「平成31年」でもOKです

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

先日新元号が発表されまもなく新時代「令和」がやってまいります。そこで改元にちなんだお話を。

①手形に記載された年月日が平成31年5月でも金融機関では取り扱います。

②住宅ローン控除の控除申告書で過去に発行されたものについては記載された年分が平成であっても受け付けます。

手形は数か月先の受け取り・支払いを約束して振り出されるものです。例えば先月3月に5月に支払うことを約束して手形を振り出す、ということはごく当たり前に行われたはずです。その際記入する年月日の年に元号を記載する場合、新元号はその時点では発表されておりませんでしたので5月以降の振り出しでも平成と書かざるを得ませんでした。ということでやむを得ない事情ですので金融機関では当然にこのようなケースでも取り扱ってくれるとのことです。それに限らず改元後に未だ平成が記載された手形を振り出しても当分の間取り扱ってくれるそうなのでご安心ください。騙される方は多分いらっしゃらないと思いますが、改元によって手形が使えなくなるのでうちで額面の半額で引き取りますよ何て詐欺がないとも限りませんのでくれぐれもご注意を。以上が①です。

住宅ローン控除を受けてらっしゃる方はご存知だと思いますが、確定申告・年末調整の際に控除の適用を受けるために「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」を提出されるかと思います(税務署から9枚つづりで9年分送られてくるアレですね)。この書類は現時点では平成年号記載のものしか存在しませんが、たとえそうであっても改元後も受理されるとのことです。

改元にあたって様々なトラブルが予想されます。みなさんくれぐれもご注意を。

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事業承継が進まないのはなぜでしょう

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

戦後の高度経済期から日本の中小企業を引っ張ってこられた経営者の方々が一般企業で言うところの定年を迎える時期にあたり今後のご自身の事業の行く末を悩まれていらっしゃる方がとても多いです。事業を誰かに引き継いでもらうかもう商売は一代限りにするのか。。。

昨年から事業承継税制が大きく変わりました。10年間限定ですが、会社を継いでもらう際に発生するであろう相続税・贈与税の負担を大幅に減らし、事業承継をスムーズにしようという制度が始まりました。これにより今まで引継ぎを躊躇されていた方々の背中を押してくれることでしょう。最近の税制改正にしてはインパクトが非常に大きいものですから大きな効果が表れることを期待しています。

せっかく利益が出て、将来にわたっても利益を生み続けるであろう事業でも後継者がいなければ継続することは不可能です。しかしながら①後継者がいても税負担の重さから引継ぎを躊躇せざるを得ない、②そもそも後継者がいない、などの理由により惜しまれつつ廃業される方はたくさんいらっしゃいます。そこで①については先ほどの新設された事業承継税制である程度ケアできるでしょう。問題は②です。そもそも後継者がいないというのは探しても見つからない場合を含みます。

そもそも中小企業の事業内容、決算内容を第三者が知る機会はほぼ0です。たとえ優良な中小企業を買収して経営者としてやっていきたいと思ってる方がいらっしゃっても目的の会社にたどり着くのは容易ではありません。こうして引き継がせたい方と引き継ぎたい方のミスマッチが解消しないまま廃業に追い込まれる、という事態になるのです。

このミスマッチをいかに解消するかが今問われています。ここに税理士の担う役割は大きいのではないかと考えるのです。仲介業者は今現在はたくさん存在しますが税理士が自分の名前で主体的に活動しているケースはあまり多くありません。買う側だって信用できる業者にお願いしたのは当然です。幸い一般的に税理士は社会的信頼性が高いといわれていますので、その期待に応えない手はありません。この分野でもっと税理士が(多少は出しゃばって)頑張って欲しいし、私自身もお役に立ちたいと思っています(少し前に同じようなお話をしておりましたが。。。)。

今税理士の役割が問われている、そう思っています。

東京都文京区の税理士です

 

 

走行税創設が検討されているそうですね

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昨日お休みをいただきましたので。。。今週もよろしくお願いいたします。

自動車への付き合い方が所有から使用へとシフトしている。こういわれて久しいです。どれくらいからでしょうか。民間事業者が日本で本格的にカーシェアリング事業をスタートしたのが2002年だそうです。その後10年近くはごく限られた人々の間でのみ利用されてきていましたが2011年頃から急速に普及が進み、今では都市部を中心にかなり利用者が増加しています。

