これをしないと税理士になれません!

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

税理士試験の合格発表から早1か月余りが経ちました。

あらためて合格された方、おめでとうございます。

他の国家資格も同様かと思いますが税理士も税理士試験に合格しただけでなることができません。

日本税理士会連合会に備えられている税理士名簿に登録されて初めて税理士と名乗ることができます。

私もそうでしたが税理士試験に合格した者はまずは通常1月のこの時期に税理士会で開かれる登録に関する説明会に参加します。

そこで登録に必要な書類を一通り確認し、登録申請書を提出しなければなりません。

そして2か月ほどの審査を経て3月に登録の運びとなる、というのが試験合格者の一般的な姿です。

ということでこの登録という手続きを踏まなければならないということで業界的に最も忙しい時期の一つであるこの時期に通常業務をこなしながら法務局などへ行って各種書類を取り寄せる必要があり、多忙を極めた記憶(今となっては良い思い出ですが)があります。

ちなみに試験合格から登録までの3か月間は税理士と名乗ることができません。名乗ってしまうと税理士法違反となりますのでお気を付けを!!

(税理士登録予定者とかならいいのではないでしょうか、、、)

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NFLはディビジョナルプレイオフが終わり各カンファレンス(NFC、AFC)チャンピオンシップに出場するチームが決まりました。NFCはサンフランシスコ49ers対グリーンベイパッカーズ、AFCはカンザスシティチーフス対テネシータイタンズです。テネシータイタンズは下馬評を覆しての進出です。こういうシンデレラチームは毎年のように現れますが本当に怖い存在ですね。AFC決勝が楽しみです。
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東京都文京区の税理士です

特殊な給与 ~食事代~

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今回は特殊な給与を見ていきます。

会社が従業員にお昼を提供している場合、または食事代としてお金を渡している場合、そこで従業員が受けた経済的な利益が給与とされる場合があります。

給与とされると何がいけないのか。

会社が福利厚生費などとして処理をし、給与扱いにしていない場合、税務調査で指摘されると源泉所得税の徴収漏れとなり、加算税の対象となるからです。ですからこの特殊な給与という概念は常に注意を要する事柄です(特殊な給与につきましては当ブログで何度か取り上げておりますのでよろしかったらそちらもご覧ください)。

給与として課税されない場合は以下の通りです(国税庁のホームページより)。
(1)役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2)次の金額が1か月当たり3,500円(税抜金額です。)以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)

この二つの要件を満たしている場合にはその支出額について給与として扱わなくてよいことになっています。

いかがでしょうか。(2)によりますと会社負担額が1回あたり180円超ですと要件を満たさないことになります。

ちなみに食事の価額とは
①弁当などを取り寄せて支給している場合には、業者に支払う金額
②社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額
※同ホームページより

です。

例えば、外部から350円のお弁当を購入し、従業員から180円徴収した場合には月20日勤務としますと会社負担分は

(350-180)×20日 = 3,400円

となり従業員は半分以上負担していますので上記(1)(2)の二つの要件とも満たし、給与として扱わなくてもよいことになります。

このように思わぬところで会社がペナルティを負担することになるケースがありますのでその取り扱いには十分ご注意ください。

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小規模企業共済の共済金の課税関係は注意が必要です

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所得税は所得つまり儲けについて課税をすることは以前お話しました。

ですから土地を売った場合には売却代金に課税されるのではなく売却代金から土地の取得費用をマイナスして儲けがあればその儲けに対して所得税が課税されます。

保険金を受け取った場合も同じです。取得した保険金全額が課税されるわけではなく保険金から掛金の累計額をマイナスして儲けがあればその儲けに対して所得税が課税されます。

と、基本的にはこの考え方でほぼ対応ができますがそうではないものも実はいくつかあります。

その一つに小規模企業共済の共済金があります。

小規模企業共済とは法人の役員・個人事業主などが自身のリタイア後の生活資金として退職金を現役時代に積み立てるというものです。

支給事由(退任・廃業など)が生じ、共済金が支給されるわけですがその共済金は基本的にはそれまでに自身が積み立てをした掛金が原資となっています。

そうすると保険金と本質的には変わらないので小規模企業共済の共済金を受給した場合はその共済金から掛金総額をマイナスして儲けがあればその儲けに対して所得税が課税されそうですが実はそうではありません。

なぜでしょうか。

小規模企業共済の掛け金は毎年の所得税の計算上全額所得控除を受けることができています。

ということは税金の計算上すでに掛け金は毎年考慮されていると考えることができます。

その上で、さらに共済金の受給時に掛け金をマイナスできるとなるといわば二重に考慮されてしまっていることになります。これではあまりにも優遇をし過ぎですので税金の計算上考慮されるのは掛金の支払時のみで、共済金の受給時は考慮されないことになっております。

