青色申告の申請の注意点

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

青色申告の各種得点につきましては以前こちらでお話しした通りです。ご自分で経理から申告までされていらっしゃる方でもぜひ青色申告にチャレンジしてみてください(チャレンジというほど難しいものではありません。トライくらいの感覚でしょうか)。

タイトルに申請と書きました。申請と届出は似て非なるものです。申請は税務署にお伺いを立てて税務署長の承認によりはじめて申請が承認されるものです。一方届出は特に誰にお伺いをたてるわけではなく、基本的には自動的に届出の内容が受理されるものです。

青色申告は届出ではなく申請なんですね。税務署長の承認があってはじめて適用が認められるのです。

とここまで申請と届出の違いを述べてまいりましたが本題はここではありません。所得税と法人税それぞれに青色申告という制度があり、個人事業主または法人がそれぞれの制度のもとで税務署長にお伺いを立てて青色申告の適用を受けます。申請をする際には申請書というものを所轄の税務署に提出します。実はその提出には期限がありまして、それを一日でもすぎてしまうと申請すらできません。個人も法人も多くの場合1年という区切りの中で年度を設定していますので、期限が過ぎてしまうと次の年度からの適用を申請することになり、1年青色申告の適用ができないことになってしまうのです。

その提出期限ですが、所得税の場合は業務を開始した日から2ヶ月以内です。既に事業を開始されている方でその年から適用を受けたい場合はその年の3月15日までに提出です。

一方法人税の場合は設立日から3ヶ月以内です。ということで2つの制度で期限が違うのです。ですので青色申告って確か3ヶ月以内に出せばよかったんだよねと思ってらっしゃる方はご注意ください。個人の場合は2ヶ月ですよ。

ということでみなさんもご自身がまたはどなたかから聞かれた場合はその点ご注意ください。

東京都文京区の税理士です

ホンモノ指向です

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

NHKのインタビューである企業の経営者が今年の景気について「ホンモノ指向」と答えてらっしゃいました。※色々調べると「志向」の方が正しいようですが、それは本質的な問題ではないのでここではこれ以上は触れません

このホンモノという言葉、私が常日頃から大切にしていることでしてこの言葉を見かけたときは本当に嬉しく思いました。

この1年先行きが不透明な中で余計なものが振り落とされてホンモノだけが残るのではないか、というような内容だったと思います。

ホンモノという言葉、私も実はよくわかっていません。価値観が同じ者同士が共有する何か、ここだけは譲れないものあるいはこの考え方大事だよねと感じている何か、、、

価値観が異なるとおそらくそれは違ってくるのでしょうね。だから絶定的な存在ではなく相対的にホンモノ、なのだと思います。

税理士にとってホンモノとはなんでしょうか。納税者から言われるままに経費を認めてあげること、決算対策と称して保険を勧めること、、、

いえいえそうではありません。本当に納税者の為になるのなら時には煙たがれることも言う、そうですそれが税理士にとって大切なことであり使命つまりホンモノなのです(税理士法第1条に税理士の使命として「独立した公正な立場」と書いてあります)。

これからもそれを肝に銘じて税理士として職務を全うしたいと思います。

東京都文京区の税理士です

 

高額な贈与もありです

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

贈与税の税率は一般に高いといわれております。確かにその通りでして(国税庁のこちらのホームページの表の特例贈与財産用の方をご参照ください)、例えば親子間で1千万円の贈与をした場合は税率は30%です。確かに高いですね。えっ300万円も税金で取られるのか、と。

でも実はそうではありません。ちゃんと計算すると親子間での1千万円の贈与に係る税金は177万円です。率にすると17.7%ですね。表をよく見ると控除額の記載があります。超過累進税率の調整をこの控除額で行っているのです。1千万円に丸々30%の税率がかかっているわけではなく600万円を超えて1千万円までの400万円分にだけ30%の税率がかけられています。そして400万円を超えて600万円までの200万円に20%、200万円を超えて400万円までの200万円に15%、200万円以下の部分に10%の税率がそれぞれかけられている、とこの表から読み取ります。