自動車業界の見立てでは今後所有から使用へのシフトが加速するだろうとのことで、そうすると現在の自動車諸税の徴収がままならなくなる、だから走行距離に応じた税金の仕組みを創設しよう、そこから走行税という話が出ているのだとか。

確かに都市部ではカーシェアリングの拠点が年々増えてきており、利用者の利便性も向上していることから今後もこの仕組みの利用者が増え続けるのは間違いないでしょう。現在の自動車諸税のうち自動車重量税、自動車取得税ともに所有を前提とした税金です。重量税は所有している自動車の重さに比例して税金を課税する、取得税は自動車の取得に着目してそこに担税力(税金を払う余裕)を見出し、課税しようとするものです。ですから所有から使用へとシフトするとこれらの税金が徴収しづらくなるのは事実です。

しかしながら大都市圏以外の地方都市では事情が異なります。私もよく存じ上げておりますが、地方都市では自動車は生活必需品です。なにをするにもなくてはならないものですね。一方で人口密度は大都市圏よりも低いことからカーシェアリングの拠点は必然的に限られることになります。シェアリングビジネスは一人当たりの利用者を見積もることによって拠点が成り立つか否かを判断しますので当然の論理ですね。つまり地方都市ではカーシェアリングが使い勝手が悪いものであり、今後も幅広く普及するとは言い難いでしょう。

そうすると、従来の自動車諸税にプラスして走行税を新たに課税するのか、それでは地方在住者が不利益を被ってしまうんではないか、という意見が出てくるでしょう。今後の自動車諸税の議論としてはそのあたりのバランスをどうとっていくのかが重要になっていくのではないでしょうか。

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なぜ棚卸をするのか

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

先週は年度末でした。年度末ということで棚卸の作業をされた方も多いのではないでしょうか。今回はその棚卸のお話です。

タイトルにもありますがなぜ棚卸をするのか、何のためにするのか。

①商品管理のため

②適正な期間損益の計算のため

①は商品が紛失していないか、盗難被害にあっていないか、品質は劣化していないかなどをチェックするためです。そして②、これが本題です。

適正な期間損益の計算のためとはどういうことでしょうか。会計の世界ではいくつかの原則がありますがその中でもとりわけ重要なものに「費用損益対応の原則」があります。これを簡単に申しますと売上に対応・貢献した費用のみがその売上が生じた期間の経費として計上が認められるというものです。この原則により費用は支払った時に全額計上できるわけではなくそのうち売上に対応する部分のみが経費として計上できます。

八百屋さんを例に挙げましょう。ある期間に大根を100本仕入、そのうちの80本がその期間中に売れたとします。そうするとその期間に経費計上していい仕入は100本全部でしょうか。そうではありません。80本分だけです。80本売れたのだからそれに対応する80本分の仕入のみが計上できる。どうですかこの考え方。すごく合理的ですよね。素直に納得できると思います。逆に80本しか売れていないのに100本分の仕入を計上できる、とした方がしっくりきませんね。そうすると100本仕入れたうちの売れ残った分 100-80=20本分の仕入はどうなるのでしょうか。これが棚卸商品として資産に計上され、その期間の経費から除外されることになります。簿記の仕訳で言うと

(借方)期末商品 20 (貸方)仕入 20

ですね。その期間中に売り上げた本数が80本なら売れた都度数えてもそれほど煩雑ではないかもしれません。しかしこれが千本、一万本となるとどうでしょう。かなり煩雑になり、数え間違いも生じやすいです。そこでどうするか。期間中に仕入れた本数を仕入の都度帳面に記入し、総仕入本数から期末に残っている大根の本数(期末在庫)を数えてそれを差し引くことにより期間中に売れた本数をカウントしたほうが合理的じゃないですか。

総仕入本数―期末在庫本数=期中売上本数

これが棚卸をすることの意義です。いかがでしたでしょうか。棚卸って非常に重要な作業なんですね。

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借入金は税引き後利益からしか返せませんよ -資金繰りのお話ですー

