老舗企業が窮地に立たされているそうです

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今朝の日経新聞の記事に「老舗企業倒産など最多」とありました。創業から100年以上のいわゆる老舗企業の倒産などの件数が2018年度に465件となり2000年度以降最多を更新しました(帝国データバンク調べ)。

人手不足、後継者難が深刻化しています。100年続くような老舗企業も例外ではないということなんですね。

外的要因例えば革新的な技術の開発、代替品の発明などによる廃業はいた仕方ない部分もありますが後継者難は非常に残念です。市場のニーズがあるのに撤退せざるを得ないとなると何と無念なことでしょう。

以前伺った話です。ある特殊な素材を製造している企業がありその技術は世界でもその会社にしかないというところがあります。その会社は社長と他にパートさんが一人という体制です。社長は高齢で後継者もいらっしゃらないとのこと。もしもこの会社が廃業に追い込まれれば困ってしまう顧客がたくさんいることでしょう。

このようないわば零細ながら超優良企業の社長が気軽に相談を持ち掛けられる、そんな仕組みができればいいなと思う次第です。

東京都文京区の税理士です

贈与税は軽減されますが、、、

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今週もよろしくお願いいたします。

相続時精算課税、みなさんはお聞きになったことがあるでしょうか。贈与時の贈与税を軽減し、課税を相続時まで繰り延べるというのがこの制度の概要です。贈与時の贈与税を軽減することにより高齢の親から子への財産の移転を促進し、経済の活性化を図ろうというのがこの相続時精算課税制度創設の趣旨なんですね。

ではその仕組みを見ていくことにします。

贈与税額=(贈与財産の価格-2,500万円(特別控除)) × 20%

と通常の贈与税とは異なる計算方法を採用しております。ちなみに通常の贈与税の計算方法は

贈与税額=(贈与財産の価格-基礎控除110万円) × 贈与税の税率

です。

相続時精算課税の適用要件は以下の通りです。

①贈与者(贈与をする側)の年齢が60歳以上である(一部例外あり)

②受贈者(贈与を受ける側)の年齢が20歳以上である

③贈与者は受贈者の直系尊属(父母・祖父母などの自分より上の代の方ですね)であり、受贈者はその贈与者の推定相続人※である

※推定相続人とはある時点において仮に贈与者が亡くなった場合にその時点でその贈与者の相続人である方を言います。

③によりお孫さんでご両親がご存命の場合はこの制度の適用を受けることができないことになります(お孫さんは推定相続人ではないからです)。

2つの贈与税の計算式を見比べた時に相続時精算課税の方がとても優遇されているな、というのがわかりますね。何せ特別控除として2,500万円も引くことができますすなわち2,500万円までは贈与税がかかりませんよということですからね。ところが周りでこの制度を使っている、ということを聞いたことがある方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。もちろんかなり個人情報的なことですのでそもそもそのような話を赤の他人にしたりはしないでしょうが、でも巷であふれている節税セミナーなどでもこの制度を全面的に押し出してくるようなものはほとんど見られません。それはなぜでしょうか。

使い勝手が悪い、その一言につきます。どういうことでしょうか。一度この制度を選択すると贈与者が亡くなるまで強制適用となります。初めの方に申し上げたようにあくまでも軽減されるのは贈与時の贈与税です。最終的にこの制度の適用を受けて贈与された財産は贈与時の価格で相続財産の一部を構成されることになりますので相続税の課税は受けることになるんですね。ただしその場合はすでに納めた贈与税を相続税から引くことができます。ですから「相続時精算」なんです。では次に強制適用となるデメリットを見ていくことにします。

①贈与時の価格で相続財産の一部を構成することになる

贈与時の価格よりも相続時の価格の方が下落した場合にはこの制度を選択しなかったときに比して相続税の負担が増えることになります。ですから期間の経過とともに価値の下がるもの(建物など)はこの制度による贈与をしない方が良いこととなります。

②贈与税の基礎控除110万円が使えない

これも大きなデメリットです。先の記した算式の通り相続時精算課税による贈与を選択すると贈与税の計算式の中に基礎控除という言葉が無くなってしまいます。つまり通常の贈与であれば適用できる基礎控除110万円の享受を受けることができなくなるのです。この基礎控除は毎年受けることができますので結果として10年で1,100万円、20年で2,200万円もの基礎控除をふいにしてしまうことになります。これは痛いですね。

とはいえ、贈与者が亡くなった場合の相続税が出ないことが見込まれるのであれば2,500万円までの贈与ですと贈与税も相続税もかかりませんのでうまく使えればメリットがある制度ではあります。

選択については慎重なご検討が必要となりますのでご注意ください。

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役員報酬は途中で変えてはいけない?

