はじめて課税事業者になった時の心構え

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今週もよろしくお願いいたします。

特に個人事業主の方で初めて消費税の課税事業者となった時の心構えについてお話ししていこうと思います。

個人事業主で年間の売上が1千万円を超えるというのは実はそうそうないことです。

卸売、小売業は仕入がありますのでかなりの売上を確保しないと目標とする利益を得ることは難しいです。そのため通常は売上が他業種に比べ大きくなり、課税事業者となっている方も多いことでしょう。

ちなみに消費税の課税事業者とはすなわちお客さんから預かった消費税を納付する義務が生じている事業者を指します。通常2年前の売上が1千万円を超えるとその年から(つまり超えた年の2年後ですね)課税事業者に該当することとなります。

一方サービス業など一般的に仕入がない業種については売上がそれほど大きくなくても一定の(例えば生活できるレベル)利益は確保できますから売上が1千万円を超えることはわりとハードルが高くなります。

そしてめでたくそのハードルを超えると待っているのが消費税の納税です、、、

所得税は利益の中から納付する税金ですので納税資金がある程度貯まっていることが通常です。

ところが消費税は赤字の事業者でも容赦なく納税の義務が求められますのでその納税資金が貯まっていないことが往々にしてあります。

特にはじめて課税事業者となった方についてはその納税資金にまで頭が回らずにいざ税額を計算したときに「どうしよう、、、」となり兼ねません。

そこで前もってある程度の資金的な準備をしておくと慌てずに済みます。

その準備の仕方ですが簡単な例をあげてご説明をしてまいります(サービス業の方が前提ですのでご了承ください)。

①まずはじめて課税事業者となる年の前年末までに簡易課税制度選択届出書を所轄の税務署に提出をします(もちろん提出をしない方がよい場合もありますのでご注意ください)。

②前年の売上の5%を算出する

③その算出した金額を12で割る

ざっくりですがその金額が1ヶ月あたりの貯めておくべき消費税の納税資金です。

これができればいざ納税をするという際にも慌てなくて済みます。

何事も早めの備えが大切ですよ。

東京都文京区の税理士です

それ、値引きしてますよ

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

消費税の増税後もお客様に増税前と同額の税込金額を請求していないでしょうか。

昨年10月1日以降、消費税の税率が8%から10%へと変更されました(厳密にはそれぞれ8%、10%ではありませんが便宜上そう表現することにします。詳しくは過去の記事をご覧ください)。

受け取るべき対価(消費税の世界では本体価格と言います)が1万円の場合、増税前は税込金額を10,800円、増税後は11,000円としてお客様に請求すべきです。

なぜなら消費税の部分は手元には残らず、国に納めるべきものだからです。税込金額11,000円のうちの手取りは1万円であって残りの1千円はお客様から預かっているにすぎず、それを国に納めるという仕組みを消費税はとっています。

例えば増税前からお客様に11,880円の税込金額を請求していたとします。

増税前の手取りは
11,880円 / 1.08 = 11,000円

一方、増税後の手取りは
11,880円 / 1.1 = 10,800円

です。

ということは知らない間に200円値引いていたことになりますね。

難しいのは税込金額をきりの良い数字にしている場合です。

今まで税込1万5千円で価格を設定していた場合、増税後も手取りを同じにするには15,277円にしなければなりません。

仕組みはこうです。

増税前の手取り
15,000円 / 1.08 ≒ 13,888 円

増税後の手取りを同じくするには
13,888円 × 1.1 ≒ 15,277円

でもいままで1万5千円だったものを15,277円にはなかなかしずらいのが実際ではないでしょうか。

ですから最初から本体価格を設定するようにして、「消費税は別途いただきます」と謳っていただいた方が増税に対応ができますので可能であればそうしていただいた方が良いですね。

 

東京都文京区の税理士です

 

個人の消費税について

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

個人事業主の方で不動産賃貸業も営んでいる方についてのお話です。

消費税の納税義務は2年前の売上(厳密には課税売上高)が1千万円超の場合に生じます。

ここで2年前の売上とは事業ごとの売上ではないところに注意が必要です。

事業売上と不動産賃貸収入を合計してその中から課税売上を抽出しその金額が1千万円超であるかどうかで判断することとなっています。

所有物件を事務所として他人に賃貸している場合には特に注意が必要ですね。

事業売上が900万円、賃貸収入が200万円の場合には賃貸収入の全額が課税売上となりますので1,100万円の課税売上となり2年後には納税義務が生じることになります。

