緊急事態宣言が発令されました

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

緊急事態宣言が昨日出され本日より発効しました。
対象期間中、当ブログは毎日更新できないことがあることを予めご了承ください。

既存の経済対策は雇用助成金等の取り扱いを除き事業者に対するものは貸し付けが中心であり給付はほとんどありません。

昨日発表された新たな対策としては中小企業、個人事業主向けに持続化給付金という現金給付がトピックとしてあげられます。

融資では当然ですが返済しなければなりません。しかしながら給付であれば返済が不要ですのでそのインパクトは絶大なものがあります。

まだ要件等は明らかではありませんが幅広く支援を受けられる制度であることを願います。

なお、法人税の措置ではリモートワークの導入による投資について投資額に応じて税金を減免するというものが検討されているようです。今後の議論の行方を注目したいところです。

東京都文京区の税理士です

即時償却できるものとは

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高額な資産は購入時に全額を経費として計上することができず会計上のルールである減価償却という方法に則って耐用年数に応じた期間に渡り按分して経費計上していく。

これは以前からお話をしていることです。では高額とはいくら以上のことを言うのか。

①少額の減価償却資産
取得価額(≒購入金額)が10万円未満のもの

②少額減価償却資産
青色申告法人である中小企業者等(資本金1億円以下などの要件あり)、青色申告の個人事業主については取得価額が30万円未満のもの

①についてはすべての法人、個人事業主に認められている制度です。少額不追及の考え方から取得価額が10万円未満のものについては購入した年度において全額を経費計上することができます。このその年度において全額経費計上できることを即時償却と言います。

②については青色申告の特典と言っていいものでして、法人については中小企業に適用が限られますが、即時償却できるものの範囲が広げられています。

なお、金額の判定をするときに税込の金額を用いるか税抜の金額を用いるかはその法人、個人事業主が税込経理を採用しているか税抜経理を採用しているかにより異なります。税込経理を採用しているときは税込金額、税抜の時は税抜金額です。

例えば本体価格298,000円のものを購入した時は両者で会計処理が異なりますので注意が必要です。

①税込経理 298,000×1.1 = 327,800≧300,000
・・・少額減価償却資産とならず即時償却不可
②税抜経理 298,000<300,000
・・・少額減価償却資産となり即時償却可

②については注意点がもう一つありまして、年間の取得価額の合計が300万円までです。例えば25万円のパソコンであれば12台まで即時償却できますが13台目以降は即時償却不可です。

ちなみにこの規定は租税特別措置法いわゆる時限立法ですが年末に公表された税制改正大綱の中でその延長が予定されています。

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わいろは経費?

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現職の国会議員が収賄容疑で逮捕された、そんなニュースが話題になっております。

もしも収賄罪が確定した場合に支払者側において経費計上していたらその経費性は認められるかというお話です。

答えは簡単、認められません。

所得税法45条2項および法人税法55条5項においてそれぞれ経費計上できない旨の規定がされております。

一方受け取った側は不正行為による収入であっても所得があったとして申告をしなければなりませんから、いわば二重に課税がされることになります。

二重に課税されるというのは支払者側で経費にならず、受取者側で所得になるという意味です。

ちなみにこのようなものは他にもありますが代表例としては法人の役員に対する賞与です。

役員賞与は一定の場合を除き損金(法人税で言うところの経費です)に算入されません。

支払者側で経費にならず、一方で受領した役員は所得として申告をしなければなりませんので二重に課税がされている状態と言えます。

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法人税の調査状況が公表されました

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先日国税庁から平成30年度の法人税等の調査状況(専門用語では調査事績と言うそうです)の概要が公表されました。

それによりますと

①調査件数は前年とほぼ変わらず約10万件!!

②そのうち非違があった件数約7万件
非違とは調査により当初申告と異なる計算結果となったということです

③申告漏れの所得金額約1兆4千億円!!!

④調査により追徴された税額約2千億円!!!!

