みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
消費税増税までもう間もなくです。ニュースでも連日取り上げられていますのでみなさんの関心度合いの高さがうかがわれるところです。
ニュースでは主に軽減税率に焦点が当てられているように思われますが8→10%に税率が変わることによる様々な経理上の留意点についてはあまり触れられる機会がありませんので今回はそのあたりのお話を。
消費税の課税時期は取引があった時です。支払いが行われた時ではありません。例えば末締めの請求は翌月支払うというのが通常ですが取引があったのはあくまでも当月ですね。ということは今月9月末締めの請求は10月に支払うことになると思うのですがその際の本体価格に上乗せする消費税はもちろん増税前の8%で計算した税額です。
ところが世には末締め以外の請求というものも存在します。15日締め20日締め等々ですね。そのような場合例えば10月15日締めですと次のように消費税を計算することとなります。
- 9月16日~9月30日→8%
- 10月1日~10月15日→10%
このように10月1日をまたぐ請求書も問題なく処理することができます。
一方で20日締めのコピー機の保守サービスなどは少し考え方が異なります。それは毎月21日~翌月20日の期間の保守サービスが期間の末日である20日にサービスの提供が完了すると考え、つまり20日に納品をしたと考えます。とすると10月20日締めの保守サービスは10月20日に納品したと考えるので全機関の分を10%で計算します。さきほどのように9月30日でいったん切るなどということはしません。
光熱費も通常と異なる処理をします。10月中に検針があり前回の検針が9月30日以前の場合はその10月中の検針により確定した料金は8%となります。
なお、会計ソフトで入力する時には今お話した8%はすべて旧税率の8%として入力をしてください。くれぐれも軽減税率の8%で入力をしないようご注意を。処理を誤ると納付すべき消費税の計算を間違ってしまう恐れがありますので。なぜ両者で計算結果が違ってくるのかと申しますと詳細はここでは触れませんが国税と地方消費税の割合が異なるからです。旧税率(現行の8%です)は国税が6.3%地方税が1.7%、一方軽減税率の8%は国税が6.24%地方税が1.76%です。ちなみに新税率10%の内訳は国税が7.8%地方税が2.2%です。
~台風15号の被害にあわれた方々~
心よりお見舞い申し上げます。被害にあわれた方の税務について国税庁のホームページのこちらで情報が公開されておりますのでご参考にしていただけたらと思います。