合計所得金額と総所得金額等

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。

昨日お話した合計所得金額とよく似た概念で総所得金額等という用語があります。総所得金額等は合計所得金額から純損失などの繰越控除後の金額を言います。

では純損失とは何か。「純損失の金額とは、事業所得、不動産所得、譲渡所得、山林所得の4つの所得の損失の金額のうち、損益の通算をしてもなお控除しきれない金額をいいます(国税庁ホームページより)」。

例えばお店を個人でやってらっしゃる方で他に不動産賃貸業もされている方がいたとします。商売はその年に100万円の赤字、不動産賃貸業はプラス50万円の場合、この年の純損失は50万円となります。ちなみに青色申告の場合はこの純損失は翌年以降3年間繰り越せます。つまり翌年通算して100万円の黒字だった場合は黒字の100万円と前年の赤字50万円を相殺し、50万円の所得として申告ができるというわけです。

純損失等がない場合は両者は同じ金額になりますがあった場合は異なります。各種特例の所得制限がある場合(ある一定の所得を超えた場合にその特例を受けることができない場合です)または計算過程で所得を使う場合のその所得はほぼ合計所得金額を指しますが例外があります。

医療費控除・寄付金控除・雑損控除など

です。

これからの確定申告シーズンに際し該当する方はどうぞご注意ください。

 

東京都文京区の税理士です

 

 

合計所得金額とは

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。

年末調整、確定申告の作業の中でよく出てくる言葉に「合計所得金額」があります。

読んで字のごとく所得金額を合計したものです、、、答えになってないですね。

所得税においては個人が得た所得を10に分類することをしています。

利子所得、配当所得、給与所得、事業所得、不動産所得、譲渡所得、退職所得、一時所得、山林所得、雑所得、です。

これらを合計したものが合計所得金額です。

合計所得金額が登場する場面で最も多いのは扶養控除・配偶者控除(配偶者特別控除も含みます)でしょう。

扶養控除・配偶者控除を受けるための条件の一つに合計所得金額が使われます。扶養親族・控除対象配偶者に該当するには合計所得金額が38万円以下でなければなりません。また、配偶者特別控除では配偶者の合計所得金額によって受けることができる控除の金額が変わってきます。では合計所得金額はどのように算出するのでしょうか。

給与所得者を例にとると年収から給与所得控除額を控除した金額が給与所得になり、収入が給与しかない場合はそれが合計所得金額となります。では給与所得控除額はどのようにして計算するかと言いますとこちらのように行います。なお、年収が660万円未満の方は所得税法別表第五を使用して計算します。またはこちらの冊子の81ページ~を見ていただくと給与所得控除後の金額つまり合計所得金額がダイレクトに求められますのでご活用ください。この表から例えば年収162万円の方は合計所得金額が97万円だということがわかります。親族が年金受給者の方の場合は先ほどの冊子の21ページの3雑所得の欄を参照にしていただき計算をしてみてください。

このように扶養親族・配偶者控除の判定では所得という概念を使用します。収入そのものではないところに注意が必要です。

東京都文京区の税理士です

消費税の税率は?

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。

今日は消費税に関する小ネタを一つ。

みなさん消費税の税率は何%でしょうか。

そうです、8%です。

いえ、実は違います。正解は6.3%です。

現行、消費税と呼ばれるものは実は二つあります。一つは消費税。これは国税、つまり国の懐に入るもの。もう一つは地方消費税。これは地方税、つまり地方自治体の懐に入るものです。

消費税の税率は6.3%そして地方消費税の税率は1.7%、これを合計して8%というわけです。

しかし実際の計算は少し複雑です。まず納付すべき消費税(国税)を計算し、つぎにその金額に17/63を乗じた金額を地方消費税とします。6.3%×17/63だから1.7%でしょ、という理屈ですね。

ちなみに今年予定されている消費税率のアップによりこれらの比率が少し変わります。

標準税率である10%は消費税が7.8%、地方消費税が2.2%

軽減税率である 8%は消費税が6.24%、地方消費税が1.76%

です。

軽減税率につきましてはみなさんお聞きになったことがあるかと思いますが、またの機会にご説明したいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

東京都文京区の税理士です

認められる経費とは

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

仕事柄納税者の方から、この経費って認められるの?と尋ねられます。そもそも経費として認められるのは業務に関係があるもの、要するに売上を上げるために必要不可欠なものだけです。