⑤調査一件当たりの追徴税額約200万円

こうやって総件数、総額でみるととてつもない数字であることがわかります。年間10万件も調査を行っているというのは驚くべき数字ですね。

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NFLは第10週が終わりました。唯一の全勝チームである49ersがついに敗れ全勝チームがなくなりました。その49ersは同地区ライバルの強豪であるシアトル・シーホークスに敗れたわけですがその試合が壮絶でした。試合終了6秒前!に49ersがフィールドゴールで同点に追いつきオーバータイムにもつれ込みました。そしてオーバータイム前半残り4秒で今度はシーホークスがフィールドゴールを決め試合終了です。その時ホームチームである49ersのファンが静まり返ったのは言うまでもありません、、、
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自社で接待した場合の会計処理

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飲食店を営んでいる方がご自分のお店を使って接待をするということはよくある話です。その飲食店を運営主体が法人である場合には税務上の論点がありますので今回はそうした場合の会計処理について見ていくことにします。

租税特別措置法においては法人税の計算上一定の交際費について損金に算入しないという規定が設けられております(同法61条の4)。一方で自社で接待した場合の会計処理は何もしないというケースも多いと思われます。なぜか。支払者と受け取り者が同一だから処理した場合としない場合で損益は同じだからです。なお、強いて取引を簿記上の仕訳で表現すれば

(借方)現預金 ***  (貸方)売上  ***
(借方)交際費 ***  (貸方)現預金 ***

となるでしょうか。

このように売上と交際費が同額で相殺されますので処理した場合としない場合で損益が同じであることがわかります。

しかしながらこの処理は2つの問題点があります。

①処理した場合としない場合で交際費の合計額が異なる

②処理した場合交際費の金額が売り上げベースになる

この2つの問題点を解決するにはどうすればよいのでしょうか。

  1. 期末まではとりあえずこの処理でいきます。
  2. そして期末に年間の原価率を算定し(仮に25%とします)その後に売上と交際費の相殺を行います。
  3. 仕入が過剰計上(売上がない仕入が計上されている)ですので売上×25%の金額を
    (借方)交際費 *** (貸方)他勘定振替高 ***
    として交際費に振り替えます

3.の処理はなじみがない方もいらっしゃるかもしれませんが仕入から売上に対応していない部分を抜いて他の科目(今回のケースでは交際費)に振り替えることにより決算書上の売上と仕入がきちんと対応するよう表示するということをしています。

なお、交際費がこの結果原価ベースの金額に直りましたがこれは認められるのでしょうか。

これは認められます。交際費とは接待等のために支出をしたものを言いますが今回のケースでは支出をしたのは原価部分ですから理にかなっているんですね。

ということで自社で接待した場合の会計処理は意外に奥が深いのでご注意ください。

 

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
丸ノ内線新大塚駅の近くにとてもおいしいケーキを置くお店があるのですが見た目でとても損をしています。でもとても腕利きのパティシエの方がいらっしゃいますので是非探してみてください。駅近くのエイブルの壁に看板がありますのでそれを目印に。
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日産が1億5千万円の申告漏れ

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日産自動車が国税局から過去の3年間に1億5千万円の申告漏れを指摘されていることがわかりました。

大学への寄付が元会長のカルロス・ゴーン氏による個人的支出と認定され経費計上を否認されたこと、ゴーン氏の姉へのコンサルタント料が実態がないものとしてやはり経費計上を否認されたことなどの理由によるものだそうです。

特別背任を巡る裁判は継続中ですが税務の場ではゴーン氏による私的流用が認定されたことになります。

報道などからするとこれだけの世界的な企業であっても一人に権力を集中させることにより統治が機能しなかったという実態があり、とても恐ろしいことですね。

~今日のひとこと~

NFLは第8週が終わりました。レギュラーシーズンは16戦ですので多くのチームは折り返し地点に立つことになります(32チーム中18チームが8戦終了、14チームがバイウィークにより7戦終了です)。全勝は相変わらずニューイングランド・ペイトリオッツとサンフランシスコ・49ersの2チームです。前評判がそれほどでもなかった49ersの全勝がどこまで続くか本当に目が離せません。

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支出の妥当性

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今週もよろしくお願いいたします。

個人的な支出だとして会社の経費算入を否認された、そんなニュースが最近世間を賑わせました。ここで改めて経費として認められる支出とはいったい何なのかを考えてみます。

事業に必要なものとして合理的な説明が第三者にできるか、これが経費性が認められるかどうかではないかと私は考えています。事業に必要なものというのは売上に貢献するものであったり事業継続のためやむを得ない支出であったりですね。これを最終的には税務調査の際に当局に説明できるかどうかというところなのでしょうが、まずは日ごろからお付き合いをされている税理士がいらっしゃるのであれば支出の妥当性について質問をしてみる、グレーなものについてはその税理士に説明をしてみて説得ができるかどうか、これだけでもいざ調査において経費算入が否認される危険性は格段に下がるはずです。

