みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。こちらのブログを平日限定ですが毎日更新しています。
昨日お休みをいただきましたので。。。今週もよろしくお願いいたします。
自動車への付き合い方が所有から使用へとシフトしている。こういわれて久しいです。どれくらいからでしょうか。民間事業者が日本で本格的にカーシェアリング事業をスタートしたのが2002年だそうです。その後10年近くはごく限られた人々の間でのみ利用されてきていましたが2011年頃から急速に普及が進み、今では都市部を中心にかなり利用者が増加しています。
自動車業界の見立てでは今後所有から使用へのシフトが加速するだろうとのことで、そうすると現在の自動車諸税の徴収がままならなくなる、だから走行距離に応じた税金の仕組みを創設しよう、そこから走行税という話が出ているのだとか。
確かに都市部ではカーシェアリングの拠点が年々増えてきており、利用者の利便性も向上していることから今後もこの仕組みの利用者が増え続けるのは間違いないでしょう。現在の自動車諸税のうち自動車重量税、自動車取得税ともに所有を前提とした税金です。重量税は所有している自動車の重さに比例して税金を課税する、取得税は自動車の取得に着目してそこに担税力(税金を払う余裕)を見出し、課税しようとするものです。ですから所有から使用へとシフトするとこれらの税金が徴収しづらくなるのは事実です。
しかしながら大都市圏以外の地方都市では事情が異なります。私もよく存じ上げておりますが、地方都市では自動車は生活必需品です。なにをするにもなくてはならないものですね。一方で人口密度は大都市圏よりも低いことからカーシェアリングの拠点は必然的に限られることになります。シェアリングビジネスは一人当たりの利用者を見積もることによって拠点が成り立つか否かを判断しますので当然の論理ですね。つまり地方都市ではカーシェアリングが使い勝手が悪いものであり、今後も幅広く普及するとは言い難いでしょう。
そうすると、従来の自動車諸税にプラスして走行税を新たに課税するのか、それでは地方在住者が不利益を被ってしまうんではないか、という意見が出てくるでしょう。今後の自動車諸税の議論としてはそのあたりのバランスをどうとっていくのかが重要になっていくのではないでしょうか。