小規模企業共済の共済金の課税関係はこのように勘違いが生じやすいので十分ご注意ください。

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生前贈与加算が適用されない場合

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今週もよろしくお願いいたします。

贈与税は相続税の補完税と言われます。贈与税は相続税の何を補完しているのでしょうか。

相続税の構造的な問題を補完しています。

構造的な問題とは何か。

相続税は被相続人(亡くなった方です)の死亡時の財産に対して課税されます。死亡時の財産が0であれば当然相続税も0です。

そうすると、人によっては相続税を回避するためにじゃあ生前に家族などに財産を移転してしまえばいいんじゃないのか、そう考えます。

これでは相続税という税目が有名無実となってしまいますね。

それを阻止するために生前の財産移転について贈与税という税を創設し、相続税の実効性を担保しようとしました。

ですから贈与税の税率を高率にし、生前の財産移転を抑制しようとしているのです。

その贈与税ですが相続税の補完税ですからいずれは生前に財産移転された贈与財産は全額相続財産に加算されて相続税の課税を受けるのが本来の姿です(もちろん加算された財産に係る贈与税は算出された相続税から控除されることとなります)。

しかしながらそれは課税技術上困難ですので(何十年も前に贈与された財産まで相続財産としての計上を求めること自体、ほぼ不可能であることから)相続開始前3年以内に移転された財産に限って相続財産に加算しなさいと規定されることとなったのです。なぜ3年かについては議論の余地があると思われますが。

このようにして生前贈与加算の規定は設けられていますが、実はこの規定が適用されないケースがあります。

相続税法19条1項は生前贈与加算を規定した条文ですがその出だし適用対象者を
「相続又は遺贈により財産を取得した者が・・・」
と限定しています。

このことから相続に際し財産を取得していない者についてはこの規定の適用はないということになります。

ということで3年以内の贈与はすべて加算されるわけではないことを今回お話いたしました。

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倒産件数が一転増加に転じそうです他

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今朝の日経新聞より。

①昨年実績で企業倒産の件数が前年(2018年)を超える見通しとなり2008年のリーマンショックをピークに近年減少が続いていた倒産が増加に転じそうです。
後継者難による廃業が特に目立つそうでして、いよいよ事業承継は喫緊の課題です。

②法人設立の手続きが一元化されます
今月20日より国税・地方税・年金など5か所に分かれていた法人設立の手続きをまとめるサービスが開始するとのことです。
事業承継と並び法人の新規設立も日本経済の活性化には必要不可欠なものですからこれで少しは設立件数が増えたらよいのですが。

③士業の個人事務所の社会保険の非適用の見直し
これはむしろ遅いくらいでしょう。なぜ士業の個人事務所が優遇されていたのかよくわかりませんが、70年ぶりの見直しということで重い腰が上がったといったところでしょうか。

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NFLははやいものでプレイオフに突入しました。AFCでは本命のペイトリオッツが一回戦で敗れる波乱がありました。一発勝負の怖いところです。次週はディビジョナルプレイオフです。AFC・NFCのチャンピオンを決める戦いへの進出チームが決まる重要な一戦です。絶対に見逃せませんね!
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贈与税のそもそも話です

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

贈与税って誰が負担するの、など贈与税に関するそもそものお話です。

まず税金はある者に担税力(税金を支払う・負担する能力のことです)を見出して課税をしようとするものです。

所得税・法人税は儲けがあれば税金を払えるだろうということで儲けの帰属者に対してその儲けを課税標準(税金をかける対象となるもの)として税金をかけるし、消費税ですと物やサービスを購入するということはそれなりに税金を払えるだろう(少し乱暴な理屈のように思いますが)ということでその物やサービスの消費者に対して消費税を課税しています(実際に納付するのはその消費者に消費税を転嫁した事業者です。いわゆる間接税と言われるゆえんですね。)。

その理屈からすれば贈与税は誰が負担すべきかということが見えてくると思います。

贈与により財産を取得した者は財産を無償でもらったのだからもちろん税金を負担する能力はあるでしょ、ということで贈与税は贈与を受けた者が負担するという理屈になります。まあ財産を贈与できるのだから贈与をした方にこそ担税力があるよね、という理屈も成り立ちそうですが、、、

ここから派生する話があります。贈与税を贈与をした者が負担した場合はどうなるのか。その負担した贈与税の分だけ贈与が行われたものとしてさらにそこに贈与税が課税されることになります。

ん、そうするとさらに贈与税額が増えるから計算が収束しないのでは、勘のいい方はそうお考えかと思いますが、ちゃんと収束しますのでご安心ください。

なぜか。贈与税は暦年つまり1~12月の間の贈与額の合計額を集計しそれをもとに計算されます。そしてここが肝心なのですが申告するのは翌年2月1日~3月15日です。

令和元年中に200万円の贈与があった場合には

(200-110)×10% = 9万円

を申告期間内に納めることとなりますがそれを贈与者が負担した場合は令和2年中の贈与になりますので令和元年の贈与税には影響を及ぼしません。ということでちゃんと収束します。

それと誤解が多いのが基礎控除の考え方です。贈与税の基礎控除は年間110万円ですがこれは受取側ベースです。何人から贈与を受けようがもらった側では110万円までしか基礎控除は認められません。