そしていざ納税義務者となった場合には消費税の計算は非常に厄介なものとなります。例を挙げて見ていくこととします。

事業売上が900万円、賃貸収入のうち課税売上(主に事務所、店舗として賃貸)が200万円、非課税売上(住居として賃貸)が500万円としますと課税売上割合が
(900+200)/(900+200+500) = 68.75%

となります。課税売上割合が95%未満の場合には課税仕入れ(支払った経費のうち課税取引によるもの)を3種類に分けなければなりません(詳細につきましてはここでは触れないこととします)。

①課税売上にのみ要する課税仕入れ
②非課税売上にのみ要する課税仕入れ
③共通して要する課税仕入れ

の3つです。

①は例えば仕入です。
②は例えば賃貸アパートの修理代です。
③は例えばご自分の事務所の光熱費です。

もちろん経費はこれだけではありません。そして中には判断に迷うものも少なくありません。

消費税の厄介なところはすべての取引についての判断のうち一つでも間違えてしまうと税額に影響が及ぶところです。

ですので該当する方は十分な注意が必要であることをお知りおきください。

東京都文京区の税理士です

 

 

在庫の消費税の取り扱い

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今回は会計事務所の職員も必ず一度はつまずく論点を見ていくことにいたします。

在庫を仕入に振り替えるときにはその仕入についてはその振替をしたときに仕入税額控除を受けるのでしょうか。

少し回りくどい表現の仕方になりましたが、実際の現場では

(借方)期首棚卸高 *** (貸方)商品 ***

とした時の借方の費用項目は消費税の課税取引として会計ソフトの入力を行うか、ということです。

答えは課税対象外取引として入力してください、となります。

消費税の考え方として物品の引き渡しを受けた時、サービスの提供を受けた時に仕入税額控除をしなさいというものがあります。ここが法人税の考え方と違うところです。法人税は会計に関する大原則を基に利益を確定させ、法人税の計算をしてくださいと定められておりますので、在庫は経費となりませんが、消費税の世界では在庫であっても物品の引き渡しは既に受けていますので仕入をした時点で仕入税額控除をしてくださいねとなるんですね。

結果として会計処理をするときには仕入時に

(借方)仕入 *** (貸方)現預金 ***

このような仕訳を切る際に消費税の課税取引として、仕入税額控除を受けてよいんです。

この消費税と法人税の考え方の違いがなかなか理解できずに苦しむところではないのでしょうか。

しかしながらそこで悩むということは自分で理解をしようと試みていることに他なりませんのでむしろ望ましい状態と言っていいのかなとも思います。そのように悩んだ挙句に理解したほうが知識として定着しますしそうなったら怖いものなしですからね。

遠回りのようで実は近道だったということになると思います。

 

東京都文京区の税理士です

 

通過勘定と消費税

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通過勘定と消費税、今回はそんなテーマでお話をしていきます。

まず通過勘定とは預り金、預け金などの当事者を字のごとく通過していくだけのものを言います。

例)
仲介業者である当社は買主A社より購入代金を預かりそれを売主B社へ引き渡した

この取引を簿記で表すと
①(借方)現預金 ***  (貸方)預り金 ***
②(借方)預り金 ***  (貸方)現預金 ***

となりますので取引の前後で少なくとも財務上まったく変化がないことがわかります。

しかしながら次のような会計処理も認められております。

①(借方)現預金***   (貸方)売上  ***
②(借方)仕入 ***   (貸方)現預金 ***

同様に取引の前後で財務上まったく変化がありません。ところが場合によっては会社に不利益が生ずることがあります。

消費税については以前お話したことがありますが、小規模事業者については納税の義務を免除するという制度が採用されております。その小規模かどうかの判定に使用する指標の一つが基準期間(通常は2年前)における課税売上割合です。課税売上割合とは消費税の課税対象となる売上のことを言います。

