みなさんこんにちは、税理士の古見です。
東京の文京区で税理士事務所を開業しております。
株の売買で赤字が出た場合、皆さん確定申告はどうされてますでしょうか。
赤字なんだから申告しなくてもいいんでしょ。確かにその通りですが、申告しないと結構損をしてしまう場合があります。
上場している株式の売買をされている方で年間の収支がマイナスの方はその年の赤字をその翌年から3年間繰り越すことができます。ただし、その赤字を確定申告しなければこの特典は受けることができません。
どういうことかと言いますと、例えば平成30年の1年間の上場株式の売買収支がマイナス100万円だったとします。そして翌年平成31年の同じく1年間の収支がプラス200万円だったとしますと、このマイナスの100万円とプラスの200万円が通算できるのです。通算というのは要するにこの両者が相殺できるということです。
赤字を申告した場合としなかった場合では平成31年分の所得税が※約20万円違います。なぜかと申しますと30年分の赤字100万円を31年分の所得税の計算をするときに考慮できるかできないかの違いが生じるからです。両者を比較すると譲渡所得が100万円違ってきますね。
※ 上場株式の譲渡利益の税率は所得税・住民税合わせて20.315%ですから
100万円×20.315%= 203,150円 です
このように所得税の計算においてはある分野で赤字が出ても放っておかないでちゃんと申告したほうが税金が安くなる、などということがよくなりますのでご注意ください。