今年中にこれだけはしておいてくださいね

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

本日は昨日2020年度の税制改正大綱が発表された、そして税理士試験の合格発表があった、などの税理士業界を取り巻く大きなトピックがあるのですがこれらは追々触れさせていただくことにして、年末ということで個人事業主の方は決算日が近づいていますので12月31日までにしておきたいことについて見ていきたいと思います。

①棚卸
仕入がある業種の方は必須です。棚卸とは仕入はしたがまだ販売されていない商品・製品を言います。税法においては利益を計算する上で会計の大原則としての費用収益対応の原則を採用しております。この原則は平たく言いますと売り上げに貢献したもののみ経費計上していいですよというものですからまだ販売されていないつまり売上がたっていない商品の仕入額を経費計上してはいけませんよ、ということになります。
まだ販売されていない、とはいつの時点か、当然ながら決算日です。そこで決算日における在庫の棚卸を行いその貨幣価値を算出し、期中で経費計上していた場合にはその経費から除外しなければなりません。
仕入があるのにこの在庫の計上がない場合には税務調査においては必ず指摘される事項となりますから、是非棚卸は行ってください。もちろん期中に売り切ってしまうケースもあるでしょうが大多数の業種は在庫を抱えたまま決算日を終えるはずですので。

②消費税の試算
基準期間(たいていの場合2年前です)の課税売上高が5千万円以下の場合、消費税の簡易課税制度が選択可能となります。簡易課税制度ということで表向きは小規模事業者の事務負担軽減のための制度ということになっていますが、実際には節税のための制度となっています。
というのは簡易課税制度とそうではない場合(本則課税)とでは計算される消費税の納付税額に違いが出ることがほとんどでして、適用を受けることができる場合には2つの方式の計算結果を比較検討し、有利な方(税額が少ない方)を採用するというタックスプランニングが可能だからですね。
ところがこの制度の適用を受けたい場合には受けようとする年度の初日の前日、つまり前期末までに簡易課税制度選択届出書を提出することが絶対要件となっていますので、例えば確定申告時期に消費税の計算を行いその結果簡易課税の方が有利だから今期から適用を受ける、では間に合わないんですね。
ですから年末のこの時期において例えば11月までの状況により消費税を試算し、適用を受ける受けないの判断をしなければなりません。とてもシビアなんです、、、

他にも個別の事情により様々なしなければならないことはあるでしょうが、特にこの2つは後戻りができない最重要事項ですので該当する方は漏れの内容にお願いします。

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NFLは第14週が終わりました。2敗はAFC北のレイブンスとNFC西の49ersの2チームです。とここまできて注目すべき地区があります。NFC東地区です。何と地区首位のカウボーイズ以下全チームが負け越しています。何とふがいない!!この地区には名門チームがひしめき合っているんですが今シーズンに限ってはどうしたことでしょうか。残り3試合に奮起を期待しましょう!!
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東京都文京区の税理士です

明日は税理士試験の合格発表です

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

明日はいよいよ税理士試験の合格発表があります。

2日前くらいまでは特に気になっていなかったのですが、前日くらいから急にそわそわし始めた、自分はそんな感じでした。

税理士試験は全科目記述式です。記述式というのは自己採点があまりあてになりません。

まず、試験中は試験問題の答案作成に全神経を注いでいますので試験が終わった後自分がどの程度問題が解けたかなどということはあいまいになっていることが多いです。

専門学校が作成する模範解答と照らし合わせることになるのですがそれも確実なものとは言い切れません。

そもそも記述式試験というものは採点者の質が十分に確保されていなくてはなりませんが税理士試験においてそれが言えるかどうかは私にはわかりませんし、誰も検証したことはありません。あったとしてもそれが公表されたことは無いのです。

それでも記述式という形式がとられている以上受験生としてはそこに文句を言う前にとにかく合格答案が作成できるように努力をしなければならないことは言うまでもありません。

少し脱線してしまいましたが、要するに自分の場合は合格発表の日を自信満々で迎えられたことはついの一度のなかったのです(情けない、、、)。

ですからこの日を毎回ドキドキしながら迎えていました。

それくらい記述式試験には厳しさがあります。自信満々の方が不合格だったり、逆もしかりです。

ドキドキするのは試験の時を迎えるまでで、終わってしまえば自分の手を離れるのだからドーンと構えていればいいんだよ、とどなたかに言われたことを覚えていますがまあそれでもやっぱりドキドキはしますよね、みなさん?

