まずは予算を作ってみませんか

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

事業を営んでいる以上資金繰りは常に頭を悩ますところだと思います。儲かって儲かって仕方ない、だから資金繰りなど気にすることなく本業に集中できるなんて方は果たしてどのくらいいらっしゃるのでしょうか、、、

特に借り入れがある場合は否応なしに毎月の返済期日が訪れますので前日までに必要残高を入れておく必要があり、その日が近づくと不安で仕方がないという方も多いのではないでしょうか。

キャッシュフローの考え方にしても借り入れがある場合とない場合とでは見方が違ってきます。

借り入れがない場合には会計つまり発生主義とのずれはありますが結果的には期首からの累積の黒字がイコール期首からの現預金の増加となります。

一方借り入れがある場合には累積の黒字から期首からの返済額合計額を引いた残りが現預金の増加額です。

ですから月次の試算表をご覧になる際にはそのあたりに注意しながら見ていく必要があります。

と、ここまでは過去の実績を振り返るというお話です。しかしながら過去はもう取り戻すことはできませんので経営的には現在から未来へ向かってどうなるかを予測し、予算繰りをするということの方が重要です。それによって経営資源をどこに投下するかという意思決定を行うことになるからですね。

以前もお話したことがありますが予算作成は損益計算書で言うところの下から行うのが適切です。

例えば毎月の借入金返済額が10万円だとすると最低限必要な月次利益は10万円です。経費は直近の1年間とほぼ変わらないと仮定し月当たりの平均値が50万円とすると、必要な売上は60万円とはじき出せます。

予算作成ですべきことはこれだけです。何も難しいことはありませんね。でもこれをするとしないとでは大きな差が生じます。確保すべき売上が60万円と具体的に算出できたのなら、じゃあ1日でどのくらい必要か、時間当たり、一人当たり、商品一個当たりなどなど、目標を明確に設定することができます。何となくではなくて理屈でできるようになるんですね。

みなさんもとりあえずざっくりでも結構ですから是非実践してみてください。

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NFLは第12週が終わりました。今シーズンのNFCの大一番の一つである49ers対パッカーズの一戦は意外にもホームチームである49ersの大勝で終わりました。これで49ersはスーパーボウル出場チームの大本命に躍り出たといえるでしょう。
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減価償却とキャッシュフローのお話

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今回は減価償却とキャッシュフローの関係について見ていくことにします。減価償却とは高額な資産の取得価格を費用化する手段で、具体的には法定の耐用年数に応じた年数で按分して各年度に費用按分していくことでした。一方キャッシュフローとはその名の通り現預金の流れです。今手元に100万円があったとしてその源泉または形成過程を過去から見ていくことによりその会社の財務内容を見ていこうとするものです。平たく言ってしまうと「利益は出ているのに何でこんなにお金がないの?」を理論的に分析しようということですね。

1,100万円の木造アパートを11年ローンを組んで建築し、店子に貸して不動産所得を得ようと考えます。木造アパートの耐用年数は22年ですから1年あたりの減価償却費は

1,100 / 22 = 50万円 (定額法による)

です。一方ローンの返済額は1年あたり

1,100 / 11 = 100万円

です。仮に年間の家賃収入が100万円とします。そうしますと毎年の不動産所得は

100 - 50 = 50万円

ですが現金収支はローン完済の11年目まではトントンです。他に収入がない場合お金がないのに税金だけ取られるということに理論上はなりますね。

このことから借り入れをして設備投資を行う場合、なるべくなら返済期間は法定耐用年数以上にしないと完済までの資金繰りが非常に苦しくなることがわかります。

 

~今日のひとこと~

郵便料金が10月1日より一部改定(値上げ)されています。特にレターパックプラスとレターパックライトは10円値上げされていますがぼうっとしていると旧料金のものをそのままポストに入れかねませんのでご注意を。

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キャッシュレス決済と資金繰り

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消費税増税に伴いその副作用としての景気冷え込みへの対策としてポイント還元を制度として設けました。その概要はキャッシュレス決済による場合支払額の何%かをポイントとして還元するというものです。そしてこれを機に一気にキャッシュレス化が進むのではないかという見方もあるようです。

お店側としてはキャッシュレス決済をしたいというお客さんの取りこぼしが無いようにというのが動機づけとしては一番のようでして、あとは小銭を用意する手間が省ける等のメリットもありそうした理由により導入をされる方も多いとか。

しかしながらこのキャッシュレス決済にはデメリットがあるのも確かです。まず多くの方が挙げられているのが手数料の高さです。手数料とは売上が入金されるときに差し引かれる決済手数料のことですね。各社様々ですがほぼ3%台のようです。つまり入金額が10万円の場合はそこから3,000円が差し引かれるわけですね。これは小規模店舗にとっては大きな負担になる場合があります。

