みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
前回は保険の課税関係についてお話をいたしました。そこで触れなかった保険契約者に関する論点を「生命保険契約に関する権利」に絡めて今回お話をいたします。
生命保険契約は被保険者(この方が亡くなると保険金が支払われるという場合の「この方」のことです)の死亡により保険金が支払われるものです。ですから被保険者の死亡時のみ課税関係が生じると考えがちですが実はそうではありません。被保険者以外の方が死亡した場合でも相続税が課税される可能性がありそれについて見ていくことにします。
亡くなった方(被相続人)が被保険者以外の方で保険料を負担していたときです。この場合保険契約者が「生命保険契約に関する権利」を取得したものとされ相続税の課税を受けます。なお、契約者が誰かによって相続税法上の取り扱いが異なります。
①被相続人が契約者の場合
本来の相続財産として取り扱われる
②被相続人以外の方が契約者の場合
みなし相続財産として取り扱われる
本来の相続財産とみなし相続財産でその取り扱いで何が異なるかと申しますと遺産分割の対象になるかならないかということです。本来の相続財産は対象となり、みなし相続財産は対象となりません。なお、この論点について詳しくはまた別の機会にお話をしたいと思います。
この生命保険契約に関する権利で大事なことは相続財産としての計上を漏らしてしまうことです。先ほど申し上げたように被保険者が亡くなったわけでなく保険金の受け取りもありませんのでなかなか気が付かないところです。そして税務署はそこをついてきますので十分ご注意ください。
なお、生命保険契約に関する権利の相続税計算上の財産としての価値は相続時の解約返戻金相当額です。これは保険会社にお問い合わせいただくと教えていただけます。
今週もご覧いただきまして誠にありがとうございました。