配偶者居住権が創設されます

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改正民法がこの4月1日から施行されます。

税務にも様々な影響を与える大改正です。

その中で今回は新たに創設された配偶者居住権について簡単に触れていきたいと思います。

配偶者居住権とは被相続人(亡くなった方です)の所有していた自宅にその配偶者が住んでいた場合に、その後もその自宅に住むことを保証する権利のことを言います。

被相続人の財産が現預金と自宅のみだった場合に仮に現預金を配偶者に、自宅を子供に相続したとします。

自宅の所有権が子供に移っても通常であれば配偶者は引き続きその自宅に住むことができると思いますが、しかしながら親子間の関係がその後こじれ子供が追い出してしまうなどということが無きにしもありません。

追い出された配偶者は生活に困窮してしまいますね。

そこで新たに配偶者居住権を創設しました。

自宅を所有権と居住権に分けて別財産とすることにより所有権は子供、居住権は配偶者に、という財産の分け方ができるようになったのです。

このことにより配偶者は引き続き自宅に住むことを保証され、一方子供は所有権を得ることができますので双方にとって良い制度ですね、となります。

となるのですが、みなさんも今のお話を伺って何か違和感を覚えたのではないでしょうか。

そもそも配偶者居住権などというものを創設しなければならないこと自体問題があるのではないか。子供が親の終の住処を保障するなどということは法律で規定しなくても当たり前のことではないか、と。

ですからそうならないよう子供と関係性を築き上げていく。そのことが重要なことだと思います。

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節税目的の不動産経営は、、、

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節税対策に不動産投資はお勧めできない、当ブログで何度か申し上げてきました。

先日、やはりとその思いを強くしたことがありました。

とある駅前(23区内です)に住居を構えた方がご自宅が古くなったことにより建て替えを検討してらっしゃいました。

駅前という好立地から業者から10階建てのビルにして最上階に住み下層階は賃貸としたらどうかと提案されたそうです。駅前の土地だから相続が起きたときに納税額が大変になります。所有物件を賃貸にすれば相続税の節税にもなりますしその方はその提案に従いビルを建てたそうです。

最初のうちは賃貸経営もうまくいっていたそうですが、5年、10年と経過するうちにビルは劣化しますので様々な予定外の修繕費がかかります。

しかも10階建ともなると大規模な修繕費用は何億円にもなります。

年が経つほど家賃は値下げをせざるを得ないのに経費は増える一方です。

と、お困りの方のお話を伺うことがありました。

節税対策だけで賃貸経営を始められた方の苦労話は何度となく拝見してきました。

もちろん賃貸経営を鼻から否定するつもりは毛頭ありません。きちんとした戦略を練って経営をされている方で成功を収めている方もたくさんいらっしゃいますので。

賃貸経営といえど当たり前ですが経営です。経営には戦略が必要ですからその覚悟を持って業務を遂行しなければなりません。

ですから節税目的だけで始めるのは大変危険なことだと思います。

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生前贈与加算が適用されない場合

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贈与税は相続税の補完税と言われます。贈与税は相続税の何を補完しているのでしょうか。

相続税の構造的な問題を補完しています。

構造的な問題とは何か。

相続税は被相続人(亡くなった方です)の死亡時の財産に対して課税されます。死亡時の財産が0であれば当然相続税も0です。

そうすると、人によっては相続税を回避するためにじゃあ生前に家族などに財産を移転してしまえばいいんじゃないのか、そう考えます。

これでは相続税という税目が有名無実となってしまいますね。

それを阻止するために生前の財産移転について贈与税という税を創設し、相続税の実効性を担保しようとしました。

ですから贈与税の税率を高率にし、生前の財産移転を抑制しようとしているのです。

その贈与税ですが相続税の補完税ですからいずれは生前に財産移転された贈与財産は全額相続財産に加算されて相続税の課税を受けるのが本来の姿です(もちろん加算された財産に係る贈与税は算出された相続税から控除されることとなります)。

しかしながらそれは課税技術上困難ですので(何十年も前に贈与された財産まで相続財産としての計上を求めること自体、ほぼ不可能であることから)相続開始前3年以内に移転された財産に限って相続財産に加算しなさいと規定されることとなったのです。なぜ3年かについては議論の余地があると思われますが。

このようにして生前贈与加算の規定は設けられていますが、実はこの規定が適用されないケースがあります。

相続税法19条1項は生前贈与加算を規定した条文ですがその出だし適用対象者を
「相続又は遺贈により財産を取得した者が・・・」
と限定しています。

このことから相続に際し財産を取得していない者についてはこの規定の適用はないということになります。

ということで3年以内の贈与はすべて加算されるわけではないことを今回お話いたしました。

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親から子への財産移転について考察します

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贈与税負担を恐れず高額な贈与を行うことで相続税対策が図れる可能性があることは以前お話しました(こちらの「高額な贈与もありです」をご参照ください)。

