サラリーマンが会社を購入

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今朝のNHKのニュース番組の中で特集としてサラリーマンが会社を購入するケースが増えてきたという趣旨の放送がありました。朝のニュース番組で特集されるくらいですからすでにそのような流れができている、そう判断して間違いなさそうですね。

成功事例としてサラリーマン時代の経験を活かし、買収する前の3倍まで売り上げを伸ばしたというものが挙げられていました。このような成功事例は買った側はもちろん売却した側もうれしいとても幸せなケースです。

一方でやはりといったところですが、売上7千万、利益が1千万円のネイルサロンを買収しようとしていた方の例ではその売上に全くの根拠がなく結果的に失敗に終わったなどという例も紹介されておりました。日本は今優れた中小企業でも後継者難による廃業に追い込まれ非常に危機的な状況にあります。そんななかでそれを解決する一つの道である個人による会社購入があります。しかし先ほどのように非常に怪しいものも少なからず存在しているのが現実です。そのようなことが志がある方を遠ざけてしまいかねないのがとても残念でなりません。

仲介業者自体が悪いのかそのような会社を売りに出す人間が悪いのかわかりません。またはグルになっている可能性もありますね。

購入者が購入するか否かの判断材料とするものには質的なもの(数字に表せないもの、優秀な社員が多い、優良な取引先が多いなど)と量的なもの(数字に表せるもの、売上・利益などの財務書類など)があると思いますが、前者はともかく後者については会計の専門家(公認会計士・税理士等)が責任をもって監査し、安心して購入者に吟味してもらう必要が絶対的にあります。そこが担保されない限り安心して買うことはできませんのでマーケットが形成されることもないでしょう。

日本の経済的な危機を救う可能性がある非常に素晴らしい仕組みだと思います。ですからこの仕組みをより確かなものに育てていく責任が会計の専門家である私たち税理士にはあるのではないかと思う次第です。

東京都文京区の税理士です

個人が会社を買う時代?

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

今週もよろしくお願いいたします。

個人が会社を買う時代がすぐそこまで来ている、ある記事を拝見してやはりそうなんだなとあらためて思いました。

せっかくその会社にしかできない独自の技術力があるにもかかわらず後継者がいないため廃業をせざるを得ない会社が日本にはたくさんあります。そういった会社は運よく買手の目に留まり事業を継続することができればいいのですが現状ではまだまだ「運よく」ですから、そうでない限り廃業に追い込まれるケースが大多数なんでしょうね。

運よくつまり偶然ではなく必然的にそのような会社が売買されるような社会の仕組みができればとても素晴らしいと思います。廃業によりその会社に技術を必要としているところにとっては事業継続上死活問題となりかねません。一つの会社の廃業が連鎖的に他の会社に波及してしまう恐れもあるわけです。誰もが接続用にはマーケットが形成されていればそのような会社の事業が存続される可能性は今よりも格段に向上するでしょう。そうなれば社会的な意義は大きいものとなるのではないでしょうか。

従来会社を買う主体は会社でした。つまり会社が他社を買収するという形がほとんどでしたが、以前こちらでもお話したように個人がどこかの企業で働いている状態の時に買収先の会社を探してそして自らが社長となり事業を行うということが散見されるようになってきました。薬剤師の方がゼロから薬局をオープンするのではなくすでに開業している薬局を買収してそこのオーナーとなり事業を展開していくなどという事例があるようです。

ですから個人が会社を買う時代、というものがすぐそこまで来ているんです。この流れが大きいものになると先ほどのような優良企業であっても事業廃業に追い込まれてしまうような事案を少しでも無くすことことができるでしょう。

買収する側はもちろん失敗したくありませんから買おうとする会社の実力を見極める必要があります。その実力の一つが財務内容です。現預金などの流動性が高い資産がどのくらいあるのか、借入金は規模に応じているか、収益構造はきちんとしているか、などです。そしてなによりもそれらの指標を記載している書類の信ぴょう性が担保されていなければなりません。取引の根本をなす部分ですので非常に重要なことではないでしょうか。そこで普段から経理を拝見させていただいている税理士が担う役割がとても大きいと考えます。税理士はすべて経営者の側にたってものごとを判断しているわけではありません。税理士法第1条にあるように税理士の使命は「・・・独立した公正な立場において・・・」ですから、時には経営者と対立してまでも自分の信念を貫く場面が出てくるのです。そしてそのことが会社の財務書類の信ぴょう性を高めることにつながるわけですね。

