免税事業者は税込で判定します

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

消費税の重要な概念である「基準期間における課税売上高」のお話を今回はいたします。

税務行政の重要な指針の一つであります少額不追及。消費税の世界でもこれに則った形で小規模事業者については消費税の納税を免除しています。その小規模事業者とは何かを判定する基準として使われているのが基準期間における課税売上高です。その時の課税売上高が1千万円以下ですと小規模事業者とされます。

①基準期間とは通常は2年前の年度です。

②課税売上高とは消費税の課税対象となる売り上げを指します。

と話はここで終わりそうですが実はそうではありません。少し掘り下げる必要があるんですね。それが今回のタイトルにあります免税事業者は税込で判定する、です。

過去からずっと課税事業の場合には基準期間における課税売上高は税抜の金額を用います。課税事業者にとっては消費税抜きの本体価格つまりネットの金額が取り分となりますから理にかなっていますね。ではこれが免税事業者だった場合はどうでしょうか。

免税事業者はそもそも税抜という考え方が存在しません。決算書の売上・経費等の数字も税込の金額しか表示できませんし、取り分・経費負担分もそれぞれ税込の金額です。ですから免税事業者の場合は税込の金額を使用します。2年前の年度の消費税が10%だった場合はその年度の課税売上高が1,100万円までに収まれば今期も免税事業者だな、と勘違いしやすいところですがそうではありません。この場合は基準期間における課税売上高(=税込の売上高)が1,000万円以下でなければ免税事業者に該当しません。

逆のパターンも考えてみます。売上が年々減少して言った場合ですね。

過去からずっと課税事業者ですが年々売り上げが減少していってある年度においては税抜の売上が1,000万円を切ってしまいました。そうするとその2年後の年度は免税事業者となるわけですが。この際の基準期間における課税売上高を税込の売上を使用しがちなんですね。この場合は当期に消費税の申告をすると税務当局からあなたのところは当期は免税事業者ですから消費税の申告は不要ですよという連絡が通常は来ることになります。そしておさめた消費税が還付されるということになるんですね。あくまで税抜の金額を使用するところが注意点です。

課税事業者か免税事業者かの判定は非常に重要です。消費税を納めるか納めずに済むかにかかわってきますから与えるインパクトは大きいですね。ですから判定はとても注意深くいただきますようお願いします。

 

~今日のひとこと~

高潮と津波は海面上昇という現象は同じですが原因が異なります。高潮は台風・低気圧によるもの津波は地震によるものです。なお、似た言葉で高波がありますがこれは字のごとく高い波のことを言い、災害を生じるような危険な状態の時にそう表現します。

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今週もご覧いただきまして誠にありがとうございました。

 

東京都文京区の税理士です

投稿者: you-furumi

東京都文京区で税理士をしております。お客様に本業に専念していただけるようサポートをすることを使命と考えております。

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