みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
前回ありましたように今回は退職金の課税関係について見ていきます。
退職金は老後の生活保障という意味合いから税金面で優遇されております。退職金は所得税で言うところの退職所得に区分されますがこの退職所得の計算は以下の通りです。
(退職金-退職所得控除)×1/2
※役員としての在任期間が5年以下の場合は最後の×1/2はしません
ここで退職所得控除は
①勤続年数20年以下
40万円×勤続年数
②20年超
800万円+70万円×(勤続年数-20)
と計算されます。勤続年数が30年の場合は退職所得控除は1,500万円となりますので例えば退職金3千万円の場合の退職所得は750万円となります。
まずこれだけでもすごく優遇されています。そして優遇されていることがもう一つあります。それは源泉分離課税が適用されることです。では源泉分離課税について見ていくことにしましょう。
源泉分離課税とは他の所得と分けて課税がされることを言います。所得税の計算上各種所得(給与所得・不動産所得・事業所得など)は合算されて課税されます。これを総合課税と言います。では両者ではどのように違ってくるのか。
仮に退職所得が総合課税だった場合と比較してみます(給与所得が1千万円とします)。
①源泉分離課税
退職所得の所得税 750万円×23%-636,000 = 1,089,000
給与所得の所得税 1,000万円×33%-1,536,000 = 1,764,000
合計税額 2,853,000
②総合課税
所得の合計 750+1,000 = 1,750万円
所得税 1,750万円×33%-1,536,000 = 4,239,000
これだけ税額が違います。すごいですね!
退職金がどれだけ優遇されているかお分かりいただけたでしょうか。