税理士が経営者の都合の良いように財務書類を作成すればその信ぴょう性は失われてしまうでしょう。ですからお客様である経営者の方に対しても時には耳の痛いことを言わなければいけません。そこでもし顧問契約が解除になってしまってもかまわない、それくらいの覚悟をもって業務を行わなければなりません。非常につらいことですがそれがまさに税理士に課された使命なのです。

後半は少し脱線してしまいましたが今回は個人が会社を買う時代がそこまで来ていますよ、というお話でした。

東京都文京区の税理士です

 

 

法人と個人を比較しても、、、

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

事業を行う際に会社組織(法人)にするか個人事業にするか。昔からあるテーマです。今回はそのお話です。

最近これをテーマにした記事を読んで思ったことは法人と個人の税金つまり法人税と所得税を比較してもしょうがないでしょ、です。法人税は所得が800万円を超えると一律で23.2%に対し、所得税は累進税率により最高で45%(所得が4,000万円超の場合)だからある程度利益が出たら法人にした方が良い、というロジックですね。

でもそもそも法人と個人は別人格ですからその比較をすることが意味があるかどうか。例えば利益が1,000万円を超えたら法人にすべきです、と言ったところでじゃあ法人になった場合は社長であるその方が給料を取らないんですか取りますよね、当然取りますからでは両者の利益を単純比較することはできませんよね、となると思います。

そうするとどのような比較が良いのか。社会保険の負担額を加味しようとすると途端に複雑化しますのでとりあえず税金のことだけを考えるとどうなるでしょうか。一つの答えは事業所得と給与所得を比較することが挙げられます。

個人事業で1,000万円の利益を出すことができたということは要するにその利益はその方の給料と考えることができます。つまり同じ事業(収益構造が同じという意味です)を法人で行った場合に社長が法人から1,000万円のお給料を取ることができるということです。ということは個人事業の場合の所得区分は事業所得、法人の場合の役員報酬は給与所得ですから両者の所得税を比較すればよいということになりますね。

この比較は以前もこちらで行いましたのでよろしければそちらをご覧ください。結果は給与所得の方が有利となります。これにより同じ事業をやるのなら法人組織にした方がいいですよと結論付けられます。ただし先ほども申し上げましたがあくまで税金面の比較をしただけです。社会保険を考慮するとまた違った結論になる可能性もありますのでご注意ください。

法人か個人かを考える際にご参考になればと思います。

東京都文京区の税理士です

起業に際して困ること

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。

起業をした方の体験談を読む機会があって、そのなかで起業に際し苦労したことを2つ挙げてらっしゃいました。

1つは起業に際し遵守すべき各種法令を学ばなければいけないことでした。例えば飲食店を開業しようとする方は保健所への届出、食品衛生責任者の資格の取得などが必要、といった具合にですね。

そして2つ目が帳簿の付け方だそうです。商売を始める以上帳簿を付けるのは絶対的に必要なことです。特に青色申告の特典を受けるには一定水準以上の帳簿を備え付けなければならないことは以前お話したとおりです。

帳簿とは総勘定元帳、補助簿、仕訳帳、現金出納帳、預金帳、売掛台帳、仕入台帳、等々です。これらの帳簿は正規の簿記の原則に従って(要するに簿記のルールに則ってくださいねということです)記帳されなければなりません。そうです、独自のルールにもとづいて記帳してもそれは正しいものではないですよということになります。

それはなぜでしょう。帳簿を備え付けるのは

①税務上、帳簿の備え付けが義務付けられているため。そもそもなぜ義務付けられているかというと簿記のルールに従って記帳することで帳簿の追跡可能性(トレーサビリティ)を担保し、取引の正確性・妥当性を検証するためです。ですから簿記のルールに従うことが絶対条件となるのです。

②第三者に訴えられたときまたは訴えるときに帳簿が有力な証拠になり得るから

③自身で特定の取引をたとえば過去にさかのぼって確認したいときに必要となるから

これらの理由から帳簿の備え付けが必要となります。そしてそれらは簿記のルールに従って記帳されなければなりません。

その方はこのようにもおっしゃっていました。簿記は義務教育化すべきだと。まさにそうだと思います。日本はまだまだ起業率が他の先進国と比べると低いそうですがその要因の一つに帳簿の備え付けというハードルがあるのではないでしょうか。ご自分ではやり方がわからず結局税理士等の専門家にすべて任せるなどということになってしまっているようですが、そもそも帳簿をつけるのは税理士の仕事ではなく納税者ご自身で行わなければならないことなんですね。税理士はあくまでその納税者の付けた帳簿を監査するというのが本来の仕事のはずですから。