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借入金は税引き後の利益からしか返せません。

会社に最終的に残るお金は売上から経費を引いてさらに法人税等の税金を差し引いた残りです。それが税引き後利益です。

売上―経費―法人税等=税引き後利益

ですね。この税引き後の利益が現在から将来にわたる借入金の返済の財源になります。なお、借入金がある方の場合これから1年間の資金繰りを試算する時のやり方はこうです。

①1年間の借入金返済額を返済予定表から算出する

②返済額合計に見合う税引き前利益を割り出す

③前年度実績などから経費の見積もりを行う

④②の利益を出すための必要な売り上げを算出する

④の売上が達成可能か否かによって今後1年間の営業活動の方針を決めることになります。

ちなみに②の税引き前利益の算出の仕方はこうです

年間返済額に必要な利益は税引き後利益です。

税引き後利益=税引き前利益×(1-法人税等の実効税率)ですから

税引き前利益=税引き後利益÷(1-法人税等の実効税率)となります。

ちなみに現在の実効税率はほぼ30%ですから税引き後利益を0.7で割っていただくと税引き前利益に直ります。

例えば年間返済額が700万円だとすると必要な税引き前利益は

700÷0.7=1,000万円

1,000万円利益が必要になります。経費が5,000万円かかるのなら売上は6,000万円必要ですね。

このようにして予算を立ててみてください。

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経営者保証を外しましょう

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経営者保証、みなさんはお聞きになったことがあるでしょうか。経営者個人が法人の借入の連帯保証人になる、これが経営者保証です。

金融機関が経営者に法人債務の保証を求める、このこと自体は合理的な考え方だと思います。金融機関にとって最も怖いのは貸倒(借入が回収できなくなること)です。そのために万が一法人が返済不能の状態に陥ったとしても社長に連帯保証人になってもらえば最終的には借入金を回収できる、そういうロジックですね。貸倒リスクを減らし融資をしやすくする、という意味で金融機関・経営者お互いにメリットがある制度です。

しかしながら近年では弊害の方が大きくなってきています。その弊害とは

①経営が窮地に陥った時の撤退(廃業など)・再生が難しい

②事業を贈与・譲渡する際の足かせとなる

廃業するにしても個人で残債を全額弁済しなければなりませんので全財産を失いかねません。よって廃業しもう一度事業を再生するのが非常に困難となります。これが①です。

また、事業を他者に引き継いでもらう場合旧経営者の保証を解除せずに新経営者に保証を求めるケースが多数見られますので、そうした場合事業を引き継ぐ側は当然のことながら引き継ぐことを躊躇してしまいます。そうなると日本経済の今一番の課題である高齢経営者からの事業承継がスムーズに運ばなくなり、経済的損失が計り知れなくなります。これが②です。

そこで国は「経営者保証に関するガイドライン」というものを設けました。経営者個人と法人の資産・経理が明確に分離されているかなど一定の要件を満たした場合には経営者保証を外しなさい、またはそもそも保証を取らないよう努めなさいとする金融機関に対するいわゆるお達しです。法的拘束力はありませんが、国としての方向性を示したわけです。

一定の要件とは会社と社長のお財布が完全に分けられているか、会社の財産だけで借入金が返済可能か、適正な財務情報(決算書・月次試算表など)が適時金融機関に提供されているか、です。まっとうな会社であればこれらの要件を満たすのはそれほど難しくないものばかりです。そしてこれらの要件を本当に具備しているかどうか意見表明するのが税理士の役割です。ここで税理士が大きくお役に立てるのです。

今現在経営者保証に悩んでらっしゃる方は是非お知り合いの税理士にご相談下さい。きっと良い方向に進むと思いますので。

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新時代だからこそ(2)

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新元号が昨日決定しました。令和(れいわ)です。新しい時代にむけて何かワクワクしますね。

前回、中小企業の株式マーケットをつくりたいというお話をいたしました。今回はその続きです。

実は現在も中小企業の売買を仲介する会社は存在しますし、機能もしているようです。ただしネックになる点が一つありましてそれは仲介手数料です。もちろんそのビジネスモデルを否定するつもりもありませんしそれを生業とされているわけですから適正な報酬をいただくことには全く異論はありません。しかしながらその仲介手数料(決して安いものではありません)により売買を躊躇されている方々も少なからずいらっしゃるようです。