ですから交際費は売上の何パーセントくらいまでは認められる、とか輸入車はダメだけど国産車はいいみたい、といった都市伝説級の話は信用せずにそのポイントだけ抑えていただければいいのかなとおもいます。

恐らく経費にできるかどうかを一番よくわかってらっしゃる方は納税者ご本人だと思います。例えば税理士に資料を提出する時にレシートの束をそのまま渡す方もよく見掛けられますがたくさんの束の中に家族で休日に行った焼き肉店の領収書なんかを紛れ込ます、などということがあったりします。それを受けた税理士の側としてもその妥当性を納税者の方に問えばいいのですがそのまま何も問題にせずに経費として処理するというケースも散見されます。

納税者からしたらラッキー、くらいに思うのでしょうがこれはもはや税理士の仕事ではありませんね、ただの記帳屋です。税理士の使命である「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」(税理士法第1条)を自ら放棄していると言えましょう。

今回のニュースで税理士の責任が強く問われるのは無申告であったことではなく個人的支出の経費性を否認されたことです。前者は税理士ではどうしようもできませんが(もちろん無申告を回避する最大限の努力はすべきですが)後者は税理士が最後の砦となれたはずです。これは経費として認められませんと言うべきでした。このニュースを聞いて当事者はどう感じているのでしょうか。

~今日のひとこと~

ニトリさんがやってくれました。「重い毛布」です。「軽い」ではありません飛ぶように売れているのだとか。やはりそうでしたか、、、

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法人税に関する資料が発表されました

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今週もよろしくお願いいたします。

先ごろ国税庁から平成30事務年度における法人税等の申告状況に関する資料が発表されました。ちなみに平成30事務年度とは平成30年7月1日~令和元年6月30日の期間を言います。

それによりますと法人税の

  1. 申告件数は292万9千件(対前年比+1.2%)
  2. 申告所得金額の総額は73兆3,865億円(前年比+3.7%)
  3. 申告法人税の総額は12兆7,922億円
  4. 黒字申告割合は34.7%(前年比+0.5ポイント)

また、法人数は313万社で前年比0.8%の増加となりました。

法人税のまとめですからつまり会社の状況を表しているわけです。そうしますと日本全体で見ると会社の所得(儲けですね)が増加しており経済は堅調だと言えるのでしょうか。

ここで申告所得というのは通常はほぼ利益に等しいと考えられますがしかしながら法人税には過去の赤字を当期の黒字と相殺できるという制度を採用しているため(一定の場合に限ります)かならずしも両者は等しいといえない場合があります。例えば過去の赤字が100万円あり、当期の黒字が100万円、そして両者が相殺できる場合には申告所得は0です。ですからこの統計より日本全体の会社の儲けが前年より増えたかというと単純にそうとは言えないということですね。

それでも当期が黒字だから過去の赤字と相殺できたとも言えますのでいずれにしても状況的には堅調だったと結論付けてよいのではないでしょうか。

某企業グループが税制上の仕組みを巧みについて巨額の利益を出しながら法人税の納税がなかったという事例もあるようですが、、、

~今日のひとこと~

ラグビー日本代表のみなさん、お疲れ様でした。予選リーグをまさか4戦全勝で通過するなどとは思いもよりませんでした(失礼しました!)。本当に歴史に名を刻む戦いだったと思います。平尾さんも喜んでくれているのではないでしょうか。

この素晴らしい戦いを今回限りではなく是非次につなげてほしいと思います。

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社長借入金をなくしましょう

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以前お話したことがあります社長借入金について今回は見ていくことにします。

社長借入金とは何らかの理由により会社が社長からお金を借りている状態の時のその借入金のことを言います。まあ理由というのはほとんどの場合は会社の資金繰りの都合ということなのですがたまにあるのが(よくある?)社長もなんだかよくわからない理由によるものです。社長がわからないってそんなことあり得るのと思われるかもしれませんが実際にはあります。

同業者としては誠に残念なのですが会計事務所の方で勘定合わせのために社長借入金を使用するということが行われています。これはそもそも現金管理を徹底していないために起きる現象です。例えば社長から領収書の束50万円分を預かって現金支払いとして処理したとします。ところが会社の現金勘定には20万円しかないとすると現金がマイナス30万円になりますね。現金がマイナスということはあり得ませんのでどうするかと言いますと会社が社長から30万円お金を借りたことにすれば現金がちょうど0になります。このような処理自体は直ちに間違っているとは言えません。確かに会社の経費を一時的に社長が立て替えていてそれはすなわち会社が社長からお金を借りているのみ違いありませんのでおかしな処理ではありません。しかしながらそれはいずれ精算しなければならないはずです。先ほどの例ですと会社が社長に50万円を返金するという処理をですね。

