相続税の申告は10か月以内です

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今回も相続に関するちょっとしたお話です。

相続税の申告は相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内です(相続税法第27条)。外国の住んでいる等の理由により被相続人(亡くなった方)が亡くなったことを他の相続人より遅れて知る場合がありそのような事情を考慮しての規定ぶりですが、通常は被相続人の死亡日から10月以内とお考えいただいてよろしいかと思います。

では具体的に期限がいつになるかを見ていきましょう。亡くなった日が7月1日の場合は期限が翌年の5月1日になります。その考え方はこうです。

①期間のカウントの仕方には初日不算入の考え方があります。ある事由が起こった時間が午前0時の場合と午後11時の場合があるときに、その事由が起きた日から期間をカウントしてしまうと両者の間に不公平が生じる可能性があるから、という理由で初日不算入が原則となっているそうです。そうするとこの場合期間のスタートは7月2日です。そこから10月以内ですから翌年の5月1日が期限となります。ん、10月以内だから7月2日じゃないの、、、ここが少しわかりづらいところですが、期間のスタートが1日の場合を考えるとわかりやすいです。スタートが7月1日ですと1か月以内は7月31日になる、これはしっくりきますよね。この考え方を応用すると7月2日スタートの時は1か月以内は8月1日になりますね。そして10か月以内は5月1日になります。と、理屈通りではそうですが実際には10か月後の応当日と覚えておくといいです。応当日とは違う月、違う年の同じ日という意味です。7月1日の10か月後の応当日は5月1日ですね。この方がわかりやすいと思います。

では亡くなった日が4月30日の場合はどうでしょうか。10か月の応当日だから翌年の2月30日ですね。、、、おっと2月30日という日付は存在しません。この場合はどう考えたらよいのでしょうか。もともとの考え方に立ち返ります。4月30日の翌日は5月1日です。5月1日から10か月以内ですから2月28日(うるう年は2月29日です)。4月30日の場合は2月28日(または29日)が申告期限となりますので注意が必要となります。

東京都文京区の税理士です

今日から相続に関する法律が変わりました

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今週もよろしくお願いいたします。

今月から改正された民法の相続税に関する規定(相続法)が施行されます。これによる変更された重要なものがいくつかあります。

①特別寄与分が新たに認められる

寄与分とは被相続人(亡くなった方)を生前介護していた等一定の貢献をしていた場合にその貢献した分を相続の際の取り分として主張できるというものです。従来は法定相続人(配偶者、子、孫等)に限り主張が認められておりましたが、改正により法定相続人以外の親族(具体的には6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族で相続人以外の者)にも認められるようになりました。これにより例えば夫の父(義父)を介護していた妻も一定の主張をできるようになったのです。

 

②預貯金の仮払制度

従来は死亡の時から遺産分割協議が確定するまでの間、被相続人の預貯金は払い戻そうとしても金融機関が訴訟を恐れること等により応じないケースかなりありました。この改正では協議確定を待たずに一定額を引き出すことが可能となりました。なお、この場合にも一定の手続きが必要となります。

③遺留分についての見直し

遺留分とは相続人がもらえる最低限の保証割合を言います。相続人が配偶者、子供、親の場合に認められておりその割合は相続分の1/2です。この遺留分は遺言によっても侵害することはできません。相続財産をもらえる権利がある者が遺言によっては全く財産をもらうことができない場合でも遺留分の権利は主張できます。従来は対象財産が不動産の場合遺留分を主張されると、主張した側とされた側の共有状態にならざるを得ませんでした。共有状態ですと不動産の処分に支障をきたしたり何かと不自由な状況下に置かれてしまいます。そこで改正により主張された側は遺留分相当額を現金で渡すことが可能となりました。これにより共有状態を回避できるようになったのです。ただし、渡すだけの現金が手元になければなりませんので注意が必要となります。

その他にもいくつかありますが、主要なものは以上です。

ご参考にしていただけたら幸いです。

東京都文京区の税理士です