ですから仲介手数料を支払えるような方は今ある仲介業者を使っていただいて結構ですので、そのような報酬を支払えない方向けの仕組みを作りたいと考えております。

そこで税理士が果たせる役割は何か。

①決算書を信頼性のあるものにする

売却をサポートさせていただく方と長年お付き合いをさせていただき、継続的に経理・税務を見させていただく結果として作成する決算書類を買う側から見て信頼性のできるもの信用できるものにしていくこと。

②高く買ってもらえる会社にする

適切な経営・税務に関するアドバイスをし、利益を出し続け税金を支払うことを恐れない会社にしていくこと。

特にこの2点は非常に重要な役割を担えるかなと思います。信頼性のある決算書、信頼性があるというのはどういうことなのでしょうか。不正・ミスがなく正直に会社に実態を表示するものということになるでしょうか。不正・ミスがない、そこに直結するのがズバリ現金管理です。以前申し上げたことがありますが、現金というのはとかく不正・ミスなどのいわゆるゴミが集まりやすいところなのです。現金管理をしていないと現金勘定はゴミが集まってくるゴミ箱とかしてしまいます(あと訳の分からない社長借入金もですね)。そこには不正・ミスなどありとあらゆるゴミがたまってしまうんですね。逆に現金管理をきちんとしていただくと不正・ミスなどのゴミくずの行き場がなくなるのです(簿記の仕組みから明らかです)。行き場がないということはゴミが発生してもすぐ気が付くということです。すぐ気が付けば素早い対応ができその解消も素早くすることができます。ということで現金管理をしさえすれば決算書に信頼性が付与されるといっても過言ではないでしょう。

結局また現金管理の話か、と思われたかもしれませんがそれくらい大事なことだということです。

この仕組みをうまくつくっていけたらなあと思います。

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新時代だからこそ

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今週もよろしくお願いいたします。

新元号がいよいよ発表されます(あと30分というところで書いています)。

新しい時代とともに税理士としてお役に立てることも次々と変化していくことでしょう。

自分なりにいくつかの構想がありまして、その一つが中小企業の株式のマーケットを作ることです。マーケットを作る、何と大そうなことをと自分でも思いますが。

中小企業の経営者が安心して老後を過ごせるようにとの思いでそのような構想を思い立ちました。

中小企業の経営者はその会社の株主であることがほとんどです。現在は中小企業の株式には流通マーケットがありませんので売却を前提で保有している方はほとんどいらっしゃらないでしょう。高齢になり会社をたたむ際にもともとの出資金が戻ってくるかなあ、という程度の感覚ではないでしょうか。

そうではなく、会社を第三者にとって買いたいと思わせるものにしましょうということです(ちなみに会社を買うというのは形式的には会社に株式を買うということと同義です)。例えばご自身が65歳の時に5千万円で他の方に買ってもらえたらとてもうれしいと思いませんか。老後を過ごす資金がある程度確保できますので、引退後の心配を減らすことができます。

それには利益を出し続けなければなりません。会社に利益を出す力があれば、「この会社は投資する価値があるな」と第三者が思ってくれるでしょう。利益を出す力を高めれば高めるほどより高く買ってもらえるようになります。

ということは中小企業の経営者に自社の価値を高めようというモチベーションが生まれます。これは今までなかったことではないでしょうか。利益を出し続けるということは当然税金を払い続けるということになりますが、もはやそうなると税金を払うことを恐れなくなります。そうなると税収も潤いますしいいことづくめだと思いませんか。

と、構想はありますが今はまだ妄想の範疇を脱していません。一人で考えているとなかなか限界がありますのでこれを実現するには仲間が必要です。ですからこの構想にご賛同の方はぜひお声がけください。一緒に仕組みを作っていきましょう。よろしくお願いいたします。

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消費税の簡易課税制度について

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年度末ですね。3月決算法人の方は何かするなら31日までですよ。届出関係例えば消費税の簡易課税制度の適用を4月1日から受けたい場合も31日までに届出書をポストに投函してください。それと個人事業主の方で消費税の申告・納付をお忘れの方は週明けて4月1日の月曜日までですからどうかお忘れのないように。

