落札額がマイナスって、、、

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

昨日のニュースで少し驚くような記事がありました。今日はそれをみなさんに知っていただきたいと思い、こちらで書くことにしました。

「埼玉県深谷市で市所有の土地がマイナス795万円で落札された」

です。どうやら市が譲渡時に買取人に795万円を支払うということのようです。そうです、土地を売った側が買った側にお金を支払うという一見すると奇妙なお話です。

もちろんこれにはちゃんとした理由があります。その土地はもともと小学校があって廃校後も体育館だけは残して地域住民がそれを使用していましたが、8年前にその体育館も閉鎖されたためその土地を有効利用してもらおうと市が売却を検討していたそうです。今まで2回入札にかけたが応札はありませんでした。小学校が建っていたような比較的大きな土地を購入をしようとする方は通常その土地を更地にして住宅なり工場なりを建てようと考えます。その更地にする際の解体費用が市の見積もりによる土地の評価額(ここでいう評価額とは恐らく売却見積額だと思われます)を上回るため、今回のようなマイナスの落札額にしたということです。要するに「市が解体費用を負担しますからこの土地を買ってくださいね」、平たく言うとそういうことですね。

今回の取引の前提として市は跡地に住宅を整備してくださいね、と条件を付けたそうです。解体費用という初期費用はかかりますがその後に住民が増えれば固定資産税収入が入ってくるし、地域経済も活性化するので初期投資費用は回収できて経済的合理性は十分ありますよ、ということですね。

このマイナスの落札額というのは全国初のケースだということですが今後一つのモデルケースになりそうですね。

でもふと思ったことがあります。私だったら体育館をそのままの状態にして買い取りたいなあって(もちろんそれだけの資金があればという前提ですが)。体育館に大きなスクリーンを設置して映画館をつくりたいという夢がありまして、この土地はまさに条件がぴったりだなあと思ったのです。そんな変わり者は他にはいなかったのでしょうか、、、

ここからは蛇足ですが、今回のニュース、購入者に市からお金が支払われるということでした。これを税務的に解釈すると購入者に一時所得課税がされるのかな。収用により国に土地が召し取られた場合は譲渡益のうち一定の金額までは課税しないという規定がありますが、今回のケースでそのような救済措置はおそらくないと思いますので購入者は一時所得795万円に対し一定の所得税を負担することになるはずです。

東京都文京区の税理士です

投稿者: you-furumi

東京都文京区で税理士をしております。お客様に本業に専念していただけるようサポートをすることを使命と考えております。

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