今回は税負担の多寡とは違った観点から贈与税負担を恐れない相続税対策について考察されたある方の記事についてご紹介をしてまいります。

その記事とはTSPコンサルティング株式会社代表の佐藤毅史氏の記事でして、氏によりますとある程度の贈与税というコストを支払っても素早い財産移転を行うことのメリットがあるとの内容でした。

例えば1千万円の親から子への財産の移転を考えていたとします。財産の移転方法は一般的には贈与という手段が用いられますのでこの場合も贈与を行うこととします。

①贈与税のかからない範囲内つまり年間110万円以下の贈与を10年間続ける

②毎年贈与税を20万円負担しても毎年310万円の贈与を4年間行い、1千万円の財産の移転を完了する

どちらが賢い方法かということですが、この場合何をもって賢いとするかで結論は変わってくるでしょう。

贈与税を1円も負担せずに1千万円の財産移転ができる①の方法が賢いといえる、という方もいらっしゃるでしょうし、いやいやできるだけ早い財産移転を完了できる手段を選択すべきだ、という方もいらっしゃるでしょう。

記事では財産移転の素早さを主な理由に②の方法が推奨されていたようですが、もう一つメリットがあります。それは生前贈与加算のリスクを回避するということです。

生前贈与加算とは相続開始前3年以内の被相続人(亡くなった方です)からの贈与は相続財産に加えなさいという制度です。

せっかく相続税対策として生前贈与を行ってもこの適用を受けることにより対策の効果が相殺されてしまうことがありますので素早い移転によりそのリスクを減らすことができるというわけです。

税理士はとかく税負担を中心にして考えがちですが、違う視点も必要なのだなと今回あらためて思った次第です。

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孫養子と相続税

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今回は孫養子の相続税における論点についてお話をしていきます。

孫養子とは実の孫で養子となった者を言います。続柄が2つ存在することとなります。本人から見ると孫であり子であるといった具合ですね。

相続税法では一親等の血族(子、親)及び配偶者以外の者の相続税額についてはその額の20%を加算した金額をもって納付すべき相続税額とすると定められております(18条1項)。よく2割加算と言われております。

そうすると孫養子は子供でもありますからこの2割加算の対象外でしょ、と思われるかもしれませんがそうではありません。

同じく18条の第2項では直系卑属(孫、曾孫など)が養子となっている場合には対象とするとの規定がされているのです。

それはそうですよね。単なる孫の場合は2割加算です。これは相続を1回飛ばしているからと言われています。が、孫養子にしたとたん対象外では公平が保てませんからね。

まあ2割加算しても相続を1回飛ばす価値がある場合もありますからケースによっては孫に財産を相続させるのもありはありだと思います。特に相続税がかからない場合には検討の価値ありです。

ということで今回は孫養子と相続税についてのお話でした。

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相続税対策した結果

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相続税対策をやりすぎた結果どうなったかというお話です。

相続税対策は人の数だけパターンがあります。それだけ一筋縄ではいかないものです。

置かれた環境、生い立ち、収入、人生哲学等々が複雑に絡み合うのでまさにその組み合わせは無限にあるといっていいでしょう。

依頼者の意向に沿った形を作り出すのが税理士の仕事の一つでもありますが必要以上に複雑にしてしまうとどうなるでしょうか。

ご本人が十分ご理解いただけないまま事が進む可能性があります。そうなるとそれが良かったかどうか検証するすべが失われてしまう危険がありますね。

また、複雑にしてしまうといざ相続が起きた時に想像以上のコストがかかってしまいかねません。

具体的にはまさに税理士報酬です。税理士報酬は昔は税理士会において定められた規定に則って決められておりました。しかしながらその規定は随分前に廃止され今は自由化されております。

そこで相続税の申告手数料も税理士の側で自由に設定することができるのですが次のように定めている税理士が多いようです。

①基本料金
②追加料金として
(1)相続人が一人増えるごとに ***円
(2)土地の評価 一件     ***円(複雑なものは別途相談)
(3)非上場株式の評価 一件  ***円(同上)
などなど

本来金銭的負担を抑えるための節税対策がその効果を上回るほどの税理士報酬を負担する結果になりかねません。

ですからそのあたりも総合的に判断されたうえで対策を練る必要がありますね。

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
英、仏、独はそれぞれイギリス、フランス、ドイツの略称です。ではアメリカは亜?いえいえ米ですね。うーん不思議です。まあ多分亜だとアジアの亜と被るからなのかなと思いますが、、、
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今週もご覧いただきまして誠にありがとうございました

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二次相続まで考える?