 

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立退き料をもらった時の課税関係

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今回は立ち退き料をもらった時にどのようにして課税されるのかというお話です。

不動産の賃貸物件の借主は借地借家法などの法律によりその権利が手厚く保護されています。借りている物件が生活・事業に書くことのできない重要なものである場合がほとんどであり、その権利関係が不安定であると国民の生活に重大な影響を及ぼすからですね。

ということで今現在では貸主の都合で借主に、はい出ていってください、などということは通常は不可能です。

でも貸主にもやむにやまれぬ事情が生じどうしても店子に出ていってもらわないといけない事態が起こり得ます。

そのような場合にはそれ相応の立ち退き料を貸主側が借主へ支払うことになりますが、その借主がもらった立ち退き料は税務上どのように課税されるのでしょうか。なお、貸主が個人の場合を前提とします。

基本的には一時所得となります。しかしながら以下のものに該当した場合、その該当する部分はそれぞれに定める所得区分となります(以下は国税庁ホームページより)。

①資産の消滅の対価補償としての性格のもの
家屋の明渡しによって消滅する権利の対価の額に相当する金額
→ 譲渡所得の収入金額となります。

②収入金額又は必要経費の補填としての性格のもの
立ち退きに伴って、その家屋で行っていた事業の休業等による収入金額又は必要
経費を補填する金額
→ 事業所得等の収入金額となります。

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②はわかるとしても①はどの部分がそうなのか非常にわかりにくいです。支払う側立ち退き料として一括で支払うのが通常ですので、その中から性質に応じて所得を区分けするという作業はとても難しいのが実情です。

ですから受け取った側は支払者側にその金額の根拠を教えてもらい、どの部分が①に該当するのかを検討する必要があります。

ここが所得税の難しいところです。これらの所得区分はいずれも最終的に総合課税されますので(①の譲渡所得も土地建物のような分離課税ではなく総合課税です!)区分はどうでもいいのではないかというところですがそうではありません。

譲渡所得(総合)は特別控除が50万円ありますし、長期であれば1/2をしたものが課税所得となるからです。

一時所得についても特別控除が50万円あり、その控除後の金額の1/2が課税職となります。

このように所得区分を誤ってしまうと最終税額が間違ったものとなりかねない計算構造になっているので区分が非常に重要だということですね。

ちなみにこの立ち退き料は消費税の課税対象外取引です。

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扶養控除等申告書は必ず提出してください!

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年末調整もいよいよ佳境の時期に入ってまいりました。今回は年末調整のそもそも話です。

扶養控除等申告書(いわゆる年末調整の書類です)って扶養している家族がいる人だけ提出すればいいんだよね?

そんな風に思ってる方いらっしゃいませんか。

結構いらっしゃるようです。実際年末調整の作業をしていて保険料控除(生命保険、地震保険などの保険料を書く書類です)の提出はあるのに扶養控除等申告書の提出が無いなどということが割とあるんですね。

扶養控除等申告書の役割については以前お話しましたが本来的な位置づけは年末調整に必要なものではなく毎月の源泉徴収事務において必要なものなんです。

毎月の源泉徴収事務では当社が主たる勤務先なのか、扶養している家族はいないかといった情報が得られない限り税法に則った税額を徴収することができません。

提出が無いということは当社は従たる勤務先であると判断され税金が高額である乙欄で税額表を見る必要があります。

そして扶養している家族がいない場合でもいないという事実を事務担当者は把握しておかなければなりませんので扶養親族の欄が空欄である申告書の提出が必要ということになります。