あともう一つ。実はこちらの方がダメージが大きいのですが支払いサイトの長期化です。支払いサイトとは売上から入金までの期間を言い、現金商売であれば0日です。会社によっては末日締めの翌月末払いなどというところもあるようです。そうすると極端な例では9月1日の売上が10月末に入ってくることになります。今までと比較すると2か月近く入金が遅くなるんですね。そのサイクルが軌道に乗れば大丈夫なのですがそれまでは運転資金が非常に苦しくなります。

この点はあまり言われていませんので後からわかることなのですが本当に大変です。ですので導入される際はその後の資金繰りに道筋をつけてからにした方がよいでしょう。

~今日のひとこと~

日本代表対アイルランド代表戦。素晴らしい試合を見せてもらいました。本当にありがとうございました。そして最も崇高なシーンは試合後にありました。アイルランド代表が花道をつくり日本代表を出迎え勝利を称えた、その場面です。ラグビーに根付く精神に感動しました。

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消費税増税と資金繰りの関係

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消費税増税が思わぬ資金繰りの悪化を引き起こす可能性があります。それは消費税の予定納税制度と深くかかわっています。

消費税には予定納税制度というものがあります。これは前年度に一定額以上の納めるべき消費税額が生じた事業者については年1回、3回、11回の消費税の前納を義務付けているものです。1回あたりの納める金額は前年度の消費税のそれぞれ 1/2、1/4、1/12です。決算時に一時に1年分の消費税を納めなさい、とすると仮に預かった消費税を運転資金に使ってしまった場合に大きな資金の負担となり消費税の徴収率が下がることにもつながりますのでそれを防ぐために設けられた制度です。

売上規模が毎年ほぼ一定の場合には決算の時に納める消費税は予定納税の金額とそれほど変わることはありません。前年の状況とあまり変わらなければ前年の消費税額とそれほど変わらないからです。

ところが消費税が増税された場合には状況は異なります。3月決算法人を例にとって見ていくことにします。4~9月の売上・経費は税率8%で計算されますが10~3月は基本的に10%で計算されます。ということは下半期6ヶ月は上半期の25%増しで消費税の納付税額が計算されることになります。一方で前納する消費税は前年の8%の状態で計算されたものですからそこで前納不足の状態が生じます。ですから今年も前年と同じくらいの消費税を納めるのだろうと決算の際に見積もっていると見積もりよりも25%増しの消費税を納めることになってしまい資金繰りに窮してしまう可能性があります。

これを解決する方法は以前こちらでお話した試算表の仮受消費税と仮払消費税を見ながら納付すべき消費税に備えるという方法です。そうするとこのような事態を回避することができますのでご参考になさってください。

この問題はどの事業者にも起こり得ますのでご注意を。

~今日のひとこと~

海上交通は右側通行が原則です。空の上もそうらしいですね。

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額面と手取り

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額面と手取りのお話です。売上は消費税込み(額面)の金額が入金されます。しかしながら課税事業者であれば本体価格が手取りで消費税は預り金ですからプールをしておかなければなりません。もしも資金繰りに回してしまうと大変です。後で預かった消費税を納めなければいけませんからその時に資金繰りがつかなくなる可能性があるからです。では預かった消費税の全額をプールしておかなくてはいけないかというとそうではありません。以前にもお話した消費税の仕組みによると預かった消費税から預けた消費税を差し引いた金額を後から納めることになりますのでその差し引いた金額をプールしておけばよいことになります。ところがその差し引いた金額がいくらになるのかというのがなかなか算出が難しいところです。預かった消費税はわかりますが預けた消費税がいくらなのかというのがよくわからないところではないでしょうか。でも大丈夫です。月ごとの試算表をご覧いただくとその答えがあります。ただし税抜経理を採用している会社に限られますが。

仮受消費税-仮払消費税

これが答えです。仮受消費税は貸借対照表の流動負債に、仮払消費税は流動資産にあります。そこの数字をご覧いただくとその差引いた金額がその試算表作成時点での納めなければならない消費税とほぼ一致します(ただし簡易課税適用の場合はそうとは言い切れません)。ですからその金額をどこかにプールしておけばいざ消費税を納税する時も慌てることは無いということになりますね。

税込経理を採用しているところではそれができません。ではどうすればよいかというと顧問の税理士がいらっしゃる方はその先生にお任せいただくとしてそうではない方はご自身で消費税を試算していただく必要があります。専門知識がないとなかなか難しいところなのですがおおまかな金額は計算できると思います。