消費税の簡易課税制度のお話が出ましたので今回は少し解説を。以前こちらで消費税の仕組みについて簡単にご説明いたしました。お客さんから預かった消費税から他のお店などに支払った(預けた)を引いた金額を国に納めるというのがその仕組みです(本則課税といいます。)。預かった消費税と預けた消費税を両方とも集計しなければなりませんので非常に事務作業が煩雑になります。そこで一定の要件のもと預かった消費税のみを集計し、それに一定の割合を乗じて計算した金額のみを納めるという仕組みを一方で作りました。これが簡易課税制度です。

①一定の要件

2年前の売上が5千万円以下でかつ前期以前に簡易課税制度選択届出書を提出していること

②一定の割合

業種ごとに預けた消費税は預かった消費税のうちこれくらいの割合であろうと国が定めた割合(みなし仕入率と言います)。なお、業種ごとの率は国税庁のホームページのこちらをご参照ください。

そもそも小規模事業者の事務負担を軽減するために導入された制度です。小規模かどうか判定する手段として2年前の売上が5千万円かどうかを採用することにしました。

このような事業者は簡易課税制度を選択しないことも当然できます。強制適用ではなく選択適用なんですね。本則課税と簡易課税では通常計算される消費税の納付金額が異なります。そうするとどちらを選択するかという有利不利判定が必要になってくるんです。これはケースバイケースですので何とも言えません。が該当する方は試算する価値はあると思います。結構な差(数十万円単位で)がある場合がありますからね。合法的な節税方法です。

簡易課税制度があること自体は納税者にとってはうれしいことなんですが、存在するがゆえに色々なトラブルが生じているのも事実です。そのあたりのお話はまたの機会に。

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相続財産の値段はどう決まるのでしょうか

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相続税は被相続人(亡くなった方)の生前所有していた財産(相続財産)をもとに計算がされます。種々様々な相続財産があるかと思いますがそれら一つ一つにいわば値段を付けていくわけです。

みなさんでしたらものに値段を付けるときはどの様にするでしょうか。相場があるものは相場、骨董品・美術品は鑑定士などの専門家に意見を聞いて参考にする等々の方法により決められるのではないでしょうか。

相続税を計算するうえでの財産の値段付けも同じように行います。上場株式のように相場があるものは相場での値段(東証における終値)、骨董品・美術品は鑑定士などの専門家の意見(精通者意見価格と言います)または以前売買されたことがあるときはその時の売買価格のいずれか、です。

不動産については少しひねりが加えられております。不動産特に土地についても市場は一定数存在しますし、不動産鑑定士による鑑定も可能です、さらに過去には売買がされたこともあるでしょうからそういったもので値段付けできそうですが実務上はそうなっていません。相続税の計算をする上では路線価が設定されている地域(主に市街地です)ですと路線価×地積で求めます。これに角地であったり細長く使いづらい土地であったりと個別の事情を勘案して調整を加えます。なお、郊外ですと必ずしも路線価が設定されていない地域もありますのでそのような場所では固定資産税評価額×一定倍数(地域ごとに定められています)によって求めます。

土地についてなぜこのようにしたかと申しますと一言で言うと評価の安全性です。評価の安全性とはたまたま相続時に急激に値上がりまたは値下がりした際の評価額の上振れ・下振れを極力排除するという考え方です。平常時はこれくらいの値段ですよね、そんなイメージでしょうか。土地は非常に高額な財産ですので特にこのような考慮が必要だと考えたのでしょう。

世の中には種々様々な相続財産になり得る財産があります。その中には相場がないものも当然ありますのでそうするとどうやって値段付けをしていいのか途方に暮れてしまいます。そこでこれらの財産の値段付けの基本的な考え方を国は財産評価基本通達という文書(法律ではありません)の中で決めてくれています。相場がないものの代表例が中小企業の株式です。これらは基本的に第三者間で頻繁に売買される性質のものではありませんので相場は存在しません。ですから先ほどの財産評価通達においてその計算方法がこと細かく規定されております。相場のないものにいわば無理やり値段を付けようとしますのでとにかく計算するうえでのルールが複雑極まりないんです。専門家でなければ最終値に到達するのはおそらく不可能でしょうし、専門家であり税理士でも苦手にしている方が多いところです。値段付けの最難関と言われております。こちらで簡単にでも解説する機会があればいいなと思いますが、もしみなさんが計算をする必要が生じてしまった時は迷わず専門家を頼ってください。

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