ということで扶養控除等申告書は他に主たる勤務先がない方については例外なく提出の必要がありますので何卒よろしくお願いいたします。

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消費税の申告期限の延長が制度化されそうです

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今週もよろしくお願いいたします。

法人税には申告期限の延長制度があることをご存知でしょうか。

上場企業などでは3月決算企業の場合、多くのところで株主総会が6月下旬に行われることが通例となっております。

決算つまり会社の帳簿を閉めることができるのは株主の同意があって初めて、という考え方からするとこの株主総会をもって決算を終えることができるとも言えましょう。

と、ここで法人税の申告期限を思い出してみます。以前触れたことがありますが決算日から2か月以内です。ということは3月決算企業の場合は5月末が申告書の提出期限となります。

株主総会が6月下旬に行われるのが慣例となっている一方で法人税の申告期限は5月末、これでは多くの企業で申告期限に間に合わないことが常態化することとなります。

みなさんご存知のように税金は申告期限までに申告が間に合わない場合、一定のペナルティが科されることとなっております。

と、これでは多くの企業がペナルティを課されることになってしまいますね。

そこで救済措置として申告期限の延長という制度をもうけました。この制度の概要はこうです。申告期限は相変わらず2か月以内だけど3か月以内に申告すればペナルティは科さないよ、という仕組みです。この制度では1か月の延長が認められています。

うん、待てよ。そうすると2か月以内に申告した企業との公平が図られないのではないか、そうお考えの方も多いことでしょう。

そこでペナルティは科さないけど2か月過ぎた時点から利息を課すことにしました。

ということで結局は本税以外の負担が生じることには変わりませんが、そこで課された利息は損金(法人にとっての経費です)になるという点が違う点が重要です。ただ単に申告期限から遅れた場合のペナルティは損金に算入できませんので。

前置きが長くなりましたが、この制度、実は消費税には認められておりませんでした。なぜだか我々にもわかりません。決算が確定しない以上消費税の計算も確定しないわけだから消費税にも期限延長制度があってしかるべきでしたがありませんでした。

ですから前述の企業は5月末までに消費税の確定申告を暫定で行い(確定申告を暫定で行うというのもおかしな話ですが)、納付をしたのちに決算が確定した段階で修正申告をしたというのが実務上の取り扱いでした。

この消費税についてようやく延長制度が認められることになりそうですのでようやく本来の姿になったと言えましょう。

上場企業など一部の企業に限られたお話ですが消費税の延長制度の創設が検討されているということについて今回見てみました。

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消費税のインボイス制度(続)

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4年後に始まる予定である消費税のインボイス制度についてお話したのが前回です。

今回はその続編としてお話していくことにいたします。

前回のお話は主として事業者を相手にご商売をされている方を前提としております。

一方、お客さんはほぼ消費者だよという方も多くいらっしゃいます。

なお、この場合の事業者とは消費税の仕入税額控除を受けている者を言います。受けていない者を消費者と定義づけます。

仕入税額控除を受けていれば消費税は負担していない、受けていなければ消費税を負担しているということになります。

ですから消費税は最終消費者が負担しているということになるんですね。

お話を元に戻します。

例えば美容室を考えてみてください。美容室を利用している方はそのほとんどが消費者として訪れて対価を支払っていると思います。要するに事業上の経費としていないということですね(厳密には課税事業者がという限定が入ります)。

ということはお客さんにとっては負担している金額は税込の対価ということです。

ですからインボイスが導入されようがされまいが対価に変更がなければ負担額も変わらないんですね。

つまりこのような業種においてはたとえ免税事業者であっても値下げ要求は起きないことになります。

かなり途中を端折った専門的なお話になってしまって恐縮ですが、業種によってはインボイスの影響を受けないものもあるということが言いたかったのです。

免税事業者のメリットを享受し続けることができるともいえるでしょう。

ですから究極的にはやはり小規模事業者についての免税制度を無くすことが唯一の益税問題の解決策にはなるんですね。

 

~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
NFLは第13週が終わりました。1敗の2チームがともに敗れ2敗で5チームが並びました(AFC2チーム、NFC3チーム)。NFCで本命視されていたニューオリンズセインツがついに勝ち星でトップに躍り出てきたのは注目すべきところでしょう。NFCは49ersとセインツが優勝を争うのではないかと予想しております。
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今週もご覧いただきまして誠にありがとうございました

 

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消費税のインボイス制度

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消費税についてインボイス制度が4年後、2023年10月から導入される予定です。

正式名称は適格請求書等保存方式と言われる消費税の仕入れ税額控除の方式のことです、、、?