試算表の経費項目をご覧いただき、給与・賞与・慶弔費・会費・税金・社宅家賃以外の経費の金額を集計してください。その集計した金額に8/108(10月からは10/100です)を乗じると仮払消費税つまり預けた消費税が計算できます。預かった消費税はわかると思いますので差し引きの金額も計算できますね。

ただしこれはざっくりとした方法でして資産を購入した場合等には個別の事情を考慮する必要が出てきますのでご了承ください。

消費税のように後から納付する税金はプールしておかないと大変なことになりかねませんのでどうかご注意ください。

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予実管理をしていますか

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予実管理とは目標値としての予算と実績値とを比較することにより目標の達成度合いを見たり両者の差異がどこから生じたかを分析することを言います。会社の状況を把握し必要な場合には軌道修正するなどのためにとても重要な作業ですがその前提として予算を組むという作業が必要であり現実にはできているケースは少ないようです。

一般に予算はまず売り上げの予測を立ててそこに経費の見積もりを当てはめて利益を予測するという段取りを踏みます。しかしながら業種によってはその売上の予測が難しいことがあります。特に売上が受注で立つような業種ではその受注予測をすることによって今後の売上を予測するのですがその受注予測がなかなか難しい場合があります。創業間もないあまり実績のない会社ではなおさらでしょう。

そのような場合には利益を先に設定し経費を見積もってから必要な売上を求めるという方法があります。利益は例えば前年比150%、のように目標値を設定します。次に経費ですが、会社に大きな変動がない限りはそれほど毎年の変動が大きくないことが一般的ですので比較的見積もりが簡単です。前年までの実績値を使うことができますからね。その実績値を見ながら費目ごとに調整をしていけばいいわけです。例えば今期は新たに一人採用するつもりだから給与が500万円増えるなとか遠隔地へ積極的に営業をしていこうとなれば旅費交通費を例えば前年比120%で見積もるとかですね。

利益と経費が見えてくれば必要な売上は自動的に算出されることになります。あとは月次の売上の推移をみながら目標の利益を確保できるかどうかを逐次検討していくことになります。

予算というとちょっと敷居が高いなと思われる方が多いかもしれませんがこのようにやれば意外と難しくないなということがお分かりいただけるのではないでしょうか。そしてそれが軌道に乗ればその会社に応じたよりよい仕組みに変えていくことができることでしょう。

 

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利益とお金の関係

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利益がこれだけ出ていてもお金はそれほど残らない。なぜでしょうか。それは利益は発生主義で計算されるので実際のお金の流れを反映していないからです。

ズレの原因はいくつかあります。代表的な例を挙げて見ていきましょう。

①掛売上

掛売上とは掛で売り上げを計上することです。掛とは現金決済は後でいいですよということです。例えば6月末締めの売上代金を7月に請求書を顧客に請求し入金は7月末にという取引はよくありますが6月分の売上は6月に計上し、入金は翌月である7月ですのでまさに掛で売り上げていることになります。6月に初めて売り上げがたった場合には7月初めはその売上に見合う現金が手元にないことになります。

②掛仕入

売上とは全く逆のことが起きます。仕入という費用が先に計上されそれに見合う現金がまだ手元にある状態です。

③借入・返済

ある投資をするために借入を例えば300万円起こし、毎月5万円ずつ返済をしたとします。その投資が全額経費計上された場合にはその投資をした期にのみ300万円の経費が計上され、資金の増減は当期中に返済した借入金の分だけ純減することになりますので当期中に限っては経費に見合う現金(から返済金を差し引いた分)がまだ手元に残っていることになります。そして翌期以降は経費は計上されませんので会計上の利益から返済金を差し引いた分の現金が手元にあることになります。

④減価償却

③の借入金と関係が深いのが減価償却です。減価償却とは高額な資産を購入した場合の購入費用を法定の年数で各年に一定額を経費配分していくことを言います。ここで面白いのが法定の年数と借入金の返済期間が同じときです。法定の年数(耐用年数と言います)が22年の建物を22年ローンで購入した場合、利益とお金の流れが一致します。経費は22年間毎年定額計上され、借入金も22年間毎年定額返済され両者の額は一致するからですね。このような場合は決算書がとても見やすくなります。

毎月の試算表をご覧になる時に①~④を加味すると現金のおおまかな流れがわかるようになりますので一度お試しください。

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個人事業はこれで資金繰りが苦しくなります

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法人と違って個人事業主のみが意識しなければならないものがあります。それは源泉徴収です。法人が他者からいただく売上について基本的に所得税が天引きされることはありません。しかしながら個人事業の場合には売上から所得税が天引きされる場合があります。それを意識しないと資金繰りに影響が出てきてしまう、そういうお話です。