1千万円の贈与の場合の実効税率は17.7%です。これを10年間続けた場合1億円の財産を子供に移転した場合の贈与税の総額は1,770万円です。

一方相続税の税率を見ていきますと(こちらをご参照ください)、1億円以下の相続財産の取得の場合の税率は30%、相続税は2,300万円です。

こうして比較してみると贈与により10年かけて1億円を移転したほうが税金が安く済むことに気が付きます。

ただしこれはかなり粗い比較ですね。そこで贈与による移転をしなかった場合の相続財産が2億円だったというストーリーを仮定するとわかりやすいと思います。まず本来2億円の相続財産に支払うはずだった相続税は6,300万円です。次に1億円を贈与により移転しましたから相続財産は1億円に減っているはずですから1億円の財産に対して支払う相続税は2,300万円です。ということは4,000万円も相続税を減らすことができました。

1,770万円のコストで4,000万円の効果を得ることができる、とてもお得な節税法ですね。

ということで、高額な贈与もちゃんと相続税対策になりますよ、というお話でした。

 

東京都文京区の税理士です

 

消費税増税が迫っています

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

消費税の税率が今年の10月から10%にアップされる予定です。そのアップされる前に色々購入しておこうという方も多いかと思います。

事業用の資産のご購入を検討されている方もいらっしゃるでしょう。そのような方はこちらのブログをご参考にしていただいたうえでご検討ください。

事業用資産を購入する場合は原則として負担は税率アップ前もアップ後も変わりません。ん?本当でしょうか、本当です。

消費税の仕組みは以前お話しましたが、簡単にここで申し上げます。お客様から預かった消費税から仕入れなどの時に他のお店・会社などに支払った消費税を引いた金額を国に納めるという仕組みを取っています。例をあげますね。

お客様から100万円の消費税を預かっている状態で本体価格500万円の車を購入したとします。税率アップ前の消費税は40万円、アップ後は50万円です。確かに購入時にはアップ後は10万円多く販売店へ支払わなければなりませんが納める消費税はアップ前は100-40=60万円、アップ後は100-50=50万円と10万円少なく済みます。ということはトータルでは負担は変わらないことになります。

消費税のアップ前に駆け込みで事業用の投資を行おうとする方は急ぐ必要はないですよ、ということが言いたかったのです。

ただし、原則として負担が変わりません、と申しましたのは例外があるからです。そもそも免税事業者の場合は消費税という概念自体がないので(あくまで会計上ですが)、アップ前の駆け込みの投資を検討する意味があります。また、消費税の課税方法として原則課税の他に簡易課税というものがありますが、こちらを選択している方の場合もやはり駆け込みを検討する意味はあります。こちらに関してはここでは詳しくは解説しませんが、一言で申しますと納付税額が預かった消費税のみで計算されるからです。簡易課税につきましては機会を改めて詳しくご説明申し上げますね。

ということで事業者の方は基本的には消費税率のアップという言葉に惑わされず投資計画をご検討ください。

東京都文京区の税理士です

今日からスタートします

あけましておめでとうございます。本年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

さあ今日から仕事始めですね!今年も一年頑張りましょう。

今日からスタートする画期的なものが実はあるんです。それは「スマート申告」です。

スマートフォンで確定申告ができるというものでして、まさに画期的な制度がスタートしました。事前に所轄の税務署へ出向きID・パスワードを発行していただくという手間は必要ですが、一度これらを取得してしまえばあとはいつでもどこでもスマートフォンで確定申告できるのです。

もちろんスマートフォンで各種数字・文字等を入力しますので入力項目が多いものには向かないと思いますが、医療費控除・2か所給与の合算・各種控除の追加などといった比較的簡単なものについては是非このスマート申告でチャレンジしていただきたいと思います。

ちなみに事前準備として税務署に出向く際には本人確認書類(運転免許証など)が必要となりますのでご留意ください。

皆さんもこれを機会に是非スマート申告、挑戦してみてくださいね。

 

東京都文京区の税理士です

 

ついに見ました、、、

皆さん、ついに見ました。

流行りに乗っちゃってさ〜、などと言わないでください。とにかく見たかったんです。

ラストのライブシーンはずっと涙、でした。

DVDが出てからでいいやって思ってる方、絶対映画館で見てくださいね。この映画は映画館でみないとダメなやつです。

これほどもう一度見たいと思った映画はおそらく初めてだと思います。もう一度映画館で見たい。そうですDVDを買ってからもう一度見たいではなくもう一度映画館で見たい、です。なぜ涙が出てくるのか自分でもよくわかりません。でも体が震えて涙が止まらない、確かに。

ぜひ映画館で見てください。大切なことですから二度言いました。お願いします。

これが本当に本年最後のブログです。私のつたない文章にお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。来年もどうぞお付き合いください。では良いお年を!!