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以前お話した役員報酬は途中で変えてはいけないに関連するお話を。

役員報酬は途中で変えてはいけない、としましたが変えてはいけないなどとは法人税法のどこにも書いてありません。じゃあなぜそのような表現をしたか。変えてもいいんですが変えてしまうと変更した分だけ経費にできない可能性がありますよ、ということなんですね。ですから経費にできなくてもいいよ、ということであれば変えていただいてもまったくかまいません。

これについて見ていくことにします。法人税法第34条では役員報酬のうちこれこれこういったもの以外のものについては損金に算入しないとあります。ちなみに損金というのは会計上の経費のうち法人税法上でも経費として認められるものを言います。通常は経費=損金となりますが、一部例外がありますので経費と損金という言葉はそれぞれ使い分ける必要があります。

その法人税法第34条で言っているこれこれこういったものの一つに定期同額給与というものがあります(同条第一項第一号)。この定期同額給与というのは決められた期間内において毎月同額の給与ということなんですね。つまり法人税法第34条はこの定期同額給与に該当しない給与は損金に算入しないと解釈できることになります。

このことから途中で給与を変更した場合はその期間中に支給した役員報酬は定期同額給与ではありませんので損金不算入となってしまうということがわかります。ただ実際にはその期間中の全額が損金不算入となるのではなく頭が飛び出た部分、例えば4~9月に100万円、10~3月に200万円を支給した場合、10~3月の200-100=100万円(1か月あたり)が損金不算入となります。

ということで役員報酬は変えてはいけないわけではないんですが税務上のリスクから税理士はそのような表現を用いてアドバイスしているというのが実際のところです。

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福利厚生と現物給与

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福利厚生と給与、実は深い関係があります。今回はこのお話を。

福利厚生の代表的なものの一つに社員旅行があります。一時期かなり廃れた、または社員に不評だったようですが近年その良さが見直されてきているようです。この社員旅行、会社の経費として当然に認められます。が、もう少し掘り下げてみますね。

①一部の人しか参加しない、②長期間の海外旅行、などは福利厚生と認められません。

①一部の人しか参加しない

旅行に参加した人数が全体の50%未満の場合

※職場単位(支店・工場など)での旅行はそれぞれの職場の人数で判断

②長期間の海外旅行

4泊5日を超える

このような場合は福利厚生とは認められません。では税務上どう扱われるか。それは参加者の給与としてカウントします。一人当たりの旅費に相当する金額を給与に加えて源泉所得税の計算をします。ということはこれをしないと源泉税の徴収漏れとなり会社に不納付加算税のペナルティが科される可能性があるということです。そもそも社員旅行は本来であれば社員が負担すべき部分があるにもかかわらずその経済的利益については少額であればあえて追及しませんよという少額不追及の趣旨により給与としてカウントしなくてもよいという規定の流れになっています。その趣旨から逸脱するような場合は原則に戻り現物給与となるのです。ちなみに①の一部の人しか参加しないような場合は福利厚生の大原則である機会均等が守られていないことから現物給与として扱われることになります。一部の人だけに経済的利益を与えるというのはもはや福利厚生の趣旨から外れますので給与として扱うのが適用ですよねという考え方です。

もちろん国内旅行であっても豪華すぎるもの(具体的な金額の決まりはありませんが例えばスイートルームに宿泊するなど明らかに通常の旅行よりグレードが高いものです)はたとえ職場の全員が参加するものであっても現物給与とされます。

このように福利厚生と現物給与は深くかかわっていますのでその取り扱いには十分注意が必要となります。

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法人か個人か

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個人事業主でこのまま個人のままでいいかそれとも法人を設立すべきか迷われている方が結構いらっしゃいます。以前も申し上げましたがその際に法人税と所得税の負担率を比較するのはあまり意味がないと思っております。同じ利益なら事業所得より給与所得の方が税制上有利だからそういう観点からみると法人の方がいいですよ、とその時にはそのように書きました。

給与所得にするデメリットはズバリ期の途中で金額の変更ができないことです。役員に対する報酬は金額を一度決めたら原則として1年間変更することができません(法人税法第34条他)。期の途中で変更を認めてしまうと法人の利益を出さないように報酬を設定することが可能となってしまい法人税の存在意義そのものが脅かされてしまうためです。このように途中で変更できない中で当期のこれからの1年間の利益を見積もったうえで金額を決定せざるを得ないためなかなか設定が難しいです。低めに見積もったために利益が予想以上に出てしまい法人税の負担が思いがけず多かった、などというケースですね。

