みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
今回は特殊な給与を見ていきます。
会社が従業員にお昼を提供している場合、または食事代としてお金を渡している場合、そこで従業員が受けた経済的な利益が給与とされる場合があります。
給与とされると何がいけないのか。
会社が福利厚生費などとして処理をし、給与扱いにしていない場合、税務調査で指摘されると源泉所得税の徴収漏れとなり、加算税の対象となるからです。ですからこの特殊な給与という概念は常に注意を要する事柄です(特殊な給与につきましては当ブログで何度か取り上げておりますのでよろしかったらそちらもご覧ください)。
給与として課税されない場合は以下の通りです(国税庁のホームページより)。
(1)役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2)次の金額が1か月当たり3,500円(税抜金額です。)以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
この二つの要件を満たしている場合にはその支出額について給与として扱わなくてよいことになっています。
いかがでしょうか。(2)によりますと会社負担額が1回あたり180円超ですと要件を満たさないことになります。
ちなみに食事の価額とは
①弁当などを取り寄せて支給している場合には、業者に支払う金額
②社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額
※同ホームページより
です。
例えば、外部から350円のお弁当を購入し、従業員から180円徴収した場合には月20日勤務としますと会社負担分は
(350-180)×20日 = 3,400円
となり従業員は半分以上負担していますので上記(1)(2)の二つの要件とも満たし、給与として扱わなくてもよいことになります。
このように思わぬところで会社がペナルティを負担することになるケースがありますのでその取り扱いには十分ご注意ください。