相続対策とは

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。

平成27年以降相続税の計算における基礎控除が引き下げられてからというもの相続税について考える機会が増えました。それまでうちは大丈夫だろうと思っていた方も改正により「ひょっとして」ということで相続税について色々と調べ始めたなどという方も多いのではないでしょうか。何せ今回の改正のインパクトは以上に大きいものでした。相続人が3人の場合、改正前は8,000万円認められていた基礎控除が改正後は4,800万円まで引き下げられましたことからもその影響の大きさがわかります。ちなみにご承知かとは思いますが基礎控除とは課税最低限のことです。つまり被相続人(亡くなった方)の生前の財産の合計額が基礎控除以下であれば相続税がかかりませんよ、ということですね。

相続税について調べていくうちに色々わからないことが出てくると思います。仕組みがとにかく複雑ですから。これは相続税に限らずすべての税金について言えることですが不正との戦いの末にこれほどまでに複雑になってしまったのです。法の穴を埋めようとすると仕組みがどんどん複雑化してしまいます。そうするといつの間にか専門家以外には理解しがたいものとなってしまいました。

ですから私はこの場を借りて税理士の使命としてそのわかりにくい相続税の仕組みをなるべく平易な言葉を用いてわかりやすくご説明をしようと心がけております。

巷には相続税対策としてさまざまな記事があふれています。その中には正しいもの、必ずしもそうではないもの、などなど。私もこちらで相続および相続税についての記事を書いていくつもりですが一つみなさんに知っておいていただきたいことがあります。それは相続税対策=相続対策、では必ずしもないということです。相続税対策とはいかに納める相続税を安くするかを主眼に置いたものです。こちらは税金を安くすることだけを考えればよいので比較的対策がしやすいです。一方相続対策は人により定義が異なるところです。それこそ相続対策=相続税対策ということでとにかく税金が安くなれば良いという方もいらっしゃるでしょうし、いやいや相続=争族にならないようするのが相続対策だよという方もいらっしゃるでしょう。このように一筋縄ではいかないとても難しいものです。

昔からよくある相続税対策の一つにアパート経営があります。所有地にアパートを建てる、そうするとまず土地の評価が約20%減額になります(東京都の場合です)し建物の評価は30%減額になります(これも東京都の場合です)。これだけでも相続税を安くする効果がありますがさらに一定の要件を満たせば小規模宅地等の減額が適用でき土地の面積のうち200㎡までが50%減額されます。となると土地の評価が結果として当初の40%にまで下げることができるのです。税金が安くなってとても素晴らしいアイデアですね、と言いたいところですが必ずしもそうではありません。アパートの賃貸経営のリスクを全く考えていないからです。アパートを経営されている納税者の方から愚痴を聞くことがよくあります。そもそもの入居者の募集から始まり家賃の滞納、騒音・ゴミ捨てなどのトラブル等々、いやぁアパート経営なんてやるもんじゃないよとこぼしてらっしゃったことをよく覚えております。

被相続人の思いを尊重し遺された親族が幸せに暮らせるように、これが私の考える相続対策です。ですから先ほどのようなアパート経営などは相続税対策であって相続対策ではありません。残された方がいかに幸せに穏やかに暮らせるか、そのような立場で今後も相続に関する記事を書きたいと思っております。

東京都文京区の税理士です

投稿者: you-furumi

東京都文京区で税理士をしております。お客様に本業に専念していただけるようサポートをすることを使命と考えております。

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