もう少し具体的に。

消費税の仕組みは預かった消費税から預けた消費税を引いた残りを国に納めることとなっているのはこちらで何度も申し上げてきました。

その預けた消費税を預かった消費税から引くことを仕入税額控除と言います。

その仕入税額控除、現行方式は区分記載請求書等保存方式が採用されております(今年の10月から)。それ以前は請求書等保存方式と申しまして法定事項が記載された帳簿及び領収書等の保存が仕入税額控除の適用要件でした。現在の区分記載請求書等保存方式はそれが税率ごとに区分記載されている形式のものを言います。

これらの方式とインボイス制度とが決定的に異なるのは仕入税額控除の適用を受けることができる領収書等を発行できるのが課税事業者のみだという点です。

現行制度ではそこは問うておりませんのでたとえ免税事業者が発行した領収書であっても支払者側は仕入税額控除が受けられるのでした。

免税事業者側では預かった消費税を納付しなくてよいにもかかわらず支払者側では仕入税額控除ができるので国から見ればその分だけ消費税の税収が減ることになり一方免税事業者においてはその分が益税となってしまっているという構造的な問題を抱えているのです。

この問題を解決するためインボイス制度下においては免税事業者は仕入税額控除の適用を受けることができる領収書等(「適格請求書」と言います)を発行することができませんので支払者側においては仕入税額控除ができなくなり税収の減少と免税事業者の益税問題を解決することができることになります。

免税事業者である者はインボイス制度導入後も税込対価を導入前と同額としてしまうと支払者側にとって実質的に値上げをしたこととなります。

例えば支払対価110円としますと導入前は仕入税額控除が受けられますので支払者側の負担は100円です。

一方導入後は仕入税額控除が受けられませんので支払者側の負担はまるまる110円です。

価格設定はもちろん両者の自由な意思により取り決められますが通常このような場合では支払対価を100円とせざるを得ないケースが大多数でしょう。

これは免税事業者側から見ると一律9%超の値下げです。ですからこの制度は免税事業者にとても不利な制度なんですね。

しかしながら不利と言うよりも本来の姿にようやくなるといった方が正確です。

あと4年後ですがあっという間ですので現在免税事業者の方は今から何らかの対策が必要かもしれませんね。

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年末調整に間に合わない時は

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年末調整で厄介なものの一つに扶養親族の申告があります。扶養親族の申告自体は簡単なのですが年収により税制上の控除を受けることができるかどうかが決まってきますので親族の年収を会社に正確に伝える必要があります。

その親族が会社勤めの場合は源泉徴収票が年収を伝えるのに一番適したものですがそもそもその源泉徴収票は12月の給料の支給が終わらないと発行できないものですから年末調整時期に間に合わない可能性が少なからずあります。

このように間に合わなさそうな場合にどうすればよいのでしょうか。

年明けすぐに親族の源泉徴収票のコピーを提出し年末調整をしてもらうというのが本来の姿なのでしょうが、実際にはそうではないケースがあります。

というのも年末調整を12月中に行うためそれに間に合わないものについては受け付けないという会社が相当数あるんですね。

とするとせっかく受けられる控除を受けずに泣き寝入りするしかないのでしょうか。

いえいえそうではありません。

そうした時のために最後の砦として確定申告があります。

年末調整では控除を受けない状態で源泉徴収票を会社から発行してもらい、年明けにその源泉徴収票と親族の源泉徴収票を用いて確定申告をし、控除を受けた分の税金を還付してもらうという段取りです。

このような還付をしてもらう手続きは年明け早々受付がスタートされますので窓口が混雑しない1月中に所轄の税務署に出向いていただき(またはご自宅で電子申告をしていただく)手続きを行ってください。