そうしますと上記2つの方法を比較するとどちらが不利になる可能性があるかは明らかですね。

そうです。2番目の方法です。この方法をとることにより本来納めなくてよい消費税を納めなければならなくなる可能性が出てきます。それは会社にとって不利なことです。

ということでいわゆる通過勘定は損益項目を使用しないことが肝要となりますのでお知りおきください。

東京都文京区の税理士です

今年中にこれだけはしておいてくださいね

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

本日は昨日2020年度の税制改正大綱が発表された、そして税理士試験の合格発表があった、などの税理士業界を取り巻く大きなトピックがあるのですがこれらは追々触れさせていただくことにして、年末ということで個人事業主の方は決算日が近づいていますので12月31日までにしておきたいことについて見ていきたいと思います。

①棚卸
仕入がある業種の方は必須です。棚卸とは仕入はしたがまだ販売されていない商品・製品を言います。税法においては利益を計算する上で会計の大原則としての費用収益対応の原則を採用しております。この原則は平たく言いますと売り上げに貢献したもののみ経費計上していいですよというものですからまだ販売されていないつまり売上がたっていない商品の仕入額を経費計上してはいけませんよ、ということになります。
まだ販売されていない、とはいつの時点か、当然ながら決算日です。そこで決算日における在庫の棚卸を行いその貨幣価値を算出し、期中で経費計上していた場合にはその経費から除外しなければなりません。
仕入があるのにこの在庫の計上がない場合には税務調査においては必ず指摘される事項となりますから、是非棚卸は行ってください。もちろん期中に売り切ってしまうケースもあるでしょうが大多数の業種は在庫を抱えたまま決算日を終えるはずですので。

②消費税の試算
基準期間(たいていの場合2年前です)の課税売上高が5千万円以下の場合、消費税の簡易課税制度が選択可能となります。簡易課税制度ということで表向きは小規模事業者の事務負担軽減のための制度ということになっていますが、実際には節税のための制度となっています。
というのは簡易課税制度とそうではない場合(本則課税)とでは計算される消費税の納付税額に違いが出ることがほとんどでして、適用を受けることができる場合には2つの方式の計算結果を比較検討し、有利な方(税額が少ない方)を採用するというタックスプランニングが可能だからですね。
ところがこの制度の適用を受けたい場合には受けようとする年度の初日の前日、つまり前期末までに簡易課税制度選択届出書を提出することが絶対要件となっていますので、例えば確定申告時期に消費税の計算を行いその結果簡易課税の方が有利だから今期から適用を受ける、では間に合わないんですね。
ですから年末のこの時期において例えば11月までの状況により消費税を試算し、適用を受ける受けないの判断をしなければなりません。とてもシビアなんです、、、

他にも個別の事情により様々なしなければならないことはあるでしょうが、特にこの2つは後戻りができない最重要事項ですので該当する方は漏れの内容にお願いします。

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NFLは第14週が終わりました。2敗はAFC北のレイブンスとNFC西の49ersの2チームです。とここまできて注目すべき地区があります。NFC東地区です。何と地区首位のカウボーイズ以下全チームが負け越しています。何とふがいない!!この地区には名門チームがひしめき合っているんですが今シーズンに限ってはどうしたことでしょうか。残り3試合に奮起を期待しましょう!!
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今週もご覧いただきまして誠にありがとうございました

 

東京都文京区の税理士です

立退き料をもらった時の課税関係

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今回は立ち退き料をもらった時にどのようにして課税されるのかというお話です。

不動産の賃貸物件の借主は借地借家法などの法律によりその権利が手厚く保護されています。借りている物件が生活・事業に書くことのできない重要なものである場合がほとんどであり、その権利関係が不安定であると国民の生活に重大な影響を及ぼすからですね。

ということで今現在では貸主の都合で借主に、はい出ていってください、などということは通常は不可能です。

でも貸主にもやむにやまれぬ事情が生じどうしても店子に出ていってもらわないといけない事態が起こり得ます。

そのような場合にはそれ相応の立ち退き料を貸主側が借主へ支払うことになりますが、その借主がもらった立ち退き料は税務上どのように課税されるのでしょうか。なお、貸主が個人の場合を前提とします。

基本的には一時所得となります。しかしながら以下のものに該当した場合、その該当する部分はそれぞれに定める所得区分となります(以下は国税庁ホームページより)。

①資産の消滅の対価補償としての性格のもの
家屋の明渡しによって消滅する権利の対価の額に相当する金額
→ 譲渡所得の収入金額となります。

②収入金額又は必要経費の補填としての性格のもの
立ち退きに伴って、その家屋で行っていた事業の休業等による収入金額又は必要
経費を補填する金額
→ 事業所得等の収入金額となります。

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②はわかるとしても①はどの部分がそうなのか非常にわかりにくいです。支払う側立ち退き料として一括で支払うのが通常ですので、その中から性質に応じて所得を区分けするという作業はとても難しいのが実情です。

ですから受け取った側は支払者側にその金額の根拠を教えてもらい、どの部分が①に該当するのかを検討する必要があります。

ここが所得税の難しいところです。これらの所得区分はいずれも最終的に総合課税されますので(①の譲渡所得も土地建物のような分離課税ではなく総合課税です!)区分はどうでもいいのではないかというところですがそうではありません。

譲渡所得(総合)は特別控除が50万円ありますし、長期であれば1/2をしたものが課税所得となるからです。

一時所得についても特別控除が50万円あり、その控除後の金額の1/2が課税職となります。

このように所得区分を誤ってしまうと最終税額が間違ったものとなりかねない計算構造になっているので区分が非常に重要だということですね。

ちなみにこの立ち退き料は消費税の課税対象外取引です。

東京都文京区の税理士です

 

 

消費税の申告期限の延長が制度化されそうです

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今週もよろしくお願いいたします。

法人税には申告期限の延長制度があることをご存知でしょうか。

上場企業などでは3月決算企業の場合、多くのところで株主総会が6月下旬に行われることが通例となっております。

決算つまり会社の帳簿を閉めることができるのは株主の同意があって初めて、という考え方からするとこの株主総会をもって決算を終えることができるとも言えましょう。

と、ここで法人税の申告期限を思い出してみます。以前触れたことがありますが決算日から2か月以内です。ということは3月決算企業の場合は5月末が申告書の提出期限となります。

株主総会が6月下旬に行われるのが慣例となっている一方で法人税の申告期限は5月末、これでは多くの企業で申告期限に間に合わないことが常態化することとなります。

みなさんご存知のように税金は申告期限までに申告が間に合わない場合、一定のペナルティが科されることとなっております。

と、これでは多くの企業がペナルティを課されることになってしまいますね。

そこで救済措置として申告期限の延長という制度をもうけました。この制度の概要はこうです。申告期限は相変わらず2か月以内だけど3か月以内に申告すればペナルティは科さないよ、という仕組みです。この制度では1か月の延長が認められています。

うん、待てよ。そうすると2か月以内に申告した企業との公平が図られないのではないか、そうお考えの方も多いことでしょう。

そこでペナルティは科さないけど2か月過ぎた時点から利息を課すことにしました。

ということで結局は本税以外の負担が生じることには変わりませんが、そこで課された利息は損金(法人にとっての経費です)になるという点が違う点が重要です。ただ単に申告期限から遅れた場合のペナルティは損金に算入できませんので。

前置きが長くなりましたが、この制度、実は消費税には認められておりませんでした。なぜだか我々にもわかりません。決算が確定しない以上消費税の計算も確定しないわけだから消費税にも期限延長制度があってしかるべきでしたがありませんでした。

ですから前述の企業は5月末までに消費税の確定申告を暫定で行い(確定申告を暫定で行うというのもおかしな話ですが)、納付をしたのちに決算が確定した段階で修正申告をしたというのが実務上の取り扱いでした。

この消費税についてようやく延長制度が認められることになりそうですのでようやく本来の姿になったと言えましょう。

上場企業など一部の企業に限られたお話ですが消費税の延長制度の創設が検討されているということについて今回見てみました。

東京都文京区の税理士です

 

 

 

消費税のインボイス制度(続)

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

4年後に始まる予定である消費税のインボイス制度についてお話したのが前回です。

今回はその続編としてお話していくことにいたします。

前回のお話は主として事業者を相手にご商売をされている方を前提としております。

一方、お客さんはほぼ消費者だよという方も多くいらっしゃいます。

なお、この場合の事業者とは消費税の仕入税額控除を受けている者を言います。受けていない者を消費者と定義づけます。

仕入税額控除を受けていれば消費税は負担していない、受けていなければ消費税を負担しているということになります。

ですから消費税は最終消費者が負担しているということになるんですね。

お話を元に戻します。

例えば美容室を考えてみてください。美容室を利用している方はそのほとんどが消費者として訪れて対価を支払っていると思います。要するに事業上の経費としていないということですね(厳密には課税事業者がという限定が入ります)。

ということはお客さんにとっては負担している金額は税込の対価ということです。

ですからインボイスが導入されようがされまいが対価に変更がなければ負担額も変わらないんですね。

つまりこのような業種においてはたとえ免税事業者であっても値下げ要求は起きないことになります。

かなり途中を端折った専門的なお話になってしまって恐縮ですが、業種によってはインボイスの影響を受けないものもあるということが言いたかったのです。

免税事業者のメリットを享受し続けることができるともいえるでしょう。

ですから究極的にはやはり小規模事業者についての免税制度を無くすことが唯一の益税問題の解決策にはなるんですね。

 

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NFLは第13週が終わりました。1敗の2チームがともに敗れ2敗で5チームが並びました(AFC2チーム、NFC3チーム)。NFCで本命視されていたニューオリンズセインツがついに勝ち星でトップに躍り出てきたのは注目すべきところでしょう。NFCは49ersとセインツが優勝を争うのではないかと予想しております。
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今週もご覧いただきまして誠にありがとうございました

 

東京都文京区の税理士です

消費税のインボイス制度

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

消費税についてインボイス制度が4年後、2023年10月から導入される予定です。

正式名称は適格請求書等保存方式と言われる消費税の仕入れ税額控除の方式のことです、、、?

もう少し具体的に。

消費税の仕組みは預かった消費税から預けた消費税を引いた残りを国に納めることとなっているのはこちらで何度も申し上げてきました。

その預けた消費税を預かった消費税から引くことを仕入税額控除と言います。

その仕入税額控除、現行方式は区分記載請求書等保存方式が採用されております(今年の10月から)。それ以前は請求書等保存方式と申しまして法定事項が記載された帳簿及び領収書等の保存が仕入税額控除の適用要件でした。現在の区分記載請求書等保存方式はそれが税率ごとに区分記載されている形式のものを言います。

これらの方式とインボイス制度とが決定的に異なるのは仕入税額控除の適用を受けることができる領収書等を発行できるのが課税事業者のみだという点です。

現行制度ではそこは問うておりませんのでたとえ免税事業者が発行した領収書であっても支払者側は仕入税額控除が受けられるのでした。

免税事業者側では預かった消費税を納付しなくてよいにもかかわらず支払者側では仕入税額控除ができるので国から見ればその分だけ消費税の税収が減ることになり一方免税事業者においてはその分が益税となってしまっているという構造的な問題を抱えているのです。

この問題を解決するためインボイス制度下においては免税事業者は仕入税額控除の適用を受けることができる領収書等(「適格請求書」と言います)を発行することができませんので支払者側においては仕入税額控除ができなくなり税収の減少と免税事業者の益税問題を解決することができることになります。

免税事業者である者はインボイス制度導入後も税込対価を導入前と同額としてしまうと支払者側にとって実質的に値上げをしたこととなります。

例えば支払対価110円としますと導入前は仕入税額控除が受けられますので支払者側の負担は100円です。

一方導入後は仕入税額控除が受けられませんので支払者側の負担はまるまる110円です。

価格設定はもちろん両者の自由な意思により取り決められますが通常このような場合では支払対価を100円とせざるを得ないケースが大多数でしょう。

これは免税事業者側から見ると一律9%超の値下げです。ですからこの制度は免税事業者にとても不利な制度なんですね。

しかしながら不利と言うよりも本来の姿にようやくなるといった方が正確です。

あと4年後ですがあっという間ですので現在免税事業者の方は今から何らかの対策が必要かもしれませんね。

東京都文京区の税理士です