売上に必要不可欠かどうかは人それぞれ、会社それぞれによって当然違ってきます。ということは「知り合いの会社ではこれこれこういう経費が認められているみたいだからうちでも認められるよね」という理屈が基本的には通用しないということですね。あくまでも御社の売上を上げるために必要不可欠かどうかです。

ですから市販の書籍でこういった経費は認められますよ、という具合に具体的なものを例に挙げて述べてる方がいらっしゃるようですが、それはすべてのケースに当てはまるわけではないのでご注意ください。

でも逆に考えると売上を上げるのに必要不可欠だと説明がつけば(主に対税務署です)何でもありということになります。ですから常日頃からこれって合理的に説明がつくかなという視点で見ていただくと経費の入れる入れないの判断がつけやすいのではないかと思います。

繰り返しにはなりますが巷の噂では、ということではなく「うちの売上を上げるのに必要不可欠かどうか」、だけを判断基準としていただくとよろしいかと思います。

東京都文京区の税理士です

青色申告の申請の注意点

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

青色申告の各種得点につきましては以前こちらでお話しした通りです。ご自分で経理から申告までされていらっしゃる方でもぜひ青色申告にチャレンジしてみてください(チャレンジというほど難しいものではありません。トライくらいの感覚でしょうか)。

タイトルに申請と書きました。申請と届出は似て非なるものです。申請は税務署にお伺いを立てて税務署長の承認によりはじめて申請が承認されるものです。一方届出は特に誰にお伺いをたてるわけではなく、基本的には自動的に届出の内容が受理されるものです。

青色申告は届出ではなく申請なんですね。税務署長の承認があってはじめて適用が認められるのです。

とここまで申請と届出の違いを述べてまいりましたが本題はここではありません。所得税と法人税それぞれに青色申告という制度があり、個人事業主または法人がそれぞれの制度のもとで税務署長にお伺いを立てて青色申告の適用を受けます。申請をする際には申請書というものを所轄の税務署に提出します。実はその提出には期限がありまして、それを一日でもすぎてしまうと申請すらできません。個人も法人も多くの場合1年という区切りの中で年度を設定していますので、期限が過ぎてしまうと次の年度からの適用を申請することになり、1年青色申告の適用ができないことになってしまうのです。

その提出期限ですが、所得税の場合は業務を開始した日から2ヶ月以内です。既に事業を開始されている方でその年から適用を受けたい場合はその年の3月15日までに提出です。

一方法人税の場合は設立日から3ヶ月以内です。ということで2つの制度で期限が違うのです。ですので青色申告って確か3ヶ月以内に出せばよかったんだよねと思ってらっしゃる方はご注意ください。個人の場合は2ヶ月ですよ。

ということでみなさんもご自身がまたはどなたかから聞かれた場合はその点ご注意ください。

東京都文京区の税理士です

ホンモノ指向です

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

NHKのインタビューである企業の経営者が今年の景気について「ホンモノ指向」と答えてらっしゃいました。※色々調べると「志向」の方が正しいようですが、それは本質的な問題ではないのでここではこれ以上は触れません

このホンモノという言葉、私が常日頃から大切にしていることでしてこの言葉を見かけたときは本当に嬉しく思いました。

この1年先行きが不透明な中で余計なものが振り落とされてホンモノだけが残るのではないか、というような内容だったと思います。

ホンモノという言葉、私も実はよくわかっていません。価値観が同じ者同士が共有する何か、ここだけは譲れないものあるいはこの考え方大事だよねと感じている何か、、、

価値観が異なるとおそらくそれは違ってくるのでしょうね。だから絶定的な存在ではなく相対的にホンモノ、なのだと思います。

税理士にとってホンモノとはなんでしょうか。納税者から言われるままに経費を認めてあげること、決算対策と称して保険を勧めること、、、

いえいえそうではありません。本当に納税者の為になるのなら時には煙たがれることも言う、そうですそれが税理士にとって大切なことであり使命つまりホンモノなのです(税理士法第1条に税理士の使命として「独立した公正な立場」と書いてあります)。

これからもそれを肝に銘じて税理士として職務を全うしたいと思います。

東京都文京区の税理士です

 

高額な贈与もありです

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

贈与税の税率は一般に高いといわれております。確かにその通りでして(国税庁のこちらのホームページの表の特例贈与財産用の方をご参照ください)、例えば親子間で1千万円の贈与をした場合は税率は30%です。確かに高いですね。えっ300万円も税金で取られるのか、と。