元日くらいは休みましょう

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

正月に店舗を閉めるという会社が少しずつではありますが増えてきているようです。NTTドコモは元日プラス大みそかか2日の2日間、ソフトバンクは大みそかと元日等々。

せめて元日くらいは休みましょう。本当にそうですよね。サービス業の方は正月も出勤という方が今では普通になってしまいました。昔はどのお店でも少なくとも元日はお休みをしていたという記憶があります。みんなお正月はそういうものだと思っていました。

ところが1990年代半ば頃に大手スーパーを中心に元日も休まず営業しはじめたあたりから潮目が変わりました。その流れは百貨店にまで及びいつの間にか正月も営業してます、が当たり前になっていきました。

サービス業に従事されている方もお正月くらいは家族みんなでゆっくりしたいと思ってらっしゃるでしょう。みんな正月三が日お店が閉まっていてもそんなに困りませんよ、と声を大にして言いたいですね。だって昔はそれが当たり前でしたし閉まっていても閉まっているなりに人は工夫して何とかするものです。

日本の生産性は諸外国と比べると低いと指摘されています。過剰サービスも生産性を下げる要因の一つですが、お正月にお店を開けるというのはやはり過剰サービスといっていいでしょうね。

だからそこで働く方々のためにも「法律で規制しないと正月営業は止められない」なんて情けないこと言わずに、経営者が「うちはお正月は休みます。いい会社でしょ」と堂々と言える社会であって欲しいなと思います。

 

今年もブログをお読みいただきまして誠にありがとうございました。

来年も毎日更新(平日限定ですが)を目指し頑張っていきますので引き続きごひいきのほどお願いいたします。では良いお年を!

東京都文京区の税理士です

落札額がマイナスって、、、

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

昨日のニュースで少し驚くような記事がありました。今日はそれをみなさんに知っていただきたいと思い、こちらで書くことにしました。

「埼玉県深谷市で市所有の土地がマイナス795万円で落札された」

です。どうやら市が譲渡時に買取人に795万円を支払うということのようです。そうです、土地を売った側が買った側にお金を支払うという一見すると奇妙なお話です。

もちろんこれにはちゃんとした理由があります。その土地はもともと小学校があって廃校後も体育館だけは残して地域住民がそれを使用していましたが、8年前にその体育館も閉鎖されたためその土地を有効利用してもらおうと市が売却を検討していたそうです。今まで2回入札にかけたが応札はありませんでした。小学校が建っていたような比較的大きな土地を購入をしようとする方は通常その土地を更地にして住宅なり工場なりを建てようと考えます。その更地にする際の解体費用が市の見積もりによる土地の評価額(ここでいう評価額とは恐らく売却見積額だと思われます)を上回るため、今回のようなマイナスの落札額にしたということです。要するに「市が解体費用を負担しますからこの土地を買ってくださいね」、平たく言うとそういうことですね。

今回の取引の前提として市は跡地に住宅を整備してくださいね、と条件を付けたそうです。解体費用という初期費用はかかりますがその後に住民が増えれば固定資産税収入が入ってくるし、地域経済も活性化するので初期投資費用は回収できて経済的合理性は十分ありますよ、ということですね。

このマイナスの落札額というのは全国初のケースだということですが今後一つのモデルケースになりそうですね。

でもふと思ったことがあります。私だったら体育館をそのままの状態にして買い取りたいなあって(もちろんそれだけの資金があればという前提ですが)。体育館に大きなスクリーンを設置して映画館をつくりたいという夢がありまして、この土地はまさに条件がぴったりだなあと思ったのです。そんな変わり者は他にはいなかったのでしょうか、、、

