みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
今回は仕入がある業種の資金繰りのお話です。
通常物を売るときはまずそのものを仕入れる→それを売るという流れになります。仕入が先行しますよね。仕入が先行するということは資金繰りで考えるとまずお金が先行して出ていくということです。ですからその仕入れたものが売れて代金が入ってくるまでの間資金がショートしないように心掛けなければなりません。
掛で売り買いをしている場合、仕入も売上も例えば末日締め翌月20日支払だとすると前月末に仕入れた商品を当月に売り上げたとすると当月20日から翌月20まで入金がないわけですからその間の運転資金を賄えるほどの資金的余裕を常に持ってないといけないことになります。ただしすでに走り出しているお店であれば当月20日に前月分の売上代金から仕入代金を差し引いた分の余裕が生まれますのでそれを考慮して資金需要を見極める必要があります。
さて、ここからはタイトルにありますように資金繰りが楽になった、それって手放しで喜んでいいのというお話です。一般的には資金繰りが楽になることは喜ばしいことですが、そうとは言えないケースがあることをみなさんお知りおきください。理由としては支払期間と回収期間が異なることが挙げられます。急激に売り上げが減少した場合(売上も仕入も急激に減少します)に例えば支払期間が月末締め翌月払い、回収期間が月末締め翌々月払いだとすると先に落ち込んだ仕入の支払い期が到来し一方売上は落ち込む前のものが入金されますのでそこでいったん資金繰りが良くなります。しかしながらその後は売上が減ったわけですから資金繰りは悪くなるはずですね。
月次の利益と資金繰り表は表裏一体です。このように資金繰りだけを見ているとその後の危機に気が付かない可能性がありますので常に両方を注意深く見ておく必要があるのです。