みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。
タワマン節税、みなさんもお聞きになったことがあると思います。何の税金が節税できるのか、相続税です。ではなぜどのようにして相続税が節税できるのか。
相続税は被相続人(亡くなった方です)の所有していた全ての財産(一部除かれるものもあります)の価値を貨幣価値に直し、そこに一定の税率を乗じて計算します。この財産の価値を貨幣価値に直す、というところがみそでして、それは以下で説明しますね。
相続税法第22条に相続財産の価額は相続時の時価による、と書いてあります。これをそのまま読むと時価だから実際にその時に売られている価格(=実勢価格)が財産の価値になるのかな、と読めそうですが実はそうではありません。
相続税の計算は相続税法だけで規定されているのではなく通達といわれる行政庁内でのお達し(上位官庁が下位官庁に対し税法はこのように解釈しなさいね、という文書です)に従うことで計算されます。そこに様々な財産についての計算方法が規定されていて、通常はそれに則って税金を計算しています。
そのなかにマンションの計算方法(マンションは土地と建物でできていますので実際には土地と建物の計算方法です)が規定されていて、その計算方法によるとすべての場合ではありませんが多くの場合実勢価格の80%程度の金額になってしまいます。これは評価の安全性なんかを考慮されていると理屈では言われております。ということはですよ、1億円の現金を保有している方がマンションを購入した場合、相続税の世界でいうところの時価に直すと途端に8千万円になってしまうということです。1億円に対して税金がかかるのか8千万円に対して税金がかかるのか、ですね。
この理屈自体はタワーマンションに限らず低層・中層マンションでも同じです。ではなぜ節税方法としてタワーマンションが推奨されるのでしょうか。タワーマンションは値崩れしないからですね。場所によっては逆に値上がりしさえします。節税対策としたものが値下がりしてしまえばその節税による利益を上回る損失が生じますが、値上がりしてしまえばそのようなこともありません。ですから特に富裕層にはタワーマンションがおすすめですよ、ということなんですね。今は、、、(タワーマンションが永遠に値下がりしないものとは到底思えませんが)。
なお、このスキームが有名になった後に税制改正がありましてタワーマンション節税に対する規制の措置が設けられましたが節税効果を打ち消すほどのものではありませんでした。
ざっとですが以上タワマン節税の概要でした。