一方、個人事業であれば利益がそのまま自身の取り分となりますのである意味わかりやすいですね。頑張れば頑張っただけの見返りがあるということになるでしょうか。

個人事業のままでいくか、法人化するか、そういった観点から検討してみるのも良いかと思います。

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消費税の原則課税と簡易課税

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消費税の納付税額を計算する方法には主に2つのものがあります。①原則的な計算方法(原則課税、本則課税とも言います)②簡易的な計算方法(簡易課税)の2つです。

消費税の仕組みにつきましてはこちらでも何回かお話しておりますが、お客様から預かった消費税から他のお店等に預けた消費税を引いたものを国に納める、です。これが原則的な計算方法である原則課税です。

一方の簡易課税につきましても以前簡単にお話したことがあるかと思いますが、お客様から預かった消費税のみを用いて納めるべき消費税の金額を計算する、というものです。

そもそもこの簡易課税がなぜ用意されているかと言いますと小規模事業者の事務負担の軽減のためとされております。そのような趣旨でこの制度が導入されたわけですが実情は少し異なります。

今の会計ソフトは安価で優れているものが多数出回っております。そうしたものを使えば消費税の計算を正確に行うことはそれほど難しいものではありません。とすると小規模事業者の事務負担の軽減する必要はあまり無くなってきております。とはいえ現実に制度として存在している以上使わない手はありません。

①現に消費税の計算を正確に行うことが困難な事業者につきましては簡易課税を適用することの意義はあるでしょう

②そうではない小規模事業者につきましては適用することにより消費税の節税効果が期待できます

②について見ていくことにします。計算方法が2つあるということは答えがそれぞれで異なる可能性があるということです。仮に簡易課税の方が低い税額で済んだ場合そちらを選択できれば消費税を節税できることになります。ですから対象事業者は事前にシミュレーションを行い常に簡易課税の方が低いと見込まれるのであれば適用を選択すべきですね。

なお、簡易課税を適用できるのは原則として2年前の売上が5千万円以下の事業者に限られます(簡易課税制度選択届出書を提出するという要件がもう一つあります)。

事前のシミュレーションで優劣が微妙な場合は選択を見合わせるというのも一つの方法でしょう。なぜなら簡易課税は一度選択してしまうと適用要件に該当する限強制適用となってしまうからです。なお、簡易課税制度選択不適用届出書を提出することにより選択をやめることは可能ですがそれでも一度適用してから2年間はやはり強制適用となりますので注意が必要です。

まだ簡易課税には弊害がいくつかありますがこれにつきましては回をあらためて見ていきたいと思います。

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相続人がいない場合

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今朝の日経新聞に「独りの最期」を清算、とありました。遺言書がなく、相続人もいない場合にどうなるかを特集した記事です。そのような場合では故人の財産はどうなるのでしょうか。

相続人になり得る方は

①配偶者・子供

②親・祖父母等の直系尊属

③兄弟姉妹

基本的にはこうした方々です。民法のルールでは被相続人(亡くなった方)に①に該当する方がいらっしゃればその方、いなければ②の方々。いなければ③の方々へと相続人となる方が移っていきます。そして③の方々もいなければどうなるか。相続人が不存在の状態です。なお、「いなければ」には相続を放棄した場合も含まれます。

そうした場合、被相続人の財産は最終的に国に帰属します。記事によると2017年には525億円ほどがそのようなケースに該当したそうでして、近年増加傾向にあるとのことでした。

相続人以外の大切な方へご自身の財産を遺すには遺言書を書くことが唯一の手段となります。せっかく築き上げた財産が何もしないと国に召し取られる可能性がありますのでそうした方は一度ご検討されてはいかがでしょうか。

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退職金の課税関係

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前回ありましたように今回は退職金の課税関係について見ていきます。

退職金は老後の生活保障という意味合いから税金面で優遇されております。退職金は所得税で言うところの退職所得に区分されますがこの退職所得の計算は以下の通りです。

(退職金-退職所得控除)×1/2

※役員としての在任期間が5年以下の場合は最後の×1/2はしません

ここで退職所得控除は

①勤続年数20年以下

40万円×勤続年数

②20年超

800万円+70万円×(勤続年数-20)

と計算されます。勤続年数が30年の場合は退職所得控除は1,500万円となりますので例えば退職金3千万円の場合の退職所得は750万円となります。

まずこれだけでもすごく優遇されています。そして優遇されていることがもう一つあります。それは源泉分離課税が適用されることです。では源泉分離課税について見ていくことにしましょう。

源泉分離課税とは他の所得と分けて課税がされることを言います。所得税の計算上各種所得(給与所得・不動産所得・事業所得など)は合算されて課税されます。これを総合課税と言います。では両者ではどのように違ってくるのか。

仮に退職所得が総合課税だった場合と比較してみます(給与所得が1千万円とします)。

①源泉分離課税

退職所得の所得税 750万円×23%-636,000 = 1,089,000

給与所得の所得税 1,000万円×33%-1,536,000 = 1,764,000

合計税額 2,853,000

②総合課税

所得の合計 750+1,000 = 1,750万円

所得税 1,750万円×33%-1,536,000 = 4,239,000

これだけ税額が違います。すごいですね!