でも実はそうではありません。ちゃんと計算すると親子間での1千万円の贈与に係る税金は177万円です。率にすると17.7%ですね。表をよく見ると控除額の記載があります。超過累進税率の調整をこの控除額で行っているのです。1千万円に丸々30%の税率がかかっているわけではなく600万円を超えて1千万円までの400万円分にだけ30%の税率がかけられています。そして400万円を超えて600万円までの200万円に20%、200万円を超えて400万円までの200万円に15%、200万円以下の部分に10%の税率がそれぞれかけられている、とこの表から読み取ります。

1千万円の贈与の場合の実効税率は17.7%です。これを10年間続けた場合1億円の財産を子供に移転した場合の贈与税の総額は1,770万円です。

一方相続税の税率を見ていきますと(こちらをご参照ください)、1億円以下の相続財産の取得の場合の税率は30%、相続税は2,300万円です。

こうして比較してみると贈与により10年かけて1億円を移転したほうが税金が安く済むことに気が付きます。

ただしこれはかなり粗い比較ですね。そこで贈与による移転をしなかった場合の相続財産が2億円だったというストーリーを仮定するとわかりやすいと思います。まず本来2億円の相続財産に支払うはずだった相続税は6,300万円です。次に1億円を贈与により移転しましたから相続財産は1億円に減っているはずですから1億円の財産に対して支払う相続税は2,300万円です。ということは4,000万円も相続税を減らすことができました。

1,770万円のコストで4,000万円の効果を得ることができる、とてもお得な節税法ですね。

ということで、高額な贈与もちゃんと相続税対策になりますよ、というお話でした。

 

東京都文京区の税理士です

 

消費税増税が迫っています

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。

消費税の税率が今年の10月から10%にアップされる予定です。そのアップされる前に色々購入しておこうという方も多いかと思います。

事業用の資産のご購入を検討されている方もいらっしゃるでしょう。そのような方はこちらのブログをご参考にしていただいたうえでご検討ください。

事業用資産を購入する場合は原則として負担は税率アップ前もアップ後も変わりません。ん?本当でしょうか、本当です。

消費税の仕組みは以前お話しましたが、簡単にここで申し上げます。お客様から預かった消費税から仕入れなどの時に他のお店・会社などに支払った消費税を引いた金額を国に納めるという仕組みを取っています。例をあげますね。

お客様から100万円の消費税を預かっている状態で本体価格500万円の車を購入したとします。税率アップ前の消費税は40万円、アップ後は50万円です。確かに購入時にはアップ後は10万円多く販売店へ支払わなければなりませんが納める消費税はアップ前は100-40=60万円、アップ後は100-50=50万円と10万円少なく済みます。ということはトータルでは負担は変わらないことになります。

消費税のアップ前に駆け込みで事業用の投資を行おうとする方は急ぐ必要はないですよ、ということが言いたかったのです。

ただし、原則として負担が変わりません、と申しましたのは例外があるからです。そもそも免税事業者の場合は消費税という概念自体がないので(あくまで会計上ですが)、アップ前の駆け込みの投資を検討する意味があります。また、消費税の課税方法として原則課税の他に簡易課税というものがありますが、こちらを選択している方の場合もやはり駆け込みを検討する意味はあります。こちらに関してはここでは詳しくは解説しませんが、一言で申しますと納付税額が預かった消費税のみで計算されるからです。簡易課税につきましては機会を改めて詳しくご説明申し上げますね。

ということで事業者の方は基本的には消費税率のアップという言葉に惑わされず投資計画をご検討ください。

東京都文京区の税理士です

今日からスタートします

あけましておめでとうございます。本年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

さあ今日から仕事始めですね!今年も一年頑張りましょう。

今日からスタートする画期的なものが実はあるんです。それは「スマート申告」です。

スマートフォンで確定申告ができるというものでして、まさに画期的な制度がスタートしました。事前に所轄の税務署へ出向きID・パスワードを発行していただくという手間は必要ですが、一度これらを取得してしまえばあとはいつでもどこでもスマートフォンで確定申告できるのです。

もちろんスマートフォンで各種数字・文字等を入力しますので入力項目が多いものには向かないと思いますが、医療費控除・2か所給与の合算・各種控除の追加などといった比較的簡単なものについては是非このスマート申告でチャレンジしていただきたいと思います。

ちなみに事前準備として税務署に出向く際には本人確認書類(運転免許証など)が必要となりますのでご留意ください。

皆さんもこれを機会に是非スマート申告、挑戦してみてくださいね。

 

東京都文京区の税理士です