簿記の知識を広めていくのは会計の専門家である税理士の社会的使命の一つであると前々から思っていますので何かお役に立てたらいいなあといろいろ企てております。

東京都文京区の税理士です

創業時に経理は何をすればいいのか

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

創業時に何をすればいいのか。

これから事業を立ち上げようとする方、まさに立ち上げたばかりの方。種々たくさんやらなければならないことがありますね。本業以外のことに時間を取られてしまい本業がおろそかになってしまうなどということがよくあるかと思います。

本業以外のこと、例えば事務所を探す、人を募集する、ネット環境を整備する、会社登記をする、、、本当にいろいろやることがあります。

そうした種々やるべきことの中には経理という業務もあります。この経理というのはよく聞く言葉ですがでは経理とは、と尋ねられるとなかなか一言では説明できないところではないでしょうか。

自分なりの解釈では、会社のお金の出入りを管理すること、なのかなあと思います。しかしこれではざっくり過ぎます(スミマセン)。では具体的に何をすればいいの、ということですが、創業して間もない時はまず第一優先で現金の管理をしてください。これは常に私が申し上げていることですが、現金管理をきちんとすれば経理の95%(あくまでも概念的な数字、つまりは体感です)は達成したといってもいいです。現金管理の怖いところは過去に遡れないところですね。ですからはじめはとにかく現金管理だけでもしてください。あとはどうにでもなりますから(すこし言い過ぎかもしれませんが)。

現金管理は難しいものではありません。金庫の残高と帳簿の残高を突合するだけです。金庫は別にテレビでよく見るあのダイヤルがついた立派なものでなくてもいいです。100円ショップで売られているようなジッパー付きのビニール袋のようなものでも構いません。そこに現金を入金してそこから現金支払いの経費を出金する、それだけです。帳簿は金庫に対応するものは現金出納帳になりますが、これはエクセルで自作していただいて構いません。そこに日々の出入金を入力するだけです。そしてその帳簿上の残高と金庫の実際在り高をできれば毎日業務終了時に確認をする、ただそれだけです。これ、習慣にすると結構楽しいですよ。ああ、今日も残高が合ってた、よかったよかった、、、と。これで安心して眠れますね!!

何度も申し上げますが現金管理は本当に大事ですし、習慣にしてしまえば全然苦になりませんので実行を是非お願いいたします。

東京都文京区の税理士です

法人と個人どちらが有利

みなさんこんにちは、税理士の古見です。

東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

納税者の方からよく、法人を設立したほうがいいのか、個人(事業)のままでいいのか、というご質問をいただきます。

今や、ネット上には様々な情報があふれています。法人と個人のどちらが有利、などと検索するとたくさんの記事が出てきます。そこでは様々な方が様々な視点で考察を述べておられるようです。

ここでは私なりに考察をしたいと思います。

法人税と所得税のどちらが安く済む、という議論をする方がいらっしゃいますが、それはあまり意味がないのかなと思っております。

例えば900万円の利益(売上から経費(社長給与以外の)を引いた金額)が出た時は、法人の場合はそれがつまり社長の取り分つまり社長給与(給与所得)となり、個人だと事業主の取り分つまり事業所得となる、という考え方が必要だということです。

そのように落とし込むと後は所得税のお話になります。なぜかと申しますと法人の方で利益を丸々社長給与とすれば法人税は生じないからです。

では、事業所得と給与所得のどちらが有利か比較していきましょう。

事業所得では利益からさらに青色申告特別控除というものが65万円(固定額)することができます。

一方、給与所得は額面の給与から給与所得控除というものを控除することができます。この給与所得控除は最低額が65万円で、額面額が増えるとこの金額も増えます(ただし頭打ちあり)。

900万円の場合ですと事業所得の青色申告特別控除は相変わらず65万円、一方給与所得の給与所得控除は210万円です。両者には145万円の開きがあります。

所得税の計算をするときはそこからさらに扶養控除等の所得控除を引いたのちの金額に一定税率を乗ずるのですが、今は話を単純化するために所得控除がないものとして両者の所得税を計算してみることにします。

事業所得の場合 (900-65)×23%-636,000 = 1,284,500

給与所得の場合 (900-210)×20%-427,500 = 952,500

円となります。

同じ所得でもこれだけ税金の額が違ってきます。

と、このような比較をしている方は今まで見たことがないのでこういう比べ方もあるのか、と少しでもご参考にしていただけたらと思います。

東京都文京区の税理士です