経営分析のしかたについて

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今週もよろしくお願いいたします。

経営分析という言葉をみなさんはご存知でしょうか。会社の財務諸表の各項目を掛けたり割ったりして一定の数値を算出しそれにより経営の状態を見ようとするものです。総資本のうちに自己資本の占める割合(自己資本/総資本)=自己資本比率などは代表的な経営指標として用いられます。この比率が高いと財務が安定してるつまり倒産しにくいと一般的に判断されます。資金調達を自己資本つまり借入ではない部分でいかに賄っているかということを表すものですのでその比率が高いほど借入頼らない健全な経営をしていると言える、という具合ですね。あと有名な指標としては自己資本利益率(ROE)があります。自己資本をいかに効率よく使って利益をあげているかということを見るものです。これら指標のうち前者は会社の安全性(倒産のしにくさ)を後者は収益性を見るうえでもっとも使用される指標といってよいでしょう。

世に出回る経営分析に関する本にはこれら自己資本比率が40%以上であること、ROEが10%以上であることが望ましいとよく書かれています。目安というやつですね。しかしながらそれはそれぞれの会社が抱える事情等により目安は変わってくるはずです。業種・地域性・競合他社等個別の事情が会社ごとに存在しますからね。自己資本比率が50%でも安心できないケースもあれば20%でも安泰ですよねというケースもあり得ることです。

そのように何となく言われている40%とか10%とかというものと比較して一喜一憂するのではなく例えば過去の自分と比較することが有効な場合があります。経営指標を1年ごとに算出し例えば自己資本比率であれば5年前は10%だったのが年々上がってきて当期は25%までになった、という傾向をつかめば当社の経営は順調に推移しているのかなという感覚を持てるのではないでしょうか。

経営分析はともすれば主観的になりがちな経営判断を客観的な数値を用いることにより理論的に補佐することができる非常に有用なツールです。しかしそれも使い方次第ですので本に書いてあることを鵜呑みにせず先ほど申し上げたようなご自分なりの工夫をしていただき有効活用していただきたいと思います。

東京都文京区の税理士です