贈与をした人ごとに110万円の基礎控除が認められるわけではありませんのでご注意を。

ということで今回は贈与税そもそも話でした。

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親から子への財産移転について考察します

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贈与税負担を恐れず高額な贈与を行うことで相続税対策が図れる可能性があることは以前お話しました(こちらの「高額な贈与もありです」をご参照ください)。

今回は税負担の多寡とは違った観点から贈与税負担を恐れない相続税対策について考察されたある方の記事についてご紹介をしてまいります。

その記事とはTSPコンサルティング株式会社代表の佐藤毅史氏の記事でして、氏によりますとある程度の贈与税というコストを支払っても素早い財産移転を行うことのメリットがあるとの内容でした。

例えば1千万円の親から子への財産の移転を考えていたとします。財産の移転方法は一般的には贈与という手段が用いられますのでこの場合も贈与を行うこととします。

①贈与税のかからない範囲内つまり年間110万円以下の贈与を10年間続ける

②毎年贈与税を20万円負担しても毎年310万円の贈与を4年間行い、1千万円の財産の移転を完了する

どちらが賢い方法かということですが、この場合何をもって賢いとするかで結論は変わってくるでしょう。

贈与税を1円も負担せずに1千万円の財産移転ができる①の方法が賢いといえる、という方もいらっしゃるでしょうし、いやいやできるだけ早い財産移転を完了できる手段を選択すべきだ、という方もいらっしゃるでしょう。

記事では財産移転の素早さを主な理由に②の方法が推奨されていたようですが、もう一つメリットがあります。それは生前贈与加算のリスクを回避するということです。

生前贈与加算とは相続開始前3年以内の被相続人(亡くなった方です)からの贈与は相続財産に加えなさいという制度です。

せっかく相続税対策として生前贈与を行ってもこの適用を受けることにより対策の効果が相殺されてしまうことがありますので素早い移転によりそのリスクを減らすことができるというわけです。

税理士はとかく税負担を中心にして考えがちですが、違う視点も必要なのだなと今回あらためて思った次第です。

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相続時の生命保険金の取り扱いについて

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被相続人(亡くなった方です)の死亡を保険事故として生命保険金が支給された場合についてお話をしてまいります。

通常はご遺族が受け取ることになるであろうこの生命保険金、相続財産に入るか入らないかと言えば入ります、ということになります。

うん、そうだよねで終わりそうなお話です。遺族が被相続人が亡くなったことにより保険金という財産を受け取ったのだから相続税が課税されそうだな、というのは心情的にも納得できるところではないでしょうか。

結論は相続財産に入る、ですが実は相続財産ではないんですね、、、?

相続財産とみなす、という法律上の規定となっています。みなし相続財産などと言われたりしています。

みなし財産だからと言って相続財産と同等に扱われるのだからそこは大した問題ではありません。

問題となるのは遺産分割協議の対象とならないということです。

それは受取人が指定されているからなんですね。協議するまでもないといったところです。

ですから想定外の方が受取人に指定されていて慌ててしまうなどということがたまにあったりするようです。

相続税の計算上はその保険金は受取人が受け取ったものとして取り扱われますので例えば振り込まれたのちに相続人間で等分するなどした場合には受取人からの贈与があったものとして取り扱われるので十分にご注意ください。相続税と贈与税が立て続けに課税される結果となりますので。

そのようなこともありますので保険金の受取人は十分ご検討の上決定してください。

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今年の主な税制改正ポイント

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あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

いよいよオリンピックイヤーの2020年が本格始動いたします。早いものですね。東京が開催地に決定したのが2013年ですからもう6年以上前の話ですがそれからは本当にあっという間でした。あと7ヶ月、待ち遠しい限りですね。

今年に入って所得税の割と大きな改正がスタートしました。

①基礎控除が38万円→48万円

②給与所得控除額・公的年金等控除額が10万円減

③給与所得控除の上限が220万円(適用年収1千万円)から195万円(850万円)に

①と②をひとまとめに考えると給与所得者・年金受給者の税負担は令和元年と比較して変わらずということになります。所得ベースの金額が10万円増えますが基礎控除が10万円増えることにより課税所得は差し引きで変わらないからですね。

ただし個人事業主などの事業所得、不動産オーナーなどの不動産所得を主に生活の糧としている方にとっては基礎控除が10万円増えたことにより減税となります。

そして③は高所得者を狙い撃ちした改正点です。

そもそも以前は給与所得控除は青天井だったのですがここ最近の改正で特に高所得者についてその額が減額され、令和元年においては年収1千万円超については220万円という天井が設けられておりました。それが令和2年においては年収850万円超について195万円という天井が設けられることとなりました。

平成28年においては年収1,200万円超について230万円という天井が設けられておりましたのでこのクラスの高所得者については3年の間に所得ベースで35万円もの増税が行われたことになります。

このクラスの所得税・住民税と合わせた税率は43%ほどですので

35万円×43%= 150,500円

年間約15万円ほどの増税となります。

今回のような高所得者を狙い撃ちした増税策は今後も続きそうですね。

東京都文京区の税理士です