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二次相続、みなさんはこの言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。二次、つまり二回目に起こる相続を言いますが通常は一次相続の被相続人(亡くなった方です)の配偶者を被相続人とする相続を指します。

この二次相続がなぜ話題になるかと言いますと一次相続における財産の分け方でその二次相続での税負担が変わってきてしまうからです。一次相続での財産の分け方が二次相続の相続税に影響を与えるんですね。

被相続人の配偶者には「配偶者の税額軽減」に代表されるようにさまざまな相続税法上の優遇規定があります。例えばこの配偶者の税額軽減によれば配偶者の財産取得額が1億6千万円まで相続税がかからない、かつ、1億6千万円を超えても法定相続分(相続人が配偶者と子供の場合は1/2です)まではやはり相続税がかからないそんな規定です。これは被相続人の財産形成に配偶者が寄与するところが非常に大きく夫婦は一体であるという考え方を基につくられた規定なのです。

ですから一次相続だけを考えればこの配偶者の税額軽減の枠を目いっぱい使って税負担をできるだけ少なくすればよい、となるのですがそれをしてしまうと将来起こるであろう二次相続の時の税負担が重くなってしまうという結果になります。

詳細はここでは省きますが何時の相続においても被相続人の財産は下の世代に流した方が税負担は軽くなるのが一般的です(二次相続で税額軽減が使えないのが主な理由です)。ですから一次相続の段階からある程度子供の代に財産を相続させた方が一次・二次相続全体の税負担が結果的に少なくなるという理屈です。

とはいえそれは二次相続が一般的に考えられる期間で起きる場合です(5~15年くらいでしょうか)。比較的近い将来のためある程度様々な状況の予測がしやすいケースと言えるでしょう。これが30年後くらいかなという場合は必ずしもそれが当てはまりません。30年も経てば状況が様々に変わりますので全く予測が不可能です。ということは二次相続を考えた財産の分け方を一次相続で実行してもあまり意味がありません。このような場合は一次相続での税負担を最小限に抑えるべきと言えましょう。すなわち配偶者の税額軽減を目いっぱい使うべきです。

そして配偶者が取得した財産はその配偶者ができれば使い切ってしまう(好きなことをして、好きな人のために等々)のが理想的な二次相続対策ではないでしょうか。

~今日のひとこと~

赤トンボというトンボはいません。よく言う赤トンボは通常アキアカネのことです。

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財産を遺さないという考え方もあるのではないでしょうか

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相続対策、相続税対策。いろんな情報が巷に溢れています。そんな中私が考える究極の対策は財産を遺さないことです。極端なことを申し上げると生きているうちに財産を使い切ってください。

とは言え、それは本当に極端すぎます。人はいつ亡くなるか分かりませんから亡くなる前に使い切ってしまうなどということがあると大変です。ですから相続税がかからない範囲内のお金を残しておくというのも有効な手段ではないでしょうか。

ここで相続税がかからない範囲内について見ていくことにします。相続税は生前財産の合計が基礎控除を超えた場合その超えた部分に対しかかります。ということは財産の合計が基礎控除以下であれば相続税がかからないということになりますね。この基礎控除ですが被相続人(亡くなった方)ごとに次の算式により決まります。

基礎控除 = 3千万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数についてはこちらで既にお話したことがありますが通常は相続人の数です(相続の放棄があった場合、相続人の養子がいる場合に相続人の数と異なることがあります)。被相続人に奥様とお子さんがお二人いらっしゃる場合(相続の放棄がなく、お子さんは実子とします)には法定相続人の数は3人ですからこの場合の基礎控除は

3千万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円

ですね。ご自宅の相続税評価額が3千万円だとして他に財産が現預金のみだとすると1,800万円までは手元に置いておいても相続税がかからない計算になります。

なお、実際にはご自宅については小規模宅地等の特例を受けられれば土地部分のみですが最大で評価額が80%軽減されますので例えば土地分の評価額が2千万円とすると最大で1,600万円が軽減されることになります。そうしますと

土地(400万円)+建物(1,000万円)=1,400万円

ですので

4,800万円 - 1,400万円 = 3,400万円

これだけ預貯金を手元に置いていても相続税がかからない計算になります。ただし小規模宅地等の特例の適用を受けるには相続税の申告が必要となりますのでご注意を。

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相続対策とは

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平成27年以降相続税の計算における基礎控除が引き下げられてからというもの相続税について考える機会が増えました。それまでうちは大丈夫だろうと思っていた方も改正により「ひょっとして」ということで相続税について色々と調べ始めたなどという方も多いのではないでしょうか。何せ今回の改正のインパクトは以上に大きいものでした。相続人が3人の場合、改正前は8,000万円認められていた基礎控除が改正後は4,800万円まで引き下げられましたことからもその影響の大きさがわかります。ちなみにご承知かとは思いますが基礎控除とは課税最低限のことです。つまり被相続人(亡くなった方)の生前の財産の合計額が基礎控除以下であれば相続税がかかりませんよ、ということですね。

