みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
今週もよろしくお願いいたします。
経営分析に用いる指標の代表的なものに自己資本利益率(ROE)があります。
当期利益 ÷ 自己資本
で算出します。この指標は投資家から見ていかに投下資本を効率よく利用して利益をあげているかを判断するものです。要するに年利回りですね。期首に投下した資本を1年間かけていかに利益を出したかをこの指標により見るわけです。そしてその利回りが他の投資手段と比較して高いか低いかによって来期以降もこの会社に投資をし続けるかどうかを見極めます。
このように投資家にとって重要な指標となるこのROE、企業側にとっても同じく重要なものです。自社に投資してもらわなければ持続的な成長は見込めないからですね。ですから経営陣はいかにこのROEを高い水準にとどめておくかというところに使命を感じるところではないでしょうか。
先ほどの算式でご覧いただいた通り式自体は非常にシンプルなものです。ということはこの指標を高いものにするには①分子を大きくする、②分母を小さくする、③①②の両方、をすればよいことが自明です。①つまり利益を大きくするというのは外的要因もありますからなかなか難しい面もありますが②つまり自己資本は自分である程度コントロールができます。
例えば減資という方法があります。減資とは読んで字のごとく資本を減らすことです。もちろん手続きをきちんと踏まなければいけませんがある程度自分の意思で行うことができます。実際に経営の効率化というスローガンのもと減資が行われるということは日常的に行われています。
しかしながらそれは本筋ではないですね。ROEが目的化してしまっています。本来すべきことはROEをあげるために何ができるか、ではなく経営改善を図った結果としてROEが上がりました、でなければならないはずですから。
ですからこうした比率を用いるのでなく額を追求するという考え方も理屈が通っているのではないでしょうか。ROE=10%を目指す、ではなく当期利益=10億円を目指す、とすれば逃げ場はなくなります。利益を10億円上げるしかないですからね。逆に言うとだから目標値を額ではなく率で設定するのでしょうか。
~今日のひとこと~
カメラで有名なキヤノン。その社名のヤは小さい「ャ」ではなく「ヤ」ですよ。
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