みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。
年収と年商は似て非なる言葉ですよ、と言うのが今回のお話です。
みなさんもテレビ番組で、あなたの年収教えてください、と言うシーンをご覧になったことがあると思います。それを聴きながらフーン、へー凄い、思ったより低いんだねとガヤは盛り上がる訳です。
先日もそう言う場面がありましたが、そのときちょっと気になったことがありました。ちなみにそのときのインタビューの相手は個人で商売をされている方ばかりでした。で何が気になったかと言いますと年収という言葉の使い方なんです。
年収というのは一般的にはその一年間にどれだけ儲けを得たかという意味です。会社勤めの方でしたら一年間の額面給料の合計が年収になるからいいんですが、お店をやっている方すなわち個人事業主の場合はそうではありません。個人事業主の場合の年収は売り上げから経費を引いたいわゆる利益のことを指します。これに対し年商は一年間の売り上げです。
ところがインタビューでのやり取りで年収の捉え方が異なる方がどうやらいらっしゃったようです。インタビューの途中から月どのくらい稼いでいるという問いの変わっていたのですが、ある方は今までの稼ぎは最高で170万円は行ったかなと答えてらっしゃいました。営んでらっしゃるお店の規模からしてこれはおそらく月商の意味でした。そこからは職業柄すぐに原価率はこれくらいだから経費はこのくらいかかって、人も一人雇っているからお給料としてこれだけ出してそうすると残りはこれくらいかなというのを算定してしまいました。ちなみにその方の月収つまり利益は50万円くらいと見積もられました。
あともう一つ気になったことがありました。ある方が昨年の年収について170万円くらいと回答されていたときのことです。その後に「昔借りた借金があるからそれを差し引くとそれくらいにしかならないね」と続けられたのです。この時なるほどねと思ったのです。みなさんは借入金の返済が経費にならないことはご存知かと思いますが、その方はそれを経費として捉えるつまりお金の出入り(いわゆるキャッシュフローです)で年収を捉えていたのです。たしかに年収の一般的な意味は先ほど申したように売上ー経費=利益ですが、キャッシュフローの方が大事と考えればそのような答えになるのは当然ですよね。
色々勉強になった一場面でした。