相続税について調べていくうちに色々わからないことが出てくると思います。仕組みがとにかく複雑ですから。これは相続税に限らずすべての税金について言えることですが不正との戦いの末にこれほどまでに複雑になってしまったのです。法の穴を埋めようとすると仕組みがどんどん複雑化してしまいます。そうするといつの間にか専門家以外には理解しがたいものとなってしまいました。

ですから私はこの場を借りて税理士の使命としてそのわかりにくい相続税の仕組みをなるべく平易な言葉を用いてわかりやすくご説明をしようと心がけております。

巷には相続税対策としてさまざまな記事があふれています。その中には正しいもの、必ずしもそうではないもの、などなど。私もこちらで相続および相続税についての記事を書いていくつもりですが一つみなさんに知っておいていただきたいことがあります。それは相続税対策=相続対策、では必ずしもないということです。相続税対策とはいかに納める相続税を安くするかを主眼に置いたものです。こちらは税金を安くすることだけを考えればよいので比較的対策がしやすいです。一方相続対策は人により定義が異なるところです。それこそ相続対策=相続税対策ということでとにかく税金が安くなれば良いという方もいらっしゃるでしょうし、いやいや相続=争族にならないようするのが相続対策だよという方もいらっしゃるでしょう。このように一筋縄ではいかないとても難しいものです。

昔からよくある相続税対策の一つにアパート経営があります。所有地にアパートを建てる、そうするとまず土地の評価が約20%減額になります(東京都の場合です)し建物の評価は30%減額になります(これも東京都の場合です)。これだけでも相続税を安くする効果がありますがさらに一定の要件を満たせば小規模宅地等の減額が適用でき土地の面積のうち200㎡までが50%減額されます。となると土地の評価が結果として当初の40%にまで下げることができるのです。税金が安くなってとても素晴らしいアイデアですね、と言いたいところですが必ずしもそうではありません。アパートの賃貸経営のリスクを全く考えていないからです。アパートを経営されている納税者の方から愚痴を聞くことがよくあります。そもそもの入居者の募集から始まり家賃の滞納、騒音・ゴミ捨てなどのトラブル等々、いやぁアパート経営なんてやるもんじゃないよとこぼしてらっしゃったことをよく覚えております。

被相続人の思いを尊重し遺された親族が幸せに暮らせるように、これが私の考える相続対策です。ですから先ほどのようなアパート経営などは相続税対策であって相続対策ではありません。残された方がいかに幸せに穏やかに暮らせるか、そのような立場で今後も相続に関する記事を書きたいと思っております。

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相続でもめないように

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相続でもめるのはつまり何がもめるのかと申しますと財産の分け方です。遺言書があっても何かしらの不備があった、遺言書がそもそもなく財産の分割方法で争いになった等々ですね。

遺言書がない場合は相続人間で協議し分割方法を決定するという流れになります。その方法は全相続人が賛成すればどのようなものでも構いません。相続人が5人いてそのうちの3人にのみ財産を与える、などというものでも合意があれば問題ありません。

ところで法定相続分という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。法定相続分とは法律で定められている相続人の取り分のことで、例えば相続人が妻と子供二人だった場合は、妻は1/2、子供はそれぞれ1/4ずつです。遺言書がない場合は原則として法定相続分通りに財産を分割します。ただし実際の分割はこの法定相続分通りに行う必要は必ずしもありません。さきほどのように偏った分割方法も可能です。合意さえあればです。

相続でもめないようにするにはどうすればよいでしょうか。遺族のために遺言書を作成するというのがもっとも有効な手段でしょう。その遺言書はもちろん本人以外のだれにもその内容を知られることなく作成することが可能ですが、そうすると必ずしも書いた側の意図がうまく伝わらない場合があります。思いを文章にしようとすると書いた本人はもちろんその文章の意図するところはわかりますがそれを読んだ本人以外はその意図を100%くみ取れない場合がありますよね。

ですから生前に書いた遺言書の内容を関係者に説明するというのが良いのではないかと思います。相続人一人ひとりにご自分の思い、これまでのことに対する感謝などを伝えるいいきっかけになるのではないでしょうか。遺言書の作成者ご本人の説明ですのでこれ以上説得力を持つものはありません。それで相続人のみなさんに納得していただけたらもう安心してその後の人生を歩むことができると思います。いかがでしょうか。

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