みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
飲食店を営んでいる方がご自分のお店を使って接待をするということはよくある話です。その飲食店を運営主体が法人である場合には税務上の論点がありますので今回はそうした場合の会計処理について見ていくことにします。
租税特別措置法においては法人税の計算上一定の交際費について損金に算入しないという規定が設けられております(同法61条の4)。一方で自社で接待した場合の会計処理は何もしないというケースも多いと思われます。なぜか。支払者と受け取り者が同一だから処理した場合としない場合で損益は同じだからです。なお、強いて取引を簿記上の仕訳で表現すれば
(借方)現預金 *** (貸方)売上 ***
(借方)交際費 *** (貸方)現預金 ***
となるでしょうか。
このように売上と交際費が同額で相殺されますので処理した場合としない場合で損益が同じであることがわかります。
しかしながらこの処理は2つの問題点があります。
①処理した場合としない場合で交際費の合計額が異なる
②処理した場合交際費の金額が売り上げベースになる
この2つの問題点を解決するにはどうすればよいのでしょうか。
- 期末まではとりあえずこの処理でいきます。
- そして期末に年間の原価率を算定し(仮に25%とします)その後に売上と交際費の相殺を行います。
- 仕入が過剰計上(売上がない仕入が計上されている)ですので売上×25%の金額を
(借方)交際費 *** (貸方)他勘定振替高 ***
として交際費に振り替えます
3.の処理はなじみがない方もいらっしゃるかもしれませんが仕入から売上に対応していない部分を抜いて他の科目(今回のケースでは交際費)に振り替えることにより決算書上の売上と仕入がきちんと対応するよう表示するということをしています。
なお、交際費がこの結果原価ベースの金額に直りましたがこれは認められるのでしょうか。
これは認められます。交際費とは接待等のために支出をしたものを言いますが今回のケースでは支出をしたのは原価部分ですから理にかなっているんですね。
ということで自社で接待した場合の会計処理は意外に奥が深いのでご注意ください。
~今日のひとこと~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
丸ノ内線新大塚駅の近くにとてもおいしいケーキを置くお店があるのですが見た目でとても損をしています。でもとても腕利きのパティシエの方がいらっしゃいますので是非探してみてください。駅近くのエイブルの壁に看板がありますのでそれを目印に。
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