夫婦間の経費の支払について

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

配偶者に対する経費の支払は原則として所得税法第56条により経費になりません。これが各々独立した事業を営んでいた場合についても例外ではありません。

過去にこれに関連する裁判についての代表的な判例が2つあります。2例とも納税者が配偶者の営む事業から受ける役務の対価として支払った経費を必要経費として算入することを認める主張をしたのに対し税務当局がそれを否認したものでした。2つの裁判ともに最高裁まで争われてともに税務当局が勝訴しております。ちなみにこれらの裁判は「弁護士夫婦事件」・「妻税理士事件」の名で知られております。ここではそのうち妻税理士事件についてざっと見ていくことにします。

弁護士である夫が自身の確定申告の申告代理手数料として税理士である妻へ報酬を支払いそれを夫が自身の事業所得の計算上必要経費に算入して確定申告をしたところ税務当局から当該経費は所得税法第56条により必要経費算入を否認されました。

所得税法第56条の適用要件は

①対価の受取人が生計一親族であること

②対価の受取人が納税者の事業に従事していること

であり、この2要件が満たされる限り個別の事情にかかわらず、同条が適用される。このような一審判決を上級審でも支持し、結局税務当局が勝訴をしたというものです。

①はともかく②については少し疑問の残るところでしょう。事業に従事というのは一般的には納税者の営む事業から給与を得ている、そんなイメージではないでしょうか。当事案は夫である弁護士の所得税の申告を妻である税理士が税務代理をしたというものですから少し違和感を感じます。妻は夫とは独立して事業を営んでおり自身の事業に従事していると考えるの普通でしょう。しかしながらこの妻税理士事件および弁護士夫婦事件ともに同様の結論に至ったことから今のところこのような税務上の処理は甘んじて受けるしかなさそうです。

この所得税法第56条についてはもはや時代遅れだという意見が大勢を占めており廃止を含めた見直しが議論されているところではありますが。

東京都文京区の税理士です

 

 

 

投稿者: you-furumi

東京都文京区で税理士をしております。お客様に本業に専念していただけるようサポートをすることを使命と考えております。

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