みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
個人事業主の方で不動産賃貸業も営んでいる方についてのお話です。
消費税の納税義務は2年前の売上(厳密には課税売上高)が1千万円超の場合に生じます。
ここで2年前の売上とは事業ごとの売上ではないところに注意が必要です。
事業売上と不動産賃貸収入を合計してその中から課税売上を抽出しその金額が1千万円超であるかどうかで判断することとなっています。
所有物件を事務所として他人に賃貸している場合には特に注意が必要ですね。
事業売上が900万円、賃貸収入が200万円の場合には賃貸収入の全額が課税売上となりますので1,100万円の課税売上となり2年後には納税義務が生じることになります。
そしていざ納税義務者となった場合には消費税の計算は非常に厄介なものとなります。例を挙げて見ていくこととします。
事業売上が900万円、賃貸収入のうち課税売上(主に事務所、店舗として賃貸)が200万円、非課税売上(住居として賃貸)が500万円としますと課税売上割合が
(900+200)/(900+200+500) = 68.75%
となります。課税売上割合が95%未満の場合には課税仕入れ(支払った経費のうち課税取引によるもの)を3種類に分けなければなりません(詳細につきましてはここでは触れないこととします)。
①課税売上にのみ要する課税仕入れ
②非課税売上にのみ要する課税仕入れ
③共通して要する課税仕入れ
の3つです。
①は例えば仕入です。
②は例えば賃貸アパートの修理代です。
③は例えばご自分の事務所の光熱費です。
もちろん経費はこれだけではありません。そして中には判断に迷うものも少なくありません。
消費税の厄介なところはすべての取引についての判断のうち一つでも間違えてしまうと税額に影響が及ぶところです。
ですので該当する方は十分な注意が必要であることをお知りおきください。