。

一方、法人ですと他の所得と通算され法人税の計算を行います。そもそも法人の場合は通算という概念自体がないんですね。ですから会社の本業での黒字と土地建物を譲渡した時の赤字は当然のごとく通算されたうえで法人税が計算されます。

両者を比較しますと明らかに個人での取り扱いの方が不利です。赤字が出ても切り捨てられて終わりだからですね。このことから不動産の名義を個人と法人のどちらにするのかという議論の時の判断材料の一つになることが多いです。

なお、この規定の成立の経緯により規定の合憲性について争われた裁判があります。ここでは詳細については触れませんが例えば最高裁平成23年9月22日第一小法廷判決があります。施行日が平成16年4月1日であるにもかかわらず平成16年1月1日以降の譲渡について適用するといういわゆる遡及適用について憲法84条(租税法律主義)に違反していないかを争った事案です。ちなみに結論は憲法違反ではなかった、でした。

税金に与えるインパクトが非常に大きな規定ですのでもしご存知なかった方はこれを機会に是非覚えておいてください。

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