みなさんこんにちは、税理士の古見です。東京の文京区で税理士事務所を開業しております。
いよいよ今年もあと10日余りとなりました。みなさんの会社ではもう年末調整は済みましたでしょうか。年末調整でうれしいのは何といっても還付金という名の臨時収入です。いつもの給料明細に12月分だけ年末調整還付金という名称で給料にプラスされるあれですね。
自分自身もこの業界に入るまでは年末調整って何か知らないけどいつもより多く振り込まれるアレね、という感じでなんだかよくわからないけど少しうれしかった記憶があります。
実はみなさん、騙されてはいけません。といってもそんなに大したことではないのですが、あれは天から降ってきたご褒美、ではなくご自身がお給料から天引きされた所得税の一部が還付されただけなんです。ご自分が支払ったものの一部が戻ってき、ただそれだけなんですよね。だから損も得もしていないんです。
年末調整というのは給料所得者の1年間の所得を確定する作業です。要するに確定申告みたいなものですね。それまでの1年間に給料から天引きされた所得税の合計と本来その人が支払うべきその年の所得税とを比較して天引きされた方が多ければ還付金が発生し、少なければ追加で天引きされる、という仕組みになっています。
そもそもなぜそのようなズレが生じるかと言いますと、毎月天引きされる所得税はあくまでも概算で計算されているからです。その人の今年の年収がどれくらいになるかおおまかに予測して天引きすべき所得税の金額が規定されています。
さらに生命保険料控除などの各種控除を考慮せずに計算されていますのでそのようなことが還付金が発生する原因となっております。ただ、場合によっては例えば賞与の金額によって逆に追加で天引きしなければならないケースも出てきます。賞与の金額が国が想定している金額よりも多い場合は月々の天引きすべき所得税の計算の前提としている年収を超えるわけですから天引き額が不足して追加徴収となります。
大部分の方は年末徴収でお金が戻ってきますがこのように賞与の金額等により追加で支払う場合もあります(年の途中で扶養親族に移動があった場合などそれ以外にも原因があります)。なので年末調整=お金が戻ってくるもの、とあまり期待しないでくださいね。