みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
今週もよろしくお願いいたします。
二次相続、みなさんはこの言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。二次、つまり二回目に起こる相続を言いますが通常は一次相続の被相続人(亡くなった方です)の配偶者を被相続人とする相続を指します。
この二次相続がなぜ話題になるかと言いますと一次相続における財産の分け方でその二次相続での税負担が変わってきてしまうからです。一次相続での財産の分け方が二次相続の相続税に影響を与えるんですね。
被相続人の配偶者には「配偶者の税額軽減」に代表されるようにさまざまな相続税法上の優遇規定があります。例えばこの配偶者の税額軽減によれば配偶者の財産取得額が1億6千万円まで相続税がかからない、かつ、1億6千万円を超えても法定相続分(相続人が配偶者と子供の場合は1/2です)まではやはり相続税がかからないそんな規定です。これは被相続人の財産形成に配偶者が寄与するところが非常に大きく夫婦は一体であるという考え方を基につくられた規定なのです。
ですから一次相続だけを考えればこの配偶者の税額軽減の枠を目いっぱい使って税負担をできるだけ少なくすればよい、となるのですがそれをしてしまうと将来起こるであろう二次相続の時の税負担が重くなってしまうという結果になります。
詳細はここでは省きますが何時の相続においても被相続人の財産は下の世代に流した方が税負担は軽くなるのが一般的です(二次相続で税額軽減が使えないのが主な理由です)。ですから一次相続の段階からある程度子供の代に財産を相続させた方が一次・二次相続全体の税負担が結果的に少なくなるという理屈です。
とはいえそれは二次相続が一般的に考えられる期間で起きる場合です(5~15年くらいでしょうか)。比較的近い将来のためある程度様々な状況の予測がしやすいケースと言えるでしょう。これが30年後くらいかなという場合は必ずしもそれが当てはまりません。30年も経てば状況が様々に変わりますので全く予測が不可能です。ということは二次相続を考えた財産の分け方を一次相続で実行してもあまり意味がありません。このような場合は一次相続での税負担を最小限に抑えるべきと言えましょう。すなわち配偶者の税額軽減を目いっぱい使うべきです。
そして配偶者が取得した財産はその配偶者ができれば使い切ってしまう(好きなことをして、好きな人のために等々)のが理想的な二次相続対策ではないでしょうか。
~今日のひとこと~
赤トンボというトンボはいません。よく言う赤トンボは通常アキアカネのことです。
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