みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
所得税は所得つまり儲けについて課税をすることは以前お話しました。
ですから土地を売った場合には売却代金に課税されるのではなく売却代金から土地の取得費用をマイナスして儲けがあればその儲けに対して所得税が課税されます。
保険金を受け取った場合も同じです。取得した保険金全額が課税されるわけではなく保険金から掛金の累計額をマイナスして儲けがあればその儲けに対して所得税が課税されます。
と、基本的にはこの考え方でほぼ対応ができますがそうではないものも実はいくつかあります。
その一つに小規模企業共済の共済金があります。
小規模企業共済とは法人の役員・個人事業主などが自身のリタイア後の生活資金として退職金を現役時代に積み立てるというものです。
支給事由(退任・廃業など)が生じ、共済金が支給されるわけですがその共済金は基本的にはそれまでに自身が積み立てをした掛金が原資となっています。
そうすると保険金と本質的には変わらないので小規模企業共済の共済金を受給した場合はその共済金から掛金総額をマイナスして儲けがあればその儲けに対して所得税が課税されそうですが実はそうではありません。
なぜでしょうか。
小規模企業共済の掛け金は毎年の所得税の計算上全額所得控除を受けることができています。
ということは税金の計算上すでに掛け金は毎年考慮されていると考えることができます。
その上で、さらに共済金の受給時に掛け金をマイナスできるとなるといわば二重に考慮されてしまっていることになります。これではあまりにも優遇をし過ぎですので税金の計算上考慮されるのは掛金の支払時のみで、共済金の受給時は考慮されないことになっております。
小規模企業共済の共済金の課税関係はこのように勘違いが生じやすいので十分ご注意ください。