みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
戦後の高度経済期から日本の中小企業を引っ張ってこられた経営者の方々が一般企業で言うところの定年を迎える時期にあたり今後のご自身の事業の行く末を悩まれていらっしゃる方がとても多いです。事業を誰かに引き継いでもらうかもう商売は一代限りにするのか。。。
昨年から事業承継税制が大きく変わりました。10年間限定ですが、会社を継いでもらう際に発生するであろう相続税・贈与税の負担を大幅に減らし、事業承継をスムーズにしようという制度が始まりました。これにより今まで引継ぎを躊躇されていた方々の背中を押してくれることでしょう。最近の税制改正にしてはインパクトが非常に大きいものですから大きな効果が表れることを期待しています。
せっかく利益が出て、将来にわたっても利益を生み続けるであろう事業でも後継者がいなければ継続することは不可能です。しかしながら①後継者がいても税負担の重さから引継ぎを躊躇せざるを得ない、②そもそも後継者がいない、などの理由により惜しまれつつ廃業される方はたくさんいらっしゃいます。そこで①については先ほどの新設された事業承継税制である程度ケアできるでしょう。問題は②です。そもそも後継者がいないというのは探しても見つからない場合を含みます。
そもそも中小企業の事業内容、決算内容を第三者が知る機会はほぼ0です。たとえ優良な中小企業を買収して経営者としてやっていきたいと思ってる方がいらっしゃっても目的の会社にたどり着くのは容易ではありません。こうして引き継がせたい方と引き継ぎたい方のミスマッチが解消しないまま廃業に追い込まれる、という事態になるのです。
このミスマッチをいかに解消するかが今問われています。ここに税理士の担う役割は大きいのではないかと考えるのです。仲介業者は今現在はたくさん存在しますが税理士が自分の名前で主体的に活動しているケースはあまり多くありません。買う側だって信用できる業者にお願いしたのは当然です。幸い一般的に税理士は社会的信頼性が高いといわれていますので、その期待に応えない手はありません。この分野でもっと税理士が(多少は出しゃばって)頑張って欲しいし、私自身もお役に立ちたいと思っています(少し前に同じようなお話をしておりましたが。。。)。
今税理士の役割が問われている、そう思っています。