みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
こちらでも再三申し上げておりますが、中小企業の後継者難の解消は日本全体にとって喫緊の課題です。それに応えるべく政府も様々な支援策を検討しているようでして、経済産業省と財務省からは次のような案が出ています。
事業を承継する際には後継者に自社の株式を売却する必要が出てきますがその際に通常売却益について20%の所得税が分離課税されます(分離課税・・・他の所得と合算しないで単独で課税すること)。
経済産業省案ではこの売却益にかかる税負担を軽減・繰り延べるという措置が検討されているとのことです。これにより全オーナーの税負担を軽減し事業承継を促進する効果を得ようとするものです。
一方財務省はこの経済産業省案について税逃れにつながるのではないかと指摘し経済産業省に対し一定の条件を設定するよう求めています。
これにより経産省側では売却額を5,000千万円までとし、売却側の企業が伝統産業やサプライチェーン維持に重要な役割を果たす「地域経済に不可欠な存在」と国に認定された場合に限り優遇措置の適用を受けることができるようにするという案を出しました。
みなさんはこれをお聞きになりどう感じたでしょうか。また使い勝手の悪い制度を作ってくれそうだな、これが正直な感想です。事業承継は国の喫緊の課題だという危機感があまり感じられませんね。
こうした優遇措置にはそれなりにインパクトが必要です。これなら自分も使ってみようという動機づけを得られるようなですね。
政府のすることはたまにオーと驚くようなものもありますが通常はまたか、と失望されられることの方が多いです。
事業承継にももっとインパクトのある優遇措置を是非創設していただきたいものですね。
~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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