所得税法第204条に対象となる職種が限定列挙されていて、それにあてはまる売上については支払者側で所得税を天引きする義務があります。これを怠った場合には支払者側に源泉徴収義務違反による一定のペナルティが科せられてしまいます。

では天引きされる所得税は果たしてどのくらいか。基本的には支払額の10%です(現時点ではこれに復興所得税の0.21%が加算されます)。該当の職種の方はこの10%が天引きされるということを是非頭に入れておいてください。そうしないと月々の資金繰りがおかしなことになりますから。特に予算を組むときには注意が必要となります。

ちなみにこの天引きされた所得税は天引きされたままなのかというとそうではありません。翌年の確定申告時に支払う所得税の前払いとしての性質を有しております。ですから確定申告時に清算されるのです。具体的にはこうです。1年間の天引きされた所得税が100万円、確定申告時に納めるべき所得税が60万円だとすると40万円が前払いし過ぎだったということで申告することにより税務署から還付されます。ですから税務署からの還付金って何か得した気分になりますが実はそうではありません。このようにご自身が払ったものが戻ってきただけですからね。

法人化することにより所得税の天引きから解放されますので毎月の資金繰りがそれだけ楽になります。そういった視点で法人化を検討するのも職種によってはあるんですね。

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資金が寝るとは?

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今回は資金が寝る、についてのお話です。

ん、資金(お金)が寝る?、、、どういうことでしょうか。経営者の方と日ごろ資金繰りのお話をさせていただく中でよくこのお金が寝ないために気を付けていると伺うことがあります。お金が寝るというのはお金が換金困難な資産に化けてしまっている状態を言います。資金が塩漬けになるとも言います。なぜ資金が寝ることは悪いことなんでしょうか。

会計の世界では換金性の高いものがいわゆるお金(キャッシュ)に当てはまるとされています。現金・預金がその代表例ですね。お金はその使い道が自由でかつ決済手段となりますので様々な経営判断を実行するには欠かせないものとなりますし、多ければ多いほど選択肢の幅は広がります。ですからなるべく多く手元に持っておきたいところなんですね。

例えば1千万円の車を購入する場合、会社に資金の余裕がある時は現金で一括購入することもあります。現金で購入すれば金利の負担がありませんのでローンで購入した場合に比べて支払額が少なく済む結果となります。では余裕がある時は一括購入が絶対に良いかというと必ずしもそうではないということなんですね。

車の購入後に何か投資をしたい案件があったとしてそれには多額の資金が必要となったとします。その時に先の1千万円があれば迅速に投資を実行できたのにそれが不足したため機会を逃してしまったとしたら会社にとっては非常に残念なことです。いわゆる機会損失というものですね。

ですから会社にたとえ余裕資金があったとしても資産はローンで購入するという考え方は十分にあり得ます。金利の分をケチったがため大きなチャンスを逃してしまうリスクがあるからです。時には金利をチャンスを得るためのコストだという考え方も必要となるということですね。

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納特の時期ですね

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納特、と聞いてピンときた方は同業者、会計事務所経験者、会社の経理の方、そんなところでしょうか。納期限の特例を省略して納特(のうとく)、と我々の業界では称しております。

何の納期限の特例か。源泉所得税です。源泉所得税でも毎月のお給料または士業へ支払手数料・顧問料から天引きする所得税に限られますが、そういったものは原則的な納付期限は毎月1か月分をまとめて翌月10日までとなっているところ、半年分をまとめて納めてもらってもいいですよというのがこの特例です。1~6月分を7月10日まで、7~12月分を翌年1月20日に納めるようなサイクルになっています。

ということで今年の上半期の分が7月10日に迫っておりまして会計事務所でもお客様へ税額をお知らせするという事務作業がこの時期立て込んでいるというわけです。

この特例の適用要件は給与の支給者が常時10人未満の事業者(法人・個人事業者という意味です)に限られます。小規模な事業者の納税事務の負担の軽減という趣旨でこの制度が設けられました。

しかしながら社長以下従業員が高給取りの場合は天引きすべき所得税の額も大きくなります。それが半年分をまとめて納めるということですから金額的に相当大きくなる場合があるんですね。200万円、300万円などというケースも決して珍しくはありません。

源泉所得税というのは会社が役社員から天引きし、つまり預かったものをそのまま支払うだけですので決して会社が負担しているものではありません。しかしながら支払うときには少なからず痛税感を持つのも事実です。本来でしたら預かったものをそのまま例えば金庫などへ保管しておけばいいのですがそれが知らず知らずと運転資金にまわっている可能性があります。そうするとあたかも会社が負担しているべく感覚に陥ってしまいます。それを防ぐにはやはり金庫に保管しておく、別口座で管理しておくなどの方法を普段からとっておくことが重要となりますね。

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