ここからは蛇足ですが、今回のニュース、購入者に市からお金が支払われるということでした。これを税務的に解釈すると購入者に一時所得課税がされるのかな。収用により国に土地が召し取られた場合は譲渡益のうち一定の金額までは課税しないという規定がありますが、今回のケースでそのような救済措置はおそらくないと思いますので購入者は一時所得795万円に対し一定の所得税を負担することになるはずです。

東京都文京区の税理士です

資金繰りについて思うこと

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

税理士は税金のプロであることは言うまでもありませんが税理士に求められている役割はそれだけではありません。経営についてアドバイスをする専門家、保険について詳しい、などなど税金の計算以外にも求められる役割は多岐にわたります。

その一つとして経営において非常に重要である資金繰りのご相談を納税者の方から受けることがよくあります。資金繰りというのは明日以降の会社のお金の流れを予測して資金をショートさせないようにすることです。この予測という作業は実は税理士にとって限界がある部分なのです。税理士ができることは過去の会社の成績(利益がどれくらいあったかということです)、入金・借入金の返済実績等の過去のデータを元にこの先も同じ傾向だと「仮定して」未来の予測を立てるということです。過去のものと前提条件が違ってくると予測は見事に外れてしまうことになりますね。

ですからまず経営者の方に資金繰りの予測を作っていただき、それに対してその予測が合理的な説明がつき理論的にも無理がないものかを検証するのが税理士の役割だと思っています。

あくまで予測の主体は経営者ご自身なんですね。予測というのは経営者の頭の中にしかありません。ですからそれを具体的に説明をしていただき、その筋がちゃんと通っているか(いわゆる無理筋じゃないかですね)を確認するのところに我々税理士の存在意義があると思っています。

融資のお手伝いをするときも同じですね。この先これだけの売上が増えてその中からなら毎月これだけの借入を返済することができますよ、というのを具体的に数字で説明していただき、納得できたらいざ金融機関に乗り込むという形でお手伝いをしています。数字には具体性がなければなりません。そこは経営者ご自身でなければ分からないところですので主体はやはり経営者ということになります。

というわけで税理士は資金繰りのプロ、ひいては経営のプロでは決してありませんが相談していただけたらそれにこたえられるだけのスキルを持ち合わせているしまた持ち合わせていなければならない、そう自分に言い聞かせているこの年の瀬です。

東京都文京区の税理士です

簿記ってすごいですよ!

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

簿記ってすごいですよ、、、また簿記の話? そうです、簿記の話です。

会社のお金が増減する取引をすべて記録するのが簿記です、と以前ここで申し上げました。すべてというところがポイントです。そうですもれなく記録しますから会社のお金が絡む取引は簿記で記録した帳簿をチェックすればすべてわかります。ミスも見つけることができるし、不正も見破ることができるのです。

会社簿記の場合は取引を複式簿記で行っています。複式簿記とは簡単に申しますとお金が出た時はその資金源とその使い道、お金が入ってきたときは入金を受けた場所とその内容(売上、借入金など)を同時に記録する取引記録の方法です。例えば使途不明の出金を見つけた場合でも取引を記録しなければなりません。そうすると資金源はいいとしても(現金・預金など)その使い道がわかりませんので例えば仮払金などという使途名を付けて記録することになります。そしてその仮払金は取引の事実が判明するまでは消せないことになります。そうです、取引の事実を会社を挙げて追及することになるのです。そこに不正・ミスがあった場合はこうして発覚します。

会社実務においては簿記だけでなく例えば売掛金の管理をするためにエクセルで入金台帳などを作るケースが多いです。この台帳のようにこれらは簿記のシステムから切り離されて単独で作成されることがあります。そうすると数字のうち間違え等があっても気づかないまま時が経過する場合があります。ところが簿記のシステムで作成した売掛金台帳は数字の間違えようがありません。なぜならそれらは現金預金帳と連動していますので入力の段階で数字が間違うと現金預金帳の残高にズレが生じまうのでそこでミスを発見できるのです。

ですから会社で行う種々の管理にはできるだけ簿記のシステムと連動したものを構築すべきなんですね。

簿記って本当にすごいんですよ!

東京都文京区の税理士です