代償分割できますよ

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

代償分割、みなさんはお聞きになったことがあるでしょうか。相続があった場合の財産分割の一つの方法です。

被相続人(亡くなった方)の生前の財産が例えばご自宅など分割にあまり向かないまたはできれば分割したくないもののみだったケースで、相続人が複数存在している場合には相続財産が実質一つしかありませんのでそうなると遺産分割協議が決裂する可能性が高くなってしまいます。こんな時に使える手法が代償分割です。

先ほどのケースでは自宅をある相続人の一人(A)が取得したとします。その他に相続人が二人いた場合、その二人の相続人は何も財産をもらえないわけですから不公平だと主張するでしょう。自宅をもらった人に何とかしてよ、というと思います。このときにAは、わかった何とかするよと自宅の価値に相当する金額の1/3ずつをお金で他の二人に渡しました。これが代償分割です。

ではこの代償分割の課税関係はどうなるのでしょうか。相続税の計算においては結果的に一つの財産を三人で分割した時と同じです。ただし遺産分割協議書に代償分割をする旨を明記する、渡すお金は相続人本人の財産を原資とする、など気を付けておかなければならない点がありますので注意が必要です。

遺産分割協議書に代償分割する旨の記載がない場合どうなるでしょうか。Aから他の相続人にお金を渡した行為が贈与とされる可能性があります。当事者は代償分割のために渡したものだと主張してもそれを客観的に証明できなければ贈与があったと課税当局に認定されかねません。贈与と認定されてしまうとそうではないときに比べて余計な贈与税を支払うことになってしまいます。ですからそうした事態は避けなければなりません。その時に有力な証拠となるものが遺産分割協議書への記載です。

代償分割にはもう一つ論点があります。先ほどはA本人のお金を渡す、としましたがこれがA本人所有の不動産だった場合はどうでしょうか。Aにそれほど貯蓄がなくめぼしい財産として不動産のみの場合です。その場合の課税関係はこうです。Aが所有している不動産を処分してそのお金を他の相続人に渡したと擬制します。そうするとその不動産に譲渡益が発生した場合はそこに譲渡所得税が課税されることとなります。他にもその不動産を取得した相続人には不動産取得税が課されますのでご注意を。

このように不動産が動くときは必ず何かしらの税金を考える必要があることをみなさんお知りおきください。以上、今回は代償分割のお話でした。

東京都文京区の税理士です

投稿者: you-furumi

東京都文京区で税理士をしております。お客様に本業に専念していただけるようサポートをすることを使命と考えております。

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