退職金がどれだけ優遇されているかお分かりいただけたでしょうか。

 

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会社にお金を貯めましょう

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中小企業では「うちは退職金なんて出るかどうかわからないよ」が現状ではないでしょうか。出るにしても大企業並みの何千万円などとは望めないものです。それは社長にしても同様ではないでしょうか。日々の資金繰りに頭がいっぱいなところにそんな大金どこにあるのよ、というのが正直なところでしょう。

以前自分の会社を売れる会社にすることは社長の大きな動機づけになるのではないかというお話をしました。会社を引き継ぐ方法は何も売却することだけではありません。親族または従業員でそれらしい人がいればそれはそれで素晴らしいことです。で、そうした場合会社はそのままで社長自身は引退ということになるかと思いますが、そこでその時退職金が出せるかどうかというお話です。

例えば2千万円くらいは退職金が欲しいな、とした場合それ相応の現預金を会社に貯めておかなければなりません。退職金には当然原資となるものが必要ですし、それで資金がショートしそうだとなれば後継者が黙っていないでしょう。だから長期間にわたり計画的にお金を会社にプールする必要があります。

会社にプールする余裕があるんだったらその分その都度給与としてもらった方がいいよ、確かにそうでしょうね。何年か先にもらえるかどうかわからないもののために置いておくよりもあるときにいただいた方がいい、となるのもよくわかります。ですからそれは価値観の違いかなと思うんですね。ただ退職金を貯めるために頑張ろうというのはもう一つの動機づけになるのではないでしょうか。老後資金として2千万円が必要だという金融庁の試算もあるくらいですから老後のためのお金はやはりまとまって入ってきた方が安心です。それにその都度いただいてしまうとその都度使ってしまう可能性もありますからね。

ただ会社にお金を貯めるということはそれなりの法人税を払うことに他なりません。赤字の会社はお金を貯めることは不可能ですから。税金を払わないと会社も個人もお金は貯まらないようにできているんですね(税務署の回し者ではありませんのであしからず)。

じゃあ2千万円貯めるのに20年かけて貯めようとなると毎年100万円貯める必要があります。つまり毎年100万円の利益を出す必要があるということになります。なお、この利益は税引き後です。現在会社の実効税率はおおよそ30%と言われていますので割り戻すとおよそ140万円ほどの税引き前の利益が必要です。

退職金でもらうメリットが実はありまして税制上の優遇があるんですね。老後の生活保障という意味合いからそのような措置がとられております。ですからそれもあって退職金をお勧めしているんです。なお、その優遇措置につきましては次回とさせていただきたいと思います。もったいぶってスミマセン。

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納特の時期ですね

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納特、と聞いてピンときた方は同業者、会計事務所経験者、会社の経理の方、そんなところでしょうか。納期限の特例を省略して納特(のうとく)、と我々の業界では称しております。

何の納期限の特例か。源泉所得税です。源泉所得税でも毎月のお給料または士業へ支払手数料・顧問料から天引きする所得税に限られますが、そういったものは原則的な納付期限は毎月1か月分をまとめて翌月10日までとなっているところ、半年分をまとめて納めてもらってもいいですよというのがこの特例です。1~6月分を7月10日まで、7~12月分を翌年1月20日に納めるようなサイクルになっています。

ということで今年の上半期の分が7月10日に迫っておりまして会計事務所でもお客様へ税額をお知らせするという事務作業がこの時期立て込んでいるというわけです。

この特例の適用要件は給与の支給者が常時10人未満の事業者(法人・個人事業者という意味です)に限られます。小規模な事業者の納税事務の負担の軽減という趣旨でこの制度が設けられました。

しかしながら社長以下従業員が高給取りの場合は天引きすべき所得税の額も大きくなります。それが半年分をまとめて納めるということですから金額的に相当大きくなる場合があるんですね。200万円、300万円などというケースも決して珍しくはありません。

源泉所得税というのは会社が役社員から天引きし、つまり預かったものをそのまま支払うだけですので決して会社が負担しているものではありません。しかしながら支払うときには少なからず痛税感を持つのも事実です。本来でしたら預かったものをそのまま例えば金庫などへ保管しておけばいいのですがそれが知らず知らずと運転資金にまわっている可能性があります。そうするとあたかも会社が負担しているべく感覚に陥ってしまいます。それを防ぐにはやはり金庫に保管しておく、別口座で管理しておくなどの方法を普段からとっておくことが重要となりますね。

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