これをその都度すればいいのですが、それを長年放っておくといつの間にか社長借入が何百万円になったりします。そうなるとそれを精算するのは会社にとっても大きな負担です。結局処理できなくてそのままになっているなどということがよく見られるのです。

そしてこの社長借入金が残っていることで相続税の負担が増えてしまう恐れがあることは以前申し上げましたところです。この処理不可能となってしまった社長借入金を無くす方法には債務免除があります。社長に借金を棒引きしてもらうのです。そうすると確かに借金は無くなりますが今度はその債務免除益に対して法人について法人税が課税されてしまいます。このような長年積み重なってきた社長借入金を処理できないような会社は赤字が継続的に生じている可能性が大きいです。にもかかわらずその債務免除益が対して課税されてしまうとその税負担を背負いきれないはずです。

この一つの解決策としては個人成りがあります。ん、個人成り?、、、法人成りの逆パターンですね。法人を清算して個人事業に戻すということです。この方法によると先ほどの債務免除益と遠い過去の赤字を相殺でき法人税の課税を合法的に免れることができる可能性があります。

この方法は欠損金(赤字のことです)の繰越控除が使えない時の最終手段です。現在欠損金は10年間その年の黒字と相殺できます。逆に言いますと10年を過ぎると相殺する機会を失ってしまうんですね。ところが会社を清算し消滅させるときに限ってその期限切れの欠損金と最後の年の黒字を相殺することができるのです。このことにより債務免除益の課税を免れるという理屈ですね。

このように最後の手段がないことは無いですがやはり社長借入金はできるだけその都度解消し後に残さないようにすることが肝要です。

~今日のひとこと~

昨夜うれしいニュースが飛び込んできました。吉野彰さんのノーベル化学賞受賞です。本当に素晴らしいですね。

なお、下世話な話で恐縮ですがノーベル賞の賞金は非課税です(所得税法9条1項十三号ホ)。

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東京都文京区の税理士です

 

 

伝家の宝刀 ~法人税法132条~

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法人税法132条の適用に関する注目すべき判断が6月末の東京地裁で示されました。この法人税法132条はいわゆる伝家の宝刀と言われる同族会社の行為計算の否認規定です。同族会社を用いた取引は他人会社を通じた取引に比して一般的に恣意的になりやすいです。それが租税を回避するために用いられることもありがちでその租税回避行為があった事実が認定された場合、その行為が最初からなかったものとして法人税の計算を行う、そういったオールマイティな規定です。ですからその適用には慎重な判断が求められます。

同条の規定の適用の代表例が日本IBM訴訟です。訴訟の対象となったものはグループ会社間で株の売買を行い赤字を計上し連結納税制度において他の事業利益と相殺をしたという取引でした。訴訟は最高裁まで持ち込まれ最終的に日本IBM側の勝訴が確定しましたがその訴訟の中で東京高裁が「グループ企業間取引は独立企業間取引と異なり税負担の軽減が図られた場合にはそれは経済的合理性を欠くというべきだ」という注目すべき判断が示されました。

この判断は国税側にとってその後の税務行政の運用上有利となるものでした。グループ間取引を利用した租税回避行為について一定の抑止力を与えるものだったからです。

ところが今回の訴訟の中で示された判断は132条の適用を限定的にし納税者有利ともいえるものでした。具体的には「グループ企業間のみでなしえる取引でも直ちに税負担の公平が害されることはなく、法人税の負担が減少する場合にのみ132条は適用される」としたのです。これは逆読みをすると他に合理的な理由がある場合には同条は適用されない、と解釈可能ですのでそういった意味で日本IBM訴訟の中で示された判断よりも納税者有利と言えます。

ある方が仰っていました。租税回避も立派に経済合理性がある、だから企業の取引に経済合理性がないものはないと。それは極論だと思いますが、企業の自由な取引の保証と法律の運用上の縛り付けこの二つの間をうまくバランスを取っていかなければならないのでしょうね。

~今日のひとこと~

NFLは第4週の試合結果が出揃いました。前週までの全勝チームが軒並み負けたため未だ全勝チームは3チーム(サンフランシスコ49ersはバイウィークのため3戦全勝です)となりました。この中で注目はやはりカンザスシティチーフスです。前評判通りの強さでスーパーボウル優勝候補筆頭です。QBマホームズの活躍から目が離せませんね。

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