起業に際して困ること

みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区という所で税理士事務所を開業しております。

起業をした方の体験談を読む機会があって、そのなかで起業に際し苦労したことを2つ挙げてらっしゃいました。

1つは起業に際し遵守すべき各種法令を学ばなければいけないことでした。例えば飲食店を開業しようとする方は保健所への届出、食品衛生責任者の資格の取得などが必要、といった具合にですね。

そして2つ目が帳簿の付け方だそうです。商売を始める以上帳簿を付けるのは絶対的に必要なことです。特に青色申告の特典を受けるには一定水準以上の帳簿を備え付けなければならないことは以前お話したとおりです。

帳簿とは総勘定元帳、補助簿、仕訳帳、現金出納帳、預金帳、売掛台帳、仕入台帳、等々です。これらの帳簿は正規の簿記の原則に従って(要するに簿記のルールに則ってくださいねということです)記帳されなければなりません。そうです、独自のルールにもとづいて記帳してもそれは正しいものではないですよということになります。

それはなぜでしょう。帳簿を備え付けるのは

①税務上、帳簿の備え付けが義務付けられているため。そもそもなぜ義務付けられているかというと簿記のルールに従って記帳することで帳簿の追跡可能性(トレーサビリティ)を担保し、取引の正確性・妥当性を検証するためです。ですから簿記のルールに従うことが絶対条件となるのです。

②第三者に訴えられたときまたは訴えるときに帳簿が有力な証拠になり得るから

③自身で特定の取引をたとえば過去にさかのぼって確認したいときに必要となるから

これらの理由から帳簿の備え付けが必要となります。そしてそれらは簿記のルールに従って記帳されなければなりません。

その方はこのようにもおっしゃっていました。簿記は義務教育化すべきだと。まさにそうだと思います。日本はまだまだ起業率が他の先進国と比べると低いそうですがその要因の一つに帳簿の備え付けというハードルがあるのではないでしょうか。ご自分ではやり方がわからず結局税理士等の専門家にすべて任せるなどということになってしまっているようですが、そもそも帳簿をつけるのは税理士の仕事ではなく納税者ご自身で行わなければならないことなんですね。税理士はあくまでその納税者の付けた帳簿を監査するというのが本来の仕事のはずですから。

簿記の知識を広めていくのは会計の専門家である税理士の社会的使命の一つであると前々から思っていますので何かお役に立てたらいいなあといろいろ企てております。

東京都文京区の税理士です

投稿者: you-furumi

東京都文京区で税理士をしております。お客様に本業に専念していただけるようサポートをすることを使命と考えております。

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