税務署に出向く際に最低限必要なものは源泉徴収票の他に還付金の受取口座がわかるもの、印鑑(認印で可)です。

 

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所得税の調査状況が公表されました

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先日は法人税の調査状況が公表されたことについて触れましたが今回は所得税の調査状況が公表されたことについて見ていきたいと思います。

国税庁の公表データによりますと、平成30事務年度における所得税の調査件数は約7万3千件、そのうち申告漏れ等の非違件数(当初申告に誤りがあった)は約6万件、割合にすると82.7%です。

調査に着手した場合その8割超について何らかの指摘事項があったことになります、、、

ただしこの数字には若干の補足が必要です。

はじめから不正が見込まれ臨む調査を特別調査・一般調査と言い、これらの調査は時間をかけていわゆる徹底的に調べ上げるものであることに対し、不正とまではいかないが不明点があるために行われる比較的短期間で完了する着眼調査と言われるものがあります。

双方の総件数、非違の割合を比較してみますと

①特別調査・一般調査
総件数  約5万件
非違件数 約4万4千件 (割合 88%)

②着眼調査
総件数  約2万3千件
非違件数 約1万7千件 (割合 72%)

となっており、当然ですが①の割合が高くなっています。それでも1割以上は非違がなかったということなので、そもそも見込みが間違っていたのかはたまた、、、

なお、申告漏れの所得金額および追徴税額は

①特別調査・一般調査
所得金額 1件当たり約1千万円
追徴税額 1件当たり約150万円

②着眼調査
所得金額 1件当たり約330万円
追徴税額 1件当たり約22万円

①の申告漏れの所得金額の1件当たり約1千万円はすごいですね。もちろん事業所得の他、譲渡所得なども調査対象となっていますので、例えば近年話題になった仮想通貨取引により多額の利益を得た場合なども含まれています。こういった案件が全体の数字を引き上げている可能性はありますね。

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金取引による節税??

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早いものですね、いよいよ12月です。会計事務所業界はこれから半年間の繁忙期に突入いたします。気合が入ります!!

昨日の日経新聞にこんな記事が載っていました。節税封じあの手この手と題して政府が法人・個人の行き過ぎた節税策を封じ込める様々な案を検討しており、その中の一つにアパート大家における金取引による節税策をやり玉に挙げているとのことでした。

この節税策のスキーム自体はごく簡単なものです。前提として

(1)仕入税額控除は通常、課税売上に対応する部分のみに認められる
仕入税額控除とは納付税額を計算する際に預かった消費税から引くことができる他のお店に預けた消費税のことです

(2)しかしながら課税売上割合が95%以上の場合には全額控除が認められる

そしてそのスキームの概要は以下の通りです。

①アパートの家賃は消費税の非課税売上である。

②家賃収入のみの場合は仕入れにかかる消費税を売上にかかる消費税から控除できない(そもそも消費税を預かっていないから)

③そこで大量の金取引(消費税の課税取引)を行い課税売上割合を95%以上にまでもっていく(この金取引では利益が出ることはあまり重要なく、短期間に売買を繰り返すことになります)

④これにより仕入税額控除を全額受けることができるようになる

以上です。このスキームを用いる場面は建物を建てた時など多額の投資を行った時です。建物を建てるときには本体価格に消費税が上乗せされますがその消費税はその事業主体が家賃収入のみの場合は控除できずに全額負担することになります。

そこでこのスキームを用いることにより建物にかかる消費税について仕入税額控除を適用し、あわよくば還付を受けることが可能となります。

預かった消費税が預けた消費税より少ない場合はその少ない部分の還付を受けることができるという仕組みになっているからですね。

そこで政府は賃貸アパートであるアパートにかかる消費税についてそもそも仕入税額控除を受けることができないようにするのではないかと記事ではありました。

おそらくどこかの税法に詳しい者が考えたスキームなのでしょうがそれにしてもくだらないことを考えるものです。明らかに公正さを欠いていると言わざるを得ません。

こういった節税策はどんどん封じてほしいものです。

 

東京都文京区の税理士です