みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
高額な資産は購入時に全額を経費として計上することができず会計上のルールである減価償却という方法に則って耐用年数に応じた期間に渡り按分して経費計上していく。
これは以前からお話をしていることです。では高額とはいくら以上のことを言うのか。
①少額の減価償却資産
取得価額(≒購入金額)が10万円未満のもの
②少額減価償却資産
青色申告法人である中小企業者等(資本金1億円以下などの要件あり)、青色申告の個人事業主については取得価額が30万円未満のもの
①についてはすべての法人、個人事業主に認められている制度です。少額不追及の考え方から取得価額が10万円未満のものについては購入した年度において全額を経費計上することができます。このその年度において全額経費計上できることを即時償却と言います。
②については青色申告の特典と言っていいものでして、法人については中小企業に適用が限られますが、即時償却できるものの範囲が広げられています。
なお、金額の判定をするときに税込の金額を用いるか税抜の金額を用いるかはその法人、個人事業主が税込経理を採用しているか税抜経理を採用しているかにより異なります。税込経理を採用しているときは税込金額、税抜の時は税抜金額です。
例えば本体価格298,000円のものを購入した時は両者で会計処理が異なりますので注意が必要です。
①税込経理 298,000×1.1 = 327,800≧300,000
・・・少額減価償却資産とならず即時償却不可
②税抜経理 298,000<300,000
・・・少額減価償却資産となり即時償却可
②については注意点がもう一つありまして、年間の取得価額の合計が300万円までです。例えば25万円のパソコンであれば12台まで即時償却できますが13台目以降は即時償却不可です。
ちなみにこの規定は租税特別措置法いわゆる時限立法ですが年末に公表された税制改正大綱の中でその延長が予定されています。