みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
今朝の日経新聞の記事に「ミニM&A拡大、会社員も事業主」とありました。ミニM&Aとは年商1億円未満の企業を対象とするM&Aだそうです。このミニM&Aを運営するトランビという会社によると特徴は何といっても手数料の安さです。買い手のみが負担し、しかも成約金額の3%だそうです。記事では例としてソフトウェア開発企業が他社から英会話教室を200万円で買収したそうで、そうしますと手数料は6万円で済むことになります。このようにして今まではなかなか市場に出ることがなかった案件が日の目を見るようになったそうです。
働き方改革の一環として企業の副業解禁というものがあります。これに関連して会社員の状態でミニM&Aの買い手となるケースが増えてきているそうでして、ご自身の仕事上の経験を活かしながらリスクもさほど大きくない(成約金額の平均は200~300万円)ことからニーズが非常にあるとのことです。
このように買い手側のニーズが高まってきている一方、では売り手側の状況はどうなのでしょうか。中小企業庁によると6年後の2025年には70歳を超える中小企業の経営者が245万人にのぼるとの予測がされています。その中で買い手が買いたいと思う企業が果たしてどのくらいあるのかという問題があります。
ですから以前申し上げた通り社長には高く売れるような会社にしていただきたいのです。会社の売買というのはつまり株式の売買です。社長も保有している株が高く売れればそれだけでうれしいじゃないですか。ちょっとした退職金代わりにもなりますし、会社経営の大きな動機づけになるんじゃないでしょうか。高く売れる会社というのはズバリ利益を出し続けている会社です。利益を出し続けているということは税金も納め続けているということです。ということはそれだけ歳入が増えることになりますので国・地方公共団体も潤うはずです。それだけにこの中小企業版のM&Aのマーケットというのはいち早く充実をさせる必要があると思います。これからの日本の経済発展には欠かせない仕組みではないでしょうか。
まだまだ怪しい仲介業者も存在しています。ですからそのような業者を排除し、健全な仕組みに育てていく必要がありますね。