みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。
経済的利益について以前お話したことがあります。経済的利益について何が問題になるのかと申しますと、税務調査時などにそれが給与認定されて所得税の源泉徴収義務が生じ、過去のその時点での源泉徴収義務を会社が怠ったということですから会社には源泉税の不納付加算税のペナルティが課せられる可能性があるというところです。以前お話した時は従業員を社宅に無償で住まわせた場合を例に挙げてお話をしました。それ以外にも経済的利益と認定されるケースがありまして、実はそれだけで一冊本がかけるくらいなんです。なので専門家としても色々気を使う分野なんですね。いろんなところに罠が潜んでいるんです。
社員旅行に会社から補助を出す場合は原則として経済的利益と認定されませんが参加者が特定の人に限られるような旅行(例えば私の好きなアメフトの観戦ツアーみたいなものでしょうか)に対する会社からの補助についてはそれは限られた人にのみ与えられたものですから経済的利益と認定される、つまり給与と認定され源泉徴収の義務が生じることになります。
社員旅行などは一般的には福利厚生費として処理をします。そこに経済的利益などという話は出てきません。なぜかといいますとそもそも福利厚生とされるには全社員公平にいきわたるようなものでなければならないという考え方があるからです。これを機会均等と言います。福利厚生費として処理できるかどうか迷った場合はこの機会均等というのを判断基準にしてください。忘年会・新年会などもそうです。全員の参加は必ずしも必要ありませんが、前提は全員参加です、つまり全員が参加することを前提でアナウンスする必要があるのです。特定の気の合った社員同士だけで忘年会を行いそこに補助を出す、などという場合は機会均等ではありませんので福利厚生とはならず給与認定されます。
経済的利益については結構奥が深いテーマですので今後もこちらで随時とりあげていきます。よろしかったらご参考にください。