みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
今週もよろしくお願いいたします。
消費税増税が思わぬ資金繰りの悪化を引き起こす可能性があります。それは消費税の予定納税制度と深くかかわっています。
消費税には予定納税制度というものがあります。これは前年度に一定額以上の納めるべき消費税額が生じた事業者については年1回、3回、11回の消費税の前納を義務付けているものです。1回あたりの納める金額は前年度の消費税のそれぞれ 1/2、1/4、1/12です。決算時に一時に1年分の消費税を納めなさい、とすると仮に預かった消費税を運転資金に使ってしまった場合に大きな資金の負担となり消費税の徴収率が下がることにもつながりますのでそれを防ぐために設けられた制度です。
売上規模が毎年ほぼ一定の場合には決算の時に納める消費税は予定納税の金額とそれほど変わることはありません。前年の状況とあまり変わらなければ前年の消費税額とそれほど変わらないからです。
ところが消費税が増税された場合には状況は異なります。3月決算法人を例にとって見ていくことにします。4~9月の売上・経費は税率8%で計算されますが10~3月は基本的に10%で計算されます。ということは下半期6ヶ月は上半期の25%増しで消費税の納付税額が計算されることになります。一方で前納する消費税は前年の8%の状態で計算されたものですからそこで前納不足の状態が生じます。ですから今年も前年と同じくらいの消費税を納めるのだろうと決算の際に見積もっていると見積もりよりも25%増しの消費税を納めることになってしまい資金繰りに窮してしまう可能性があります。
これを解決する方法は以前こちらでお話した試算表の仮受消費税と仮払消費税を見ながら納付すべき消費税に備えるという方法です。そうするとこのような事態を回避することができますのでご参考になさってください。
この問題はどの事業者にも起こり得ますのでご注意を。
~今日のひとこと~
海上交通は右側通行が原